ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

騙されるな甘い罠。

2009年05月06日 | 日本の課題
 「百年に一度の大不況」とやらで、麻生内閣は「景気回復優先」を掲げて、追加経済対策と称して10数兆円の補正予算を組んで、庶民に「政府の施策」の大判振る舞いを宣伝しようとしている。

 昨年秋以来の話題の「定額給付金」とやらを皮切りに、このゴールデンウイークで本番を迎えた「有料道路の限定千円制度」、そして「エコカー取得の減税」など、各種の庶民?の喜びそうな目先の「バラマキ施策」が目白押しである。

 しかし、「定額給付金」とやらは、政府の特別会計の埋蔵金と称される蓄積財源から2兆円あまりが支出されるらしいが、全て今までの国民の血税を無駄に溜め込んだものに過ぎない。

 また今回の「有料道路千円ポッキリ」施策についても、民営化された各道路公団ごとに税金が補填されることになるので、さらに「国債」という名の借金が未曽有に拡大して、将来に付けを残す形である。

 「エコカー取得補助金」と称する取得税や重量税の減税についても、結局歳入が減った分は、国債や予備費で賄う形になるので、まったく私たち庶民、納税者の負担は減らないばかりか、すでに既成の事実になりつつある「消費税の増税」などによる近いうちの国民の負担による「前倒し」のちょっとした「喜ばし術」なのである。

 多くの国民、庶民が「定額給付金」と「千円高速」にオドロされて、この春から初夏に「ちっぽけな消費拡大」を手伝わされたに過ぎないわけで、決して抜本的な「景気回復」や「経済の再構築」などにはなっていないのである。

 にも関わらず、「定額給付金」をいただいたお年寄りが、政府や行政に感謝と賛意を表していたり、「高速千円」を手放しで賛美している人がいたりして、マスコミが取り上げるので、政府は一時の「内閣支持率の低迷」を脱して、麻生首相も河村官房長官も上機嫌である。

 されど、「騙されてはいけない」。

 この目先の「甘い罠」は、ちょっと考えればすぐにわかるだろうが、権力を握っている政府の「国民の税金」を少し弄んで庶民を喜ばすという、典型的な仕掛けなのである。

 たった一人一万二千円、未成年者と65歳以上の高齢者には一人二万円という、一時金の支払いで、生活や仕事の状況がどう変わるというのだろうか。

 高速千円で喜んで車で外出したものの、結局ガソリン代、外食代など経費もかかって、疲れて帰った大人たちは、御和算で願って、どれほどの得をしたと言えるのだろうか。

 「エコカー」に至っては、なんとも「地球環境への負荷」を少なくするための貢献と称されて、さほど意味のない高価な次世代型電気ガス併用自動車を買わされるという、大企業の不況対策への協力策に過ぎないのだ。

 他にも、本当に中小企業や零細企業の経営不振の状況への援護策となるのだろうかと思える各種施策が、これからの庶民の生活のバックボーンである、就業、賃金の安定に寄与するかどうかは、全く不明である。

 いずれにせよ、庶民は騙されてはいけない。総選挙前の「あめ玉」に。
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