或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

バッハ シャコンヌ

2007-06-01 06:20:23 | 210 クラシック
最近少し集めているアルバムが、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ。気軽に聴ける雰囲気じゃないけど、逃れられないというか、とりつかれてしまったというか、どうもハマっている。単音楽器?でもないけどガチンコの真剣勝負。まあ包丁1本さらしに巻いてとは言わないまでも、ヴァイオリン1本で勝負するので、全てさらけ出されるところが面白いのかも。

有名なのは第2番ニ短調。とりわけその最後を飾るシャコンヌ。15分前後も演奏時間があるから、これだけでも小品と言えるほど。巷ではバッハの最高傑作とみている識者も多い。確かにそう言われるだけのインパクトがありますね、この曲には。聴き比べは楽しいけど、おそらく100人以上が録音をしている。だから全部聴き比べるなんて経済的にとうてい無理。良かった。

それで代表的な3枚を紹介しておきます。シェリング(1967年)、グリュミオー(1960年)、クレーメル(1980年)の演奏。あえてジャズピアニストに例えて言うならば、バド・パウエル、エロル・ガーナー、チック・コリアといったところかな。強引すぎるか。

それじゃハービー・ハンコックは?と聞かれそうだけど、しいて挙げるならパールマン(1986年)。だいぶ違うような。とりあえず買うとすればシェリングがオススメ。ヴァイオリンの音色も甘すぎず辛すぎず、解釈も厳しさと暖かさが程よいバランス。グリュミオーは、ただただひたすら美しい。クレーメルはマニア向けだけど、その解釈から取り組みへの真摯さが伝わります。

つくづく思うのはヴァイオリンって楽器による差がモロに出るってこと。ギターやサックスだと、ちょっと無理をすればアマチュアがプロと同じものを持てる。だけどヴァイオリンはそうはいかない。高価なものほど良く鳴り、軽いボーイングで楽々と豊かな音がでる。安価なものだと鳴らないから無理に強く弾く、すると悪い癖がつく、という悪循環。だからどうしても金持ちが有利。

なんて言いつつ、まだまだいろいろ聴きたいので、ながーいお楽しみにしようと思っています。

シェリングシェリング グリュミオーグリュミオー クレーメルクレーメル