ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

子ども達の主張!

2005年05月08日 | 地域の話題

 大型連休も今日でおしまい。今日は午前中は市の総合体育大会の開会式、そして昼からは児童週間の最後としての子どもの主張大会があって、楽しみに参観させてもらった。

 13名の小学生、中学生が思い思いのテーマで、ひとり約5分ほどのスピーチをするのだが、原稿での選考が事前にされているので、一ヶ月以上前から、出場の決まった児童、生徒たちは緊張しながら、自分の原稿を暗記する者もいたり、ちらちらと演壇の上の原稿を見ながら聴衆の方も見る余裕のある子どももいるが、どうしても緊張してか、早く終わらせたいからなのか原稿を下を向いたまま読む者もいた。

 いずれにせよ、200名ほどの聴衆とは言え、壇上に上がって、しかも名指しされて、自分ひとりにスポットが当たっての演壇からの意見発表は、子ども達にとっては初体験の子どもも多くて、並々ならぬ緊張の中で行われたと思われた。

 しかし発表した内容は、それぞれにテーマは異なるが、しっかりしたもので、いつも現代の子ども達はと大人たちが心配する事情は多くあるとは言え、どっこい子ども達もしっかりと考えているもんだなと感心することしきりである。

 今日発表したのは、小学3年生の男児が「ぼくの将来の夢」と題して、昆虫が好きなので、地球上の絶滅危険種なども多くあるので、大人になったら世界中の昆虫を見て歩いて、昆虫館をつくりたいと思うと述べた後、「虫は生きているから好きです」とシンプルな理由を語っていた。

 しかし最近指を怪我して学校から医者に連れて行ってもらって4針縫ったそうで、その時一緒について行ってくれた教頭先生が、彼が血を見てもびくともせず堂々としていたと言うことで、「将来は外科医」になったらと言ってくれたのがきっかけで、スマトラ沖津波、地震などで傷ついた人たちの治療も大切だと思って、どちらの道を目指すか迷っていると言うのである。

 どっちもしたいが、両方することは出来ないので、これから両方の夢の可能性を抱きながら、一生懸命勉強して行きたいと、明確な目標の夢を語ってくれたのには、小学3年生の9歳か10歳で、こんなにも自分の好きな世界や目指すべき目標をしっかり持っていることに驚かされたのである。

 後は小学6年生が9人と中学2年生の女生徒が3人、地球環境、差別、家族や友達、いじめ、私の夢などについて、発表してくれたのである。

 障害を持つ人たちのことを、アイマスク体験を通して少しは理解できて、お父さんから「人を外見で判断してはいけない」と教わったという小学6年生の女の子や、中学2年生の女子生徒は「自分は今まで、人をいじめたこともいじめられたこともあった」と正直に告白した上で、いじめや嫌がらせは結局は全て自分に却って来るし、人を信じる心や愛する心を奪ってしまうので、本当の友達ではなくなってしまうと気づいたと言う。

 その他には地球温暖化や酸性雨などと、車や現代生活のゴミの問題を考えて、自分にできる清掃活動や、無駄をなくす努力について語った小学生、中学生も、ものごとへの関心と自分らしい考察力で、しっかりと意見をまとめていた。

 最後にほほえましく思えた話がある。それは今どき珍しいかもしれない、6人兄弟の女子児童の話で、時々兄弟が多くて、家庭でも仕事がいっぱいあったり、食事の準備を手伝ったり、毎日いろいろあって、時には一人っ子がうらやましく思ったことがあるのだそうだ。

 しかし従兄弟は一人っ子だったが、先日赤ちゃんが生まれて、その従兄弟の家庭は喜びに沸いたそうで、自分達は不平不満を言っていることもあったが、たくさんの兄弟に囲まれての食卓のことを思うと、いつも笑いが絶えず、こんなに一緒に愉しく食事ができる兄弟の多いことを自慢にしたい気持ちになったと言う。

 それぞれが、今の生活と現代の社会問題にも目を向けて、しっかりとした口調で自分の考えを人前で述べるという機会は、そう多くはない。子ども主張大会は、子ども達の自己主張の場であるばかりか、我々大人たちにとっても大きな提言や問題提起をはらんだ大切な時間であった。

 市長が開会時の挨拶だけではなく、最後まで13人の子ども達の主張に熱心に耳を傾けておられた様子を垣間見ながら、しっかりと子どもの声や考えを受け止めて、行政施策にも反映して欲しいと願う気持ちでいっぱいになって会場を後にした。

 子どもの日だけでなく、いつも子ども達の声や叫びに、正面から向き合える大人でありたいと思っている。
 
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