ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

実録!議会人事抗争

2005年05月18日 | ちょっと可笑しいよ

 地方自治体議会の多くは任期の4年間に、1人でも多くが議長をはじめ、いろんなポストにつきたいためか、2年の半ばで役員選挙のための臨時議会を開催しているのだが、わが市議会でも役員改選のための一日間の議会が開催されたが、常任委員会の委員長ポストで対立し深夜になっても結論が出ず、ついに一日延会となったのである。

 議長、副議長人事のしこりが延々と続き、市民そっちのけの議会人事、つまり役員選挙とポスト獲得抗争は、議会議員にとっては死活問題の如く燃える問題なのだそうである。

 何日も前から、議長、副議長に関しては、根回し、下工作、条件提示などがあるらしく、いろんな制約の中で、票をとりまとめて表舞台である、臨時議会が始まる前にすでに決まっているらしいのである。

 私も一議員として、いつも議長、副議長を選ぶ前に、立候補するか推薦の演説をするかして、誰が議会議長にふさわしいかを、議員全員で議論する機会を持つべきだと主張しているが、いつも蚊帳の外というか、誰が候補者なのかも知らずに、選挙をする臨時議会当日を迎えているのである。

 少なくとも民主主義を前提とする議会議員の中から議長を選出するのだから、せめてどの会派や政党も、誰を立候補させるか推薦するのか、明確に候補者を事前に公表し選挙すべきと考えるが、未だ実現していないのが現状である。

 つまり議会は民主主義を標榜しているだけで、実は数の論理すなわち多数を占める議員さんたちが徒党を組んで、自分たちの利害にそった議員を、みんなの結束で縛って投票させて、結局自分たちのいいなりの存在としての議長、副議長にしようとしているにすぎないのである。

 適材適所とか一番ふさわしい人を選ぶなどといいながら、与党と称する政党、会派ののひとかたまりのグループの意のままに、議会を代表する人を談合で決めてしまっており、市民や行政に対する議会としての機能の向上や改革の意志とか、政策的主張などは、全く関係無いことなのである。

 このような議会人事の決め方の有り様は、まるで暴力団の縄張り争いの抗争のようなもので、理屈や理念はなく、ただただ我が勢力の内の仲間議員を強引に推して、最後は数の力でも決めてしまおうとする、暴挙が多いのだが、過半数以上を占めるグループの当然の権利のように、毎回同様に非民主的にされれており、私なぞは、いつも関係ないのである。

 あえて、議会人事抗争と書かざるを得ない現状を実録として、お伝えしなければならないことは、誠にお恥ずかしいことなのだが、民主主義を標榜しつつ、まったく横暴な人選といおうか、力関係だけでの選出を無理押しする場合が多いのである。

 今回の議長、副議長人事も、ほんとに適任者が議員の中にはいないと思わざるを得ない状況下であったが、やはり与党と称する議員達の間での取引か駆け引きがあったために、少数会派である公明党が議長に、次の少数会派でもある自民党が副議長として選出されてしまった。それも20人の議員の11人で全てが決まるのである。

 その後の各常任委員会の委員長、副委員長の互選で、一つの委員会での委員長に、いわゆる与党推薦候補と野党的少数会派の議員の立候補があったため紛糾し、昨日の午後から今日の午後まで、まる一日近くを費やして両候補が辞退して、第三者候補で決着を見るという議長提案で何とか決着したのである。

 しかしこの結論への過程では、与野党の両陣営というか、ぶつかり合いはとても疲れる議論であって、毎回平行線の意地の張り合いというか、静かな両陣営の主張と我慢の耐久戦となってしまい、双方とも譲れず、一日間の議会の延会を余儀なくされたのである。

 ひとことで感想をいえば、つまらぬ意地の張り合いで議会が空転し、行政サイドにも多大な迷惑と時間の無駄を生み出した上で、今後の議会運営上も大きなしこりや支障が生じる火種を内含しつつ、もうこれ以上は時間的な猶予は許されないとするぎりぎりの時点で、不満たらたらの陣営もあったが決着させたというのが、最後の議会の良心、良識としての決着であったと思えるのである。

 事実は小説より奇なりであり、どろどろとした遺恨の戦いは、市民や周囲には想像できないパターンや状況もある、一種の修羅場的抗争の時間であったと言えよう。

 今後は、政策論議や提案検討など、市民の目線と感覚にこたえる、真摯な態度での徹底的な議会活動を展開して、少しでも住み良いまちづくりと、心通う市民サービスを提供できるように、議会の活性化と共に、行政に注文や苦言を呈することのできる民主的な議会となる様に、全議員が努力することでしか、市民の批判に答えることは出来ないのではないだろうかと思っている。
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