ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

医療と自然死。

2012年07月31日 | 感じたこと
 今日で7月が終わり、明日から8月です。皆さん、お元気でしょうか。今年も猛暑が続く大変暑い夏となっていて、全国各地で熱中症をはじめ水の事故も含めたくさんの方が急にお亡くなりになっているという報道がなされていて、高齢化社会を迎えたわが国ニッポンは、ロンドンオリンピックの結果でうかれている場合ではないのではないでしょうか。

 ともかく年々日本国内での医療費が増加していて、昨年は32兆円を超える膨大な医療費が支出されている現状は、益々増加の一途を辿っていて、特にその半分以上を70歳以上の高齢者医療に関わる費用として使われているというのが実態だそうで、このまま推移すれば、日本は年金と共に高齢者医療費の莫大な増加で、政府も健康保険財政も年金財政も破綻しかねない危機が迫っていると言っても過言ではないと思われます。

 そういう状況の中、ご存知の方も多いと思いますが、「大往生したければ、医療とかかわるな」というタイトルの著書を書かれた中村仁一という医師がおられて、今マスコミを中心に注目を集めているというニュースを知りました。

 私の周りにも多くの高齢者がおられますが、ゆっくりとお話をさせていただくと、多くのお年を召した方々が各々口にされる言葉の中に多いのが、自然死を望むということやお墓は要らないから散骨してほしいと言う様なことで、自らの人生の終焉時期をどの様に生きたいか、またどの様に逝きたいかをしっかりと考えてお話される方が多く見られるのです。

 すなわち、決してお金がかかるからとか家族や関係者に迷惑を掛けたくないからと言った理由だけでなく、自らの人生の終焉期を自らが望む理想に近い形で終えたいという願いがとても強くなっているという様な感じで、お身内はもとより私たちの様な出会いが合って、お付き合いしている者にもお話下さるケースが増えているのです。

 最近は、「終い支度」とか、「如何に死ぬか」と言ったことをテーマにした著作やエッセイも多く出版されていますが、この様な本も確かに著名な人々や専門家の方々が自ら長寿であって、中には100歳を超えるという著名人の著作もあって、高齢期を迎えて今も健やかにお過ごしの方々にとってのバイブルや指南書みたいにもなっている場合もある様です。

 その中にあって、前記しました中村仁一医師の「大往生したければ、医療にかかわるな」は、すなわち高齢期に入っての病気や健康の衰退に対して、現代の医療は高額な医療費を費やして、人間本来の自然な形での老化や発症に対して、これでもかという現代的治療や延命を施すことによって、とんでもなく非人間的な「生」を保ったりしている場合が多く、少なくとも心臓は止まっていなくても「生きている」と言える実感の伴わない状況を多々作っているというのです。

 私の母も95歳になって、幸い現在も日々を有料老人ホームで健やかに過ごさせていただいているのですが、昨年秋から少し衰弱し一時は食事が喉を通らない時があって、医師からも「胃ろう」というお腹に穴を開けて栄養素を直接胃に入れるという手術も選択肢ですと言われましたが、さんざん兄弟とも相談して胃ろうはしないと決めて、幸い現在は口径でゼリー食や柔らかな食品は食べられる状態となり、お陰でそれなりに元気な日々を送れていることを感謝しています。

 とにかく、無駄とは言い切れませんが、自然な人間の老化や健康を損なっていく姿は嬉しいことではありませんが、自分の今後の老化や高齢化をも考えた時に、やはりむやみに医療に頼った治療や延命措置を含む対応はして貰わずに、できるだけ自然に生きながらえて、やがて自然に近い形で「死ぬ」ことを望むという思いが強いので、母をはじめ家族や友人たちにも、そのことを前もって告げつつ、少しでも日々を有意義に楽しく過ごせる人生をインジョイしたいと思っています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする