花粉症笑顔の人の仮の貌
目と鼻に春のいたずら感じたる
ネットの俳句嚢や他の歳時記には、花粉症は季語として乗っていないが、角川新版歳時記によれば、花粉症は季語となったのは近年であると記してある。従ってどう解釈したらよいのか混迷していますが、金子兜太さんや桂信子さんの著名人が監修している権威のある角川歳時記を採用しようと思った。作品の季語は「花粉症」、季節は春だろう。だろう、と推測的表現になったのは、一年を通して花粉症に悩まされている人がいるからである。それに、一概に花粉症といっても、その発症の原因がスギだったりヒノキだったり、あるいはヨモギ・背高泡立草・ブタクサなどの草花であったりするからだ。最初は鼻と目に挨拶程度の感触であったが、ここ二十年来、必ず訪れる魔物になっている。これも地球温暖化初め空気が汚染された環境の変化なのかと思うのである。