声かけて返事なかりし秋簾
秋簾友と語りて時刻む
右は中学時代の同級の友の実家の風景だ。彼は集団就職で東京へ行って東京での生活が長い。今は彼の実家は兄さんの一家が継いでいなさる。兄さん一家は屋敷が広いためこの古い歴史と重みのある家の一部を残して、少し離れた場所に、新築した家に住んでいる。友人は男ばかりの兄弟が五人もいて、彼は二番目だそうだ。遠くに離れている兄弟は皆、この古い重みのある家が、思い出と重なってか大好きのようである。そんなため、年に何回か訪れる兄弟の為にこの懐かしの家を維持してくれているとのことだそうだ。友人が帰郷したのとの連絡があったので、久しぶりに彼に会いに行った。まだ秋の日差しが強いこの日は、秋簾が一枚だけ下がっていた、この秋簾に、日本家屋の原風景を見ているような懐かしさ湧いてきた。秋も深まって少し寒さ感ずる頃になると、はずしてしまい込まれるだろうが、また来年も、この趣のある簾を下げて欲しいと感じた。
句の裏に、人生を思います。
懐かしさ・・・人の心で一番大切な物と思います。
深まる秋に、ちょっと懐かしさに浸りたいと思っています。