先日、NHK-BSの海外ドキュメンタリーで、レーガン大統領の「スターウォーズ構想」がソ連を疲弊させるための罠だったという番組をやっていたのですが、これがなかなか興味深かった。
東西陣営の軍拡競争が極限を迎えようとしていた80年代、レーガン大統領の「敵国から発射されたICBMを衛星軌道上に設置された武器で宇宙空間において破壊する」というスターウォーズ構想が発表される。水爆の父と呼ばれた博士らも登場して、大真面目な計画かと思われましたがこれがハッタリだったというもの。
ソ連としても嘘だろうとは思うものの、もし完成すれば自分たちの切り札が無力化するので軍は必死。そこにアメリカは2の矢として、ソ連経済の源ともいえる原油の価格を暴落させた。これにはサウジアラビアも協力して、一気に1バレル当たり7ドルにまで暴落してソ連経済は大ピンチに。この番組では、サウジの協力への見返りにスペースシャトルにサウジ国民を宇宙飛行士として搭乗させたと紹介している。
その後、ソ連が介入していたアフガニスタンの反政府勢力にアメリカが協力して泥沼化させていったことや、ソ連がその後も宇宙戦争に向けて莫大な開発費用をかけたことで、遂に東側諸国が自由化しソ連邦が崩壊したという流れが実に興味深かった。元役者だった大統領のハッタリが歴史を動かしたという訳だから。
この時にやった原油価格の操作は昨年にも繰り返されて?、アメリカと シリアやウクライナをめぐって対立するロシアと 反米で知られるニカラグアはこの原油価格の暴落で今も経済的に苦しい状況となっている。また、アフガニスタンでソ連に対抗するためにアメリカが鍛錬した兵たちが、ビンラディンに率いられてアルカーイダとして欧米にテロを起こしている。因果応報だとしか言いようがありません。
世界中に起こる、ちょっと関係なさそうな出来事も俯瞰して考えると全てが繋がっていくことは結構あるのかもしれませんね。
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