或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

小林千古

2007-06-06 06:24:30 | 300 絵画
今日は広島出身の画家の紹介。興味を持ったのは、ある企画展のチラシの中に一枚の絵をみつけた時。一流の雰囲気を感じたから。いつも利用している図書館の2Fが美術ギャラリーになっていて、暇がある時はちょくちょく寄っています。たいていが地元の同好会の気軽な展示会。今回は「広島県・ハワイ州友好提携10周年記念特別展~小林千古(こばやし せんこ)展」。

といっても知らないでしょうね。もちろん自分も知らなかった。彼は1888年に移民とともに海を渡りサンフランシスコへ。働きながら絵を勉強し、パリで黒田清輝、岡田三郎助らと知り合った後、1903年に帰国。黒田が主催する白馬会に入会し頭角を表すも、病気のため帰郷し41歳の若さで死去。才能があっただけに惜しまれます。展示された作品を見てそれがよく分かった。

そのチラシの絵が、上の写真の「プリンセス・カイウラニの肖像」(1899年)。その穏やかな色合いと柔らかな筆致が素晴らしかった。今回わざわざハワイのビショップ博物館から借りたもので、日本初公開。興味を持ったのがモデルとなった女性。

彼女はハワイ王朝最後の王位後継者だったけど、ハワイが米国領土となった翌年の1899年に23歳の若さで病死。現地では悲劇の王女と呼ばれ、その美貌もあってか後世に多くの人々から愛されているらしい。なんか歴史解説になってきたなあ。

面白いのは、彼女の名前がホテルの名前になっていたこと。マウイ島にあるシェラトン・プリンセス・カイウラニ。自分の新婚旅行の時にはシェラトンがワイキキにできたばかりで、せっかくだから高級ホテルでと、わざわざ食べに行ったのを憶えている。今はシェラトンもたくさんあるらしいけど。なんでも彼女の幼年時代の屋敷があった跡地に立てたので、それにちなんだとか。

下の本も借りて読んだりして、ひょんなきっかけでハワイの歴史を少しだけ勉強できました。

白い孔雀―プリンセス・カイウラニ物語白い孔雀―プリンセス・カイウラニ物語