はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

「チンプイ」最終回についての妄想

2004-06-26 23:11:07 | 藤子不二雄
 本日のシンエイアニメシアター「チンプイ」(土・日曜版)は、第55・56(最終)回だった。せっかくなので、まずは各話の感想を。第55回「名画獲得作戦」「マール星財産の使い道」は原作付きだが、両方ともオチが変更されていた。「マール星…」の方は、冒頭部分の繰り返しになっていて、原作よりオチが効いていたと思う。第56回Aパート「レッツゴー銀河レース」は、10分でまとめてしまうのが勿体ない題材だった。もし劇場版第2作が作られていたら、この話をベースに出来たのではないだろうか。もっとも、後に作られた「21エモン 宇宙いけ!裸足のプリンセス」(原作は「モジャ公」の「アステロイド・ラリー」より)と似たような作品になったかもしれないが。
 そして、問題の最終話「はじめまして、ルルロフです」。数年ぶりに観たが、やはり結末について色々と気になった。内木君とルルロフ殿下が精神を交換して、殿下がエリに初めて会うと言う、このアニメオリジナルの最終話に、藤本先生の意向はどれほど反映されていたのだろうか。もし原作の完結を見越した上で、このアニメ版最終話が作られたとしたら、少なくとも「内木君=ルルロフ殿下」と言うオチはない事になる。そして、原作ではこれでもかというくらい何度も、殿下と結婚した未来が描かれており、「ドラえもん」の、のび太&しずかの結婚と同じくらい、動かしがたい既定事実であるかのようだ。
 だとすれば、何らかの納得できる理由があって結婚する事になると考えられるが、アニメ版とは違って原作のルルロフ殿下は本当に単なるプレゼント男としか描かれていないから、生半可な事でエリが殿下との結婚を決意するとは思えない。その「理由」として誰しも考えるのが「内木君=ルルロフ殿下」説だが、原作では、おそらく意識しての事だと思うが、その点にはついては触れられないままとなった。
 もしかしたら、アニメ版最終話で二人を「別人」として描いたことも仕掛けの一部で、原作がもし完結していたら、あっと驚くような理由で「実は同一人物でした」と明かされたかもしれないし、そもそもアニメと原作は別物と割り切った上であの最終話が制作されたのかもしれない。だとしたらアニメ最終話から原作の結末を推し量る事は、意味がない。
 こうやって考えはじめると、本当にきりがない。原作が未完に終わってしまった事が、改めて残念だ。学年誌のドラを休載してでも、あと残り2話を描いていただきたかった。とは言え「チンプイ」連載終盤の1990年後半は学年誌ドラも休載が増えだした時期だったので、無理な事だったのだろうが。せめて「ねじ巻き都市冒険記」レベルで下書きかアイデア帳にでも最終話の案が残っていれば、ぜひ知りたいものだ。藤子プロから発見されないものだろうか。