はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

「宇宙魔神 ダイケンゴー」#01-02 感想

2008-09-27 23:30:51 | マンガ・アニメ
・宇宙魔神 ダイケンゴー 第1話「あらくれ星雲児」
(脚本/鳥海尽三、演出/八尋 旭、作画監督/田辺由憲)
・宇宙魔神 ダイケンゴー 第2話「孤独の星武者」
(脚本/陶山 智・山村一郎、演出/古川順康、作画監督/小泉謙三)



「広い銀河の果てまでも、悪を叩いて流れ星。行く手を阻むか宇宙の地獄。怒れ、正義のダイケンゴー!」


 納谷悟朗によるOPナレーションが格好いい「宇宙魔神ダイケンゴー」が、今週よりCSの東映チャンネルで始まった。8月まで放映していた「とびだせ!マシーン飛竜」ともども、「東映アニメ主題歌大全集」第2巻ででOP・EDを観てからずっと気になっていた作品だったので、今回の放送は嬉しい。


 この「宇宙魔神ダイケンゴー」は、タツノコプロを退社した鳥海尽三、陶山 智、酒井あきよしの三人が設立した「鳥プロダクション」のテレビアニメ第1作にして、最終作になってしまった作品。つまり、鳥プロが制作したテレビアニメは、これ一作しかない。
 中心メンバーがタツノコ出身者だったためか、スタッフは監督の八尋 旭(案納正美)、メカニックデザインの大河原邦男、キャラ設定の高橋資祐、井口忠一や美術監督の中村光毅など、タツノコと縁の深い人が多い。

 だから、さぞかしタツノコっぽい作品なんだろうと想像していたのだが、実際に観てみると、さほどタツノコ的な雰囲気は感じなかった。そもそも、主人公が「星の王子様」だという設定からして、タツノコが作りそうな感じではない。
 タツノコ作品との類似を挙げるとしたら、前述のOPナレーションから「新造人間キャシャーン」のOPナレーションを連想させられる点くらいだろうか。「キャシャーン」の有名すぎるOPナレーションも鳥海尽三氏が手がけたものだし、声も同じ納谷悟朗とあってはイメージが被る。重い感じの「キャシャーン」と比べると、「ダイケンゴー」のOPナレーションは明るいが。


 さて、本編第1話・第2話の感想だが、色々と意表を突かれる展開が多くて、今後どんな方向に話が進んでいくのか大いに期待させられた。導入としてはなかなかよかったと思う。
 主人公の王子が星から星へと旅を続ける話だと言う事で、「最強ロボ ダイオージャ」のような1話完結の勧善懲悪物を想像していたが、どうやら連続したストーリーになりそうだし、和平の妨げだと父王から暗殺指令が出されており、お気楽な漫遊記にはなりそうもない。第2話で早くも、味方であるはずのエンペリアス軍から攻撃される展開で次回への引きとなっており、主人公・ライガーの今後が非常に気になる。
 ロボットアニメのキモの一つである戦闘シーンは、第1話・第2話では敵のメカが弱いせいで、あっさりしすぎてあまり印象に残らなかった。こちらは、今後に期待したい。

 登場人物で気になったのは、敵の「ロボレオン」。EDアニメでライガーに大きく立ちはだかっている絵があったせいで大ボスだと思っていたが、実際には単なる下っ端の司令官だった。
 第1話ではライガーの兄・ザムソンを(卑怯な手段ではあるが)あっさり殺しており、さらにダイケンゴーを敵に回しての戦いが厄介と見るとすぐに和平交渉を申し込むなど、第1話では知略に長けた将と言う印象を受けただけに、第2話で上官らしい女性にペコペコしている姿は実に情けなく見えた。
 このロボレオン、一人称が「ロボ」なのはどうなんだろう。貴族の「麿」みたいなものなのだろうか。


 あと、本作では、当時声優初挑戦だった堀江美都子の演技に注目していたが、それほど悪くはなかった。もちろん、後に主役を張った作品群と比べるとたどたどしさはあったが、声の演技としては一定の水準に達していると思う。
 まあ、「ひどかったらしい」と噂で聞いて、かなりの覚悟をしていたので、「思ったよりは良かった」という感じを受けたのかも知れないが。

 ミッチと言えば、本作のOP主題歌「宇宙魔神ダイケンゴーの歌」は非常に燃える名曲だ。サビの盛り上がりは最高。この歌に限らず、「ボルテスVのうた」「ダルタニアスの歌」と、堀江美都子+小林亜星のロボットアニメ主題歌は名曲揃いなので、このコンビでもっとたくさんの曲を生み出して欲しかったものだ。


 なお、ここまであえて触れてこなかったが、この作品、作画はどちらかというとショボい。鳥プロが制作母体を持たず、実際の作画はグリーンボックスが担当しているので、致し方のないところか。「とびだせ!マシーン飛竜」と違って作画監督がいるので、絵に統一感がある分だけこちらの方がマシに見える。
 それにしても、第1話原画の「大 剣吾」(=ダイケンゴー)とは、一体何者なんだ。

 ともかく、なかなか面白くなりそうな出だしなので、今後が楽しみだ。