ガリバー通信

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cop10名古屋で開催。

2010年10月18日 | イベント
 「COP10」、生物多様性条約第10回締結国会議が今日から名古屋市で開催された。

 この「生物多様性条約」とは、ブラジルのリオデジャネイロで1992年に開催された「国連環境開発会議」(UNCED、地球サミット)にあわせ、「気候変動に関する国際連合枠組条約」と「生物多様性条約」が採択され、日本は1993年5月に18番目の締結国となり、条約は同年12月に発効したものです。

 2010年7月現在の締結国は192カ国及び欧州連合(EU)となっていますが、この条約は熱帯雨林の急激な減少、種の絶滅の進行への危機感、さらには人類の存続に欠かせない生物資源の消失の危機感などが動機となり、生物全般の保全に関する包括的な国際枠組みを設けるために作成されたものだそうです。

 本条約の三つの目的としては、

 ・多様生物性の保全・生物多様性の構成要素の持続可能な利用・遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衝平な配分、となっており、国連を中心とする地球環境を守るための「CO2の削減」を主に目標値を定めて協議し、各国が目標値を定めて発表している「地球温暖化防止」のための会議と並ぶ条約締結国会議だといわれています。

 「COP10」の「COP」とは、Conference of Partiesの頭文字から取った略語なので、地球温暖化防止のための会議と同様の略称となるために、少し紛らわしくはありますが、いずれも「地球の将来」を人類が如何に大切に考えて努力するかを相談し、国際的な枠組みの中で検討、努力する目標値を定めるものなので、非常に重要なことだと思います。

 しかし、今回の生物多様性条約の締結国会議として10回目にあたる名古屋では、早くも各国の利害とでも言うべき、立場、経済、発展途上、自然環境の豊かさなどの相違からか、なかなか厳しい内容に関しての一致が見出せない可能性も出でいて、議長国としての日本の責任と交渉、説得の努力が非常に重要なものとなっているようです。

 そもそも、二酸化炭素排出に関する規制や削減目標に関しても、先進国と称される国々と発展途上国と言われる新興国との間の温度差とでもいうべき首長や考え方には、相当な隔たりがあるようで、日本の掲げた削減目標25パーセントも、目標としては厳しくても官民あげての具体的計画と努力で達成できるか否かは微妙だと思われますが、世界一の排出国アメリカ合衆国と発展途上といえども大量の排出国となっている中国とインドなどの経済発展国のかかわり方が大問題となっています。

 子どものけんかではありませんが、「お前とこがもっとせよ」とか「俺たちはこれで精一杯」だとか言っている様な、自己主張一点張りの議論では、決して地球上の生物多様性の環境維持は甚だ難しい現状の中、益々絶滅種が加速度的に増加してしまうのは間違いありません。

 CO2の削減も生物多様性の保全についても、自国の利害を主張するだけでは解決しないことは誰が考えても明らかなことですので、「地球人」としての英知と聡明さで、生き物としての「地球」の健康を持続する方法、手段を考えて実行する会議としてほしいと願っています。

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