A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

たゆたう。朝生愛「カモミールのプール」

2007年09月04日 19時13分41秒 | 素晴らしき変態音楽
工藤礼子さんと並んで好きなフィメールシンガー、朝生愛さんがニューアルバム「カモミールのプール」をリリースした。制作陣は石原洋、中村宗一郎、栗原ミチオなどPeace Music Studio関連の面々。全曲日本語詞で歌われているのが、前作「ラヴェンダー・エディション」との大きな違いだ。前作では、歌も演奏も儚げな脆さが印象的だったが、このアルバムでは、音数の少なさを生かしつつ、その歌声はしなやかな強靭さをたたえている。日本語詞であることも関係しているだろうが、何よりも幾多のライブ経験を経て彼女本人が得た自信によるものといえるだろう。でも相変わらず舌足らずな歌声は魅惑的。メロディがとても優しくて、タイトルどおりカモミールを浮かべたプールに漂っているような浮遊感のある世界へ誘ってくれる。聴けば聴くほど味の出てくる奥の深いアルバムだ。栗原氏のギターはプールの上を横切るカモメのような趣。9曲目の「みらい」の後半ではギターがドラマティックな展開を見せる。ボーイソプラノのような清浄な歌を聴かせる8曲目「百年」はジブリ映画のテーマ曲として使われても不思議の無い名曲。また2曲目の「アロン」ではゆらゆら帝国の坂本慎太郎氏が控えめながらキラキラ光る瑞々しいギターソロを聴かせてくれる。
それにしてもラヴェンダーに続きカモミールとは、朝生さんはアロママニア(それとも紅茶好き?)のようだ。
また、同時発売のBORISのWATAさんとのスプリットシングルではキング・クリムゾンの「アイランズ」をカヴァーしているとのこと、そっちも聴いてみたい!
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OUTRAGE@川崎クラブチッタ

2007年09月03日 23時05分12秒 | ロッケンロール万歳!
私は今までへビーメタルのファンだったことは無い。ヘビメタはむしろ苦手な音楽だった。しかし日本のスラッシュメタルバンド、アウトレイジだけは、何故か好きで何度もライヴハウスに観に行った。彼らのサウンドに、メタルだけではなく、ダムドやラモーンズ等のパンク、ディスチャージやGBHのようなハードコアの影響を感じたから。ルックス的にもグランジっぽくて、演奏はめちゃくちゃ上手かった。20年ほど前、よく目黒の鹿鳴館に観に行ったものだ。オーディエンスはハードコアノリの過激さ。ステージ前はモッシュとダイヴの嵐で観ていて面白かった。アメリカのスラッシュバンド、ニュークリアアソートの前座をした時など、押し寄せては頭上を飛んでいくオーディエンスの波に生命の危険を感じるほどだった。
その後いつの間にか、彼らのライヴに行くことも少なくなった。風の便りにヴォーカルが抜けて3人組でインディーで活動をしている、という話は聞いていた。
しかし今回、デビュー20周年記念ライヴがあることを知り、自分の中のスラッシュの血が騒ぎ、10数年ぶりに観に行くことにした。前座はアウトレイジの先輩バンドであるアンセム。この時点でオーディエンスは大興奮。手を振り上げて合唱する。私は80年メタルを象徴するサウンドとノリに大笑いしてしまった。
そしていよいよアウトレイジの登場。会場全体がモッシュ状態になり、ヴォーカルの直樹が繰り返す「今日はありがとうっ!」という言葉にウオーッと歓声を上げる。初期の曲もやってくれて感涙。
昔はもっとクールで突っ張っていた印象があったのだが、メンバーも年輪を経て、丸くなったのか、激しい演奏にも風格が漂う。本当に演奏は凄かった。海外のバンドとタメを張れる日本唯一のメタルバンドといえるのじゃないだろうか。
いい夜だった。川崎駅前の王将で餃子定食を食べて帰路に付いた。

OUTRAGE HP
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裏窓4周年@吉祥寺曼荼羅

2007年09月01日 23時09分45秒 | 灰野敬二さんのこと
毎年9月頭にゴールデン街のバー、裏窓のアニバーサリーライヴが開催されている。4周年の今年は、8/31中野PlanB、9/1吉祥寺曼荼羅、9/2新宿JAMという3カ所で内容も変えての企画だ。
今日は吉祥寺曼荼羅に灰野敬二、白石民生、工藤冬里、工藤礼子の4人のセッションを観に行ってきた。「吉祥寺マイナーの同窓会のようだね」と灰野さんは語っていたそうだ。まさにその通り、27年前に伝説の吉祥寺マイナーでの愛欲人民十時劇場で共演を重ねて来たメンバーである。
組み合わせを変えてのセッションでかわるがわる登場するのかと思ったら、最初から最後まで4人による一発セッションだった。灰野さんがギター、ドラム、バラライカを小さくした楽器、ビヨンビヨンの楽器を使用。白石さんは最初から最後までサックスでフリークトーンを鳴らす。冬里さんは生ピアノとドラムとソプラノリコーダー、礼子さんはヴォーカル。
基本的に楽器のインプロ→礼子さんの歌、の繰り返しの流れで演奏は進む。途中で灰野さんが礼子さんの歌を哀秘謡っぽく歌いもした。礼子さんは可憐で清浄な歌声を聴かせる。アルバム「人」「草」で聴ける歌声を生で聴くのは素晴らしい経験だった。流れがあったため演奏はだれるところもなく最後まで飽きること無く楽しめた。60分という予想外の短さだったが、もう少し聴きたい、というところで止めるのがベテランならではなのだろう。
曼荼羅は思っていたより狭く、オールスタンディングで疲れたが、いいライヴだった。
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