或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

芸術都市パリの100年展

2008-08-05 06:26:50 | 300 絵画
暑い日が続きますね。昼間に外出というのは想像するだけでも汗が出そうだけど、なんとか気合を入れて絵画を観てきました。ひろしま美術館で開催されている”芸術都市パリの100年展”。サブタイトルが”ルノワール、セザンヌ、ユトリロの生きた街 1830-1930年”。広島の前が東京都美術館で、後が京都市美術館という3つの美術館での巡回展示。

展示室の入口付近にパリ市街の模型が設置されていて、作品をレンタルした美術館の名前と位置が分かるようになっていた。こうやってみると、パリにはたくさん美術館があるなと。でも東京にもそれぐらいあるか。自分が行ったことがあるのはそのうちのほんの数ヶ所。いつか美術館巡りだけに1週間ぐらいかけて再訪したい気持ちに駆られたなあ。もちろん夏は避けて。

有名ではないけど趣味の良い佳作が多かったというのが全体としての感想。その中で別格だったのがユトリロの2枚、というか2枚しかなかったけど。彼って年代にもよるけど出来不出来の差が大きく、期待していると失望したりするパターンが多い。でも今回観たポンピドゥー・センターの「コタン小路(L'Impasse Cottin)」(1911年)と市立近代美術館の「ベルリオーズの家(La Maison de Berlioz)」(1914年)の出来はすこぶる良かった。特に前者は有名で”白の時代”の代表作と言えるでしょうね。

実はまだポンピドゥー・センター(国立近代美術館)には行ったことがなくて。持っていた本を調べて分かったけど、ここは彼の作品を数多く所蔵している、それも年代毎にバランス良く。情けない話だけど、買ってそのままだったこの本を隅々まで眺めていたら観てみたい作品がたくさんあった。どうもこれまで気に入ったのに巡り合えておらず少々食わず嫌いのところもあったかなあ。その意味では良い仕切り直し。

そうそう、ユトリロ以上に印象的だったのが彼の母であるシュザンヌ・ヴァラドンの作品。彼女の強い個性と人柄を感じたなあ。これはまた別の機会に紹介します。というのも、作品だけでなく彼女と息子との人間関係にどうしても触れたくなるから。

コタン小路(1911年)