ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

力強い「鬼の叫び」

2007年02月06日 | 季節の話題
 突然、久しぶりに大阪へと出かけた。臨時議会の提出案件が工事請負契約の一件だけのため、提案理由の説明も含めて本会議は、何と10分ほどで終わったからである。

 ちょうど年賀状の返信として、友人の西村公泉氏と若手彫刻家4人による、アトリエ遊木民舎の「木彫5人展」が大阪で開催されており、今日までだったので、何とか間に合うと思い、片町線の快速に飛び乗ったのが2時半過ぎであった。

 私の手帳のメモには、2/6(火)まで心斎橋大丸6F、西村公泉・木彫五人展とあったので、京橋から環状線に乗換え地下鉄でと思ったが、久しく大阪へ出かけてないので、何故か鶴橋から千日前線で難波、御堂筋線に乗換え、漸く心斎橋に着いた。

 改札を出て、大丸の地下売場の入り口へと足を向け、受付嬢に「木彫五人展」の開催について尋ねた。

 いろいろ調べてくれたが、やっていないと言う。梅田店でもやっていないと言う。よもやとは思ったが自宅に電話してみると、何と「高島屋」での開催だッたのである。

 「あぁ・・・」と溜息をついてはいられない。美術関係の最終日のギャラリーの展示は4時までなので、急いで再び地下鉄で難波へと向かった。急いで改札を出ようとすると、200円で購入した地下鉄の切符が見当たらない。

 あと20分しかない。こんな時間のない時に、とんでもないことだが、間違いなく百円玉二個をいれて買った切符だ・・・。自動改札ではなく駅員に事情を話すと、「ゆっくり探して下さい」とのたまう。それどころではない、時間が無いのだ。

 「今日のところはいいです」と駅員の許可が出て、急いで高島屋の六階へ。エレベーターは、こんな時に限って各階止まりののんびりタイプである。

 ようやく会場に着いたのは、3時45分頃だったと思われる。

 西村公泉氏は私より少し若いが、著名な仏彫刻の大家、西村公朝氏の息子で、現在は宝塚造形大学の教授で、ご夫人もアーチストであるユニークなご夫婦なのである。

 私は今回は、彼と四人の若手の作家の木彫作品から、多大なエネルギーを受けたいとの個人的願いから、この会場に是が非でも行きたいとの一心で向かったので、短い時間だったが強いテレパシーとエネルギーを感じる作品達に出会うことが出来た。

 西村公泉氏の製作された木彫のメインは、「雷神鬼吹」という楠、桧、桂を使った幅47×奥行34×高さ99cmの作品であり、ふんどし一丁で叫んでいる力強い「鬼の裸の姿」であった。

 私には切り株の中から、ちいさな鬼が天を見上げて叫んでいる作品などと共に、現代社会と人間と自然に対する「怒り」と「現実の疎外感」を鬼を借りて表現されているように思えたのである。

 作者本人と暫し歓談することが出来たのだが、彼は体調を崩した中で「雷神鬼吹」を製作したと聞いて、益々作品の持つ背景に病気との闘いもあるのだと察することが出来たのである。

 人間も正直に叫んだり、怒ったりする時も必要である。

 
コメント
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