ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

中高年登山の悲劇

2012年05月07日 | 季節の話題
 ゴールデンウイークが終って、世の中は通常通りのカレンダーに戻ったが、昨日突然に襲った竜巻と落雷による犠牲者と多大な家屋や自動車などに及ぶ被害は想像以上であり、日本でも映画の欧米の如き竜巻が起きるという現実に驚いている。

 そういえば、連休最大の九日間の内で一番天気が良かったのが五日のこどもの日だったのだったが、その翌日に茨城県つくば市周辺と千葉県、栃木県の一部に大きな被害をもたらした竜巻だった様だが、同時に同じ気象現象なのだか定かではないが、落雷による死傷者も出たというから、自然災害は本当に恐ろしいものである。

 しかし、あの好天気だったはずの子どもの日に、決して自然災害ではなく多数の死傷者を出した事故が起きていたのだったが、長野県白馬岳(2932m)への小蓮華山から白馬への尾根で中高齢者の登山グループの六人が揃って低体温症という死因で亡くなったという痛ましいニュースが報道されていた。

 そのグループは北九州市の63歳から78歳のお医者さんを含む6人の男性グループだったらしいが、2009年7月に北海道の大雪山系のトムラウシで8人の登山者が死亡した事故以来であり、やはり09年の事故の場合も中高年の登山グループだったと記憶していて、登山経験の豊かなリーダー的存在の人もいたにも関わらず、天候の急変や寒さなどに対する対策や準備が十分ではなく、あえなく帰らぬ人となったと記憶している。

 またも起きた中高年登山者の悲劇と新聞紙上で見出しとなってしまったわけだが、今回も低体温症という症状を解説している医師と同様に、医学的知識や登山経験も豊富な中高年齢層だったにも関わらず、この事故が起きてしまったのは如何なものなのだろうか。

 素人ではあるが、やはり「備えが足らない」、つまり二千メートル級とは言え、この季節の高山はまだ雪が残っているし、天候の急変で相当な低温になることもあるのにも関わらず、全員が相当な軽装であったらしく、雨合羽が唯一の上着的着衣だったらしく、断熱材の入った防寒具などは誰も身につけていなかったらしいのである。

 また携帯電話も持参されていたであろうが、事前に救出を求める電話やメールもなく、氷点下二度まで下がっていたと思われる吹雪状態の寒気の中で、全員がなす術もなく亡くなってしまったのだとすれば、余にも無謀かつ山を舐めたとしか言えない、自然の厳しさの中に人が埋もれてしまったとしか言えない惨状となってしまった。

 現代の様な情報社会の中で、いくら中高年とは言え、スマートフォンに限らず、自分たちが登山する山系の地理的な条件とか天気予報などを事前に入手することは困難ではなかったと思われるし、途中で急な天候異変や変化を感じたら、安全第一で引き返すという山登りの鉄則も、たぶんご存知なかったとは思えないのだが、こういう結果に終ったということは、侮ったとしかいい様がないのである。

 同じ5月5日には、白馬岳の6人だけでなく、爺ヶ岳でも62歳の女性が亡くなり、涸沢沢岳でも71歳の男性が死亡していて、計8名が犠牲となってしまったのだったが、前日の4日の午後7時頃には岐阜県高山氏の奥飛騨温泉郷の涸沢岳(3110m)に登山していた福岡県の別の6人グループは県警に救助要請をしたため、前記の一名を除く5人は救助された模様であった。


 翌日の6日にも、岐阜県の北アルプスの奥穂高岳(3190m)北側の尾根で縦走中の男性3人が岐阜県側に滑落したらしく、一人は自力で尾根に戻って家族を通して110番通報し、翌朝である7日に発見された残る2人の内1人が死亡し、もう一人も意識がないと報道されているが、このグループは30代の3人であった。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 久々の「狂言」鑑賞。 | トップ | 全原発稼動停止。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

季節の話題」カテゴリの最新記事