ハイパー能『睡蓮』
開場:19:00
開演:19:30 (21:00 終演予定)
入場料:前売り¥3,500 当日¥4,000
アーティスト
シテ:桜井真樹子(妖精、ジャンヌ・ダルク、龍笛)
ワキ:灰野敬二(クロード・モネ、ポリゴノーラ)
後見:加藤ひろえ(蓮、生け花)
ハイパー能「睡蓮」は桜井真樹子の書下しによるストーリーを持った舞台藝術である。入場時に配布された資料には、植物学者である兄の櫻井直樹氏が考案した楽器ポリゴノーラと灰野敬二の関係⇒別の場で出会った生け花パフォーマー加藤ひろえからの共演の誘い。そこから、花⇒蓮⇒クロード・モネ⇒ルーアン大聖堂⇒ジャンル・ダルクの処刑⇒セーヌ川⇒睡蓮の庭⇒写真技術の登場と連想が繋がり、最後に辿り着いたのが「モネが出会ったジャンヌの物語」だったと綴られている。筆者が「えいたそモダニズム」をはじめとするブログ記事で時折展開する妄想論によく似た手法と言えないだろうか。しかし筆者の妄想がアトランダムな奇想の羅列に過ぎないのに対して、桜井は個々の連想を深く吟味してひとつの幻想譚に纏め上げているのが表現者たる所以である。
天井から睡蓮の葉が吊り下げられている。右手のテーブル奥に灰野が立ち、銅鑼のように垂直に吊るされたポリゴノーラを演奏する。水平に置かれる場合と異なり、叩く面の裏と表に関係なく音が解放されるので、文字通り通りのいい伸びやかな音が広がる。左手後ろから謡いながら桜井が登場、ステージ中を舞いながら呪文/祝詞を謡う。モネ役の灰野が朗々とした声で台詞を歌う。謡と歌、祝詞と台詞、その違いはパフォーマーとしての出自と経験の違いを反映している。桜井が龍笛を吹き、灰野がシンバルを手に激しい舞踏。桜井が手にぶら下げたポリゴノーラを叩く。二人が舞う中で加藤が天井に吊るした睡蓮の花をひとつひとつ地面へ下ろす。桜井が丸い和紙の葉を撒きながら祈りを捧げると、天から光が沼の中に降り注ぐ。加藤が藤の蔦を花瓶に差して龍の舞のような生け花を作り上げ、灰野がいろんな形のポリゴノーラから時に銅鑼のような、時に鈴のような、時に弦楽器のような多彩な音色を紡ぎ出し、桜井が凛とした声で謡いながら舞う。3人の意志の力で聴き手の全身が目になり耳になり、集中力が研ぎ澄まされっぱなしの90分の濃厚な時間は、崇光な美と豊潤な表現性に満ちあふれていた。
能に似たシリアスな舞台ではあるが、邦楽の範疇には収まらない汎音楽の試み。スーパー(超)でもウルトラ(極)でもなくハイパー(超越)と名付けた意図が理解できた。ジャンルやスタイルを超越するパフォーマンスの真髄に触れた1日だった。
睡蓮の
形に似てる
ポリゴノーラ
<灰野敬二ライヴ情報>
9月15日 (日) 東京 下北沢 Lady Jane
立待の月聴覚の月
start 7:30 pm 2 stages
charge:¥3,300(予約¥2,800)+ Drink Fee
灰野敬二 (g, polygonola)
太田惠資 (vln, voice)
西瓜を眺めていた櫻井博士が生んだポリゴノーラという、音階を持って倍音を奏でる手強い多角形楽器に挑む、悲しみのヴァイオリニストであり妖かしのヴォイスも油断大敵なのだ。
9月23日(月祭)東京・秋葉原CLUB GOODMAN
RICHARD PINHAS LAST JAPAN TOUR
open18:30 start19:00
adv.¥3300 door¥3800 (+drink order)
出演:RICHARD PINHAS/灰野敬二/吉田達也/武田理沙
10月18日(土) 福岡UTERO
GOUACHE fukuoka mens & meld presents
『不失者ライブ』
OPEN/START 18:00/19:00
ADV/DOOR 4,000/4,500 (ドリンク別)
不失者(灰野敬二、ナスノミツル、RyosukeKiyasu)
ドンマツオ(ズボンズ)
Nyantora(ナカコー)+duenn
TICKET予約:
twitter @meld_fuk
instagram @meld_fuk
のそれぞれのDM
または
gouache.nakamura@gmail.com
10月27日(日) 東京・渋谷 宇田川町空き地
DANCE TRUCK TOKYO : 2019
2019年10月26日(土)・27日(日)
18:00-20:00
入場無料(事前予約不要)
*灰野敬二は10月27日(日)に出演
出演:Abe"M"ARIA、五十嵐結也、川村美紀子、きたまり、しでかすおともだち、白井剛/Dill、灰野敬二、東野祥子、メガネ(座)、森下真樹/森下スタンド、山川冬樹、ロクディム