「さくら咲く池の辺に、そびえ立つ我等が母校、あぁ長池に・・・」と50年近く前になるが、私の大阪での小学校の校歌にも歌われていた、待望の春の花、サクラが一気に咲いた。
昨日は小学校の入学式で、今日は中学校の入学式だった。なんと見事に小中学校の入学式を待っていたかの様に、校庭や周辺のサクラが一斉に開花して、新入生を祝っている様に感じるほど、グッドタイミングな開花であった。
本日も地元、大住中学校に197名の新入生が、まだ幼さを持ったままの小学生のままと感じる小柄な生徒から、背もすらっと伸びて、最初から立派な中学生みたいな生徒まで、千差万別だが、なんだかまだ借りて来た猫のような、不安の中に期待というか、希望を抱いた子ども達が入学式の主役として入退場をした。
ひとり、ひとり名前を呼ばれて、返事をするのだが、しっかりと大きな声で返事が出来る子もいれば、蚊のなくようなと形容される様な、小さな声で恥ずかしそうに立つ子どももいた。
今年から、すっかり従来の女子のセーラー服に、男子の詰襟の学生服からチェンジされたブレザーにポロシャツ姿の制服に全学年とも揃ったので、なにやら以前の学校と様変わりして、別な中学校の様でもあった。
創立以来27度目の入学式で、校長も代わって、教職員の移動もあり、私の子ども達がお世話になっていた頃とは、まったく別な学校の様相となっていると言っても過言ではないだろう。
今年度から市内3中学校に、ひとりづつのAET、つまり英語外国人講師が専属で赴任して、中学校区内の小学校での英語遊びなども含めて担当する予定らしいが、何と長身の黒人の若い先生が、多くの教職員の中でも一際目立っていたのが印象的であった。
彼は20代前半の青年で、ダンスー先生と言い、あのカメルーンからやってきている先生らしいのである。2002年サッカーワールドカップ韓国、日本共同開催の折に、大分県前津江村でのキャンプ地を選んで、到着が極端に遅れたり、村あげての歓迎振りで有名になった、あのカメルーンなのである。
英語外国人講師というより、サッカーやバスケットなどのスポーツも得意そうなので、中学生たちとのクラブ活動や、地域での国際交流的活動でも大いに活躍してほしいなぁと、個人的には願望したいと思うのである。
3人のAET、アシスタントイングリッシュティーチャーは、何故か中学校に問い合わせたところ、一ヶ月交代で、3中学校を回るそうで、生徒たちとの交流が1ヶ月単位だと、ちょっと親しくなった頃に、別の中学へと移動し、また2ヶ月後に帰って来る感じで、どうもしっくり行かない感じもするが、大いに期待したいものである。
小学校の入学式は、幼稚園、保育園から義務教育最初の学校教育へのスタートなので、子ども以上に親御さんの力が入学式においても感じられた。それは入学児童の服装が立派なことと、ビデオカメラやデジタルカメラで、我が子を追う視線がたくさんあったことでも明白である。
男の子はほぼ全員、スーツというか上下の背広で下だけ半ズボンだが、ネクタイをしめており、女子はピンクや黒と色はさまざまだが、ほぼ全員花の飾りを上着の襟につけていて、特に母親か祖父母の力の入れ具ワイが想像できる入学式の衣装であった。
式を終えて、校庭の回わりや、いいスポットにサクラの大木があって、新入生全員がクラス毎に記念撮影をしていたが、まさにサクラの花の下での、ぴったしかんかんの入学式記念写真にふさわしい輝きと彩りに満ち溢れた作品が出来上がるだろうと、他人ごとながら、私もそばを通りながら、嬉しく感じる程であった。
白やピンクに、光の加減や青空や背景の違いによっても、見事に一つ一つのサクラの木は、「私を見て下さい!」とでもささやいているが如く、一本、一本が個性的に輝き、咲き誇っているので、どのサクラの花の木に、視線を向けても、こちらの方が圧倒されてしまうぐらいの存在感である。
今、この時を、長い間、待ち続けてきたサクラの木の開花を、見逃さず、少しでも長くじっくりと見守りたいと思っている。この土日のサクラの木の下は、全国的に幸せと希望に満ちた人々の笑顔で包まれることを、心から祈りながら、私自身も近くのサクラの満開スポットを見過ごさず、愉しみたいと思っている。
4月10日には、「サクラ咲く池の辺に、そびえ立つ我等が母校」を同窓生と眺めながら、50年前の旧友との同窓会にのぞみたいと思っている。サクラ咲く同窓会に。