A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【えいたそモダニズム】Episode 24『きらヤバ☆生誕!』〜エアロ/頭警/バニーズ/チャットモ/マイルス/ジャレット/宮下富実夫

2019年02月18日 01時08分57秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


既に2日過ぎてしまったが、2月16日は筆者の推しアイドルの原点にして最高峰<えいたそ☆成瀬瑛美>のリアル誕生日だった。そんな大切な日に俺は何をしていたかというと、埼玉県川越市に即興音楽ライヴを観に行って深夜に帰宅。翌日2月17日は神奈川県横浜市にTPAM国際舞台芸術ミーティングを観に行った。「そんな馬鹿な、アイドルヲタクにとって最大のイベントの推しメン生誕を干す筈がない、嗚呼そうか、生誕当日ではなく別日に開催される生誕イベントに行くんでしょ?」と詰問されても、応えは「ノー」。。。。懸命な読者なら「N」「O」「ー」とキーボードをタイプする指が悔しさで震え、顔は怒りに歪み、両目は悲しみの涙が溢れて何も見えない極限状態の筆者の姿が脳裏に浮かぶに違いない。


つまりこういうことだ。2月11日(月祝)に秋葉原ディアステージで開催された『えいたん2019』、2月16日(土)名古屋で、2月17日(日)東京で開催された「えいカラ2019』、そのすべてに俺は落選したのだ。2017年、2018年の2年連連続で当選したので、俺と瑛美は目に見えない赤い糸で結ばれている、と高を括っていた訳ではないが、1月6日(日)の『でんぱ組.inc コスモツアー 2019 in 日本武道館 ワレワレハデンパグミインクダ〜宇宙からの帰還〜』でまさかの武道館最前列が当たって運を使い果たしたのかもしれない。その結果、2019年のえいたそ生誕イベントに参加したくても参加できないことになったのだ。これを悲劇と言わずして何と言おう。。。



でも大丈夫。えい推し歴6年の俺にとって生誕イベントとは参加するものではなく、創り出すものである。瑛美から学んだ妄想力を発揮して『脳内生誕祭』を開催すれば、瑛美も気付いて喜んでくれて、「だいじょうぶ、えいそがいるし、仲間だもん」と星名ひかるの声で言ってくれるに違いない。瑛美が星名ひかるの声優として出演している『スター☆トゥインクルプリキュア』(スタプリ)は2月3日に放映が始まり、第1話『キラやば~☆宇宙に輝くキュアスター誕生!』第2話『宇宙からのオトモダチ☆キュアミルキー誕生!』と続き、来週の第4話は『チャオ!きらめく笑顔☆キュアソレイユ誕生!』。まさに瑛美の周りは空前絶後の『生誕ラッシュ』である。

キュアスター [スター☆トゥインクルプリキュア] プリキュア変身


【えいたそモダニズム】Episode 24『きらヤバ☆生誕!』
今から丁度2年前の2017年2月17日、筆者は『えいたそモダニズム』Episode 4「ときめきバースデー」としてえいたそ生誕を祝福したが、今回はそれとは違った視点から<成瀬瑛美>という愛らしくも謎に包まれた生命体の秘密にメスを入れることにしよう。
【えいたそモダニズム】Episode 4『ときめきバースデイ』ビートルズ/ブルハ/ユッコ/バースデイ/ノベンバ/ニック・ケイヴ etc.

●エアロスミス『野獣生誕』


1973年作品。記念すべきデビューアルバム。全米最高位166位(再発は21位) / 200万枚突破。プロデュースはエイドリアン・バーバー。シングル 「ドリーム・オン」は73年には59位。76年に再チャートインした際に全米最高位6位を記録(アルバムも21位に上昇)。「ドリーム・オン」 「ママ・キン」 などの ”エアロ不滅の名曲” がフィーチャーされた名盤。

1976年13歳のとき住んでいた金沢のレコード店山蓄片町店で父親に買ってもらったLPが『エアロスミス/ロックス』だった。クラシック好きの父は常連客だったので、サービスで特大ポスターパネルをくれた。派手なメイクでTVヒーローぽいキッスに比べて、生顔のエアロの面構えはいかにも悪そうで、解説書の卑猥な翻訳と相俟って「ロックは不良の音楽」というイメージを童貞だった俺に植え付けた(捨てるのに更に10年以上かかるとは思いもしなかった)。

Dream On Aerosmith Official Music Video



●頭脳警察『誕生』


1973年3月にリリースされた四作目のアルバム。馬飼野康二のアレンジによるストリングスをフィーチャーしたドラマチックなサウンドが話題となる。本作品における歪んだポップ感覚や奇妙な演劇性などは、また別の顔の頭脳警察を見せている。

80年代日本のパンクのルーツとして紹介されていた頭脳警察を高円寺にあった貸レコード店パラレルハウスでレンタルして初めて聴いたのがこのアルバム。『誕生』だから最初のアルバムかと勘違いした。ストリング入のバラードもありパンク色は薄いが、フランク・ザッパ風変拍子ナンバー「あなた方の心の中に黒く色どられていない処があったらすぐ電話をして下さい」の知的な不良アティテュードが最高にカッコいい。

銃をとれ/頭脳警察



●寺内タケシとバニーズ『バニーズ誕生』


1966年9月に録音されたバニーズのファースト・アルバム。とても66年の日本での録音とは思えない、厚みのあるヘヴィなサウンドに圧倒されるが、やはり特筆すべきは寺内タケシ本人の作曲による「テリーのテーマ」「テスト・ドライバー」「空とぶギター(フライング・ギター)」「黒いカーネーション」など、今日まで演奏され継がれる名曲が数多く収録されていることである。

80年代半ばファントム・ギフトやコレクターズがネオGSとしてブームになった背景には、海外で60年代のオリジナルGSがガレージパンクやサイケの視点から再評価されたことがある。PTAからは「不良を作る」と言われライヴに行くのも禁止され、当時台頭してきたアングラの連中からは体制側の歌謡曲とみなされ、世間からは不憫な扱いを受け続けてきたGSへの偏見は「外圧」により払拭されたのである。

バニーズ誕生/寺内タケシ&バニーズ



●チャットモンチー『誕生』


“チャットモンチー・メカ”という打ち込みスタイルへ“変身”したチャットモンチーが提示する、ラストアルバム。2018年6月リリース。打ち込みという自由の中で丁寧に磨きこまれた音像と、活動の「完結」を目前に静かに放たれる鋭利な言葉。どんなフォーマットを採ろうとも、チャットモンチーはチャットモンチーである事を突きつける、圧倒的な存在感の全7曲。チャットモンチーが辿り着いた最終章であり、はじまりの一枚。

2012年にきゃりーぱみゅぱみゅを入口にでんぱ組やBiSなど女子アイドルにハマる以前に俺の心をときめかしたガールズアーティストは女子バンドだった。チョコメイツ、six、ミルキーズ、キノコホテル、ロマーンズ等GS/ガレージ/パンク系地下ロックが中心だったが、メジャー系で好きだったのがGO GO7188とSCANDALとチャットモンチーだった。その中でもチャットモは今風のオルタナロックだが、何と言っても橋本絵莉子のロリ声ヴォーカルが萌えポイント。2008年の武道館を頂点に俺の中ではフェードアウトしたが、テクノ/アンビエント風のこのラストアルバムでもこの声は萌えを誘発する。

チャットモンチー 『たったさっきから3000年までの話』

チャットモンチー@日本武道館2008.4.1(tue)


●マイルス・デイヴィス『クールの誕生(Birth Of The Cool)』


ジャズの帝王が若き日にクール・ジャズの礎を築いたジャズ史に残る金字塔。3人の編曲者に理知的なスコアを作り上げさせビバップと異なる音楽性を表現した。1949〜50年録音、57年発売。

1980年ブラスバンド部でバリトンサックスを吹いていた高校時代に買った初めてのジャズのレコードはジェリー・マリガン。渡辺貞夫みたいな陽気なジャズを期待したら、出て来た音は喫茶店のBGMっぽい大人しめのジャズ。アドリブをコピーするには難しくないが、いまいちエキサイトしない。後にそれがクールジャズだと知った。次に買ったアルバート・アイラーを聴いて「これだこれ!」と昂奮した瞬間が、俺の中の『クールの死去(Death Of The Cool)』だった。

Miles Davis - Boplicity



●キース・ジャレット『誕生』


トリオの『流星』、カルテットの『最後審判』と同時期、1971年7月のマラソン・セッションで生まれた傑作。アメリカン・カルテットで新たな世界を模索した名盤。1972年リリース。

高校時代キース・ジャレットの10枚組LP『サンベア・コンサート』を買おうと本気で考えていた。楽譜なしで弾き続けるピアノ即興演奏をのべ6時間強ひたすら聴き続けるストイックさに憧れたのだ。しかし30年前の高校生に18000円は高額すぎて買える筈もなく、そのうちジャズピアノは山下洋輔とミシャ・メンゲルベルクに興味が移りジャレットを聴くことはなくなった。この『誕生』はソロピアノよりバラエティがあって悪くない。

Mortgage On My Soul



●宮下富実夫『誕生』


蘇生から誕生へ。生命誕生の輝かしい時を描いた作品。ゆらぎにあふれた、おおらかで深い呼吸が、自然界のリズ ムとのバランスを調整し、新たな活力を生み出します。映画「地球交響曲ガイアシンフォニー第一番」のテーマ曲。胎教音楽としても大好評の代表作。1989年作品。

2年くらい前から一部のマニアックなCDショップや音楽サイトでアンビエントやニューエイジといるキーワードでレアな音楽が紹介されている。たぶんエレクトロニカや音響系の流れのシンセ/電子音楽を挿すようだが、筆者の頭に浮かぶのは、心理的な安心感を与えたり、気持ちをリラックスさせたりするために作られ、「α波」「1/fゆらぎ」といった専門用語で武装した胡散臭い自称「ヒーリング・ミュージック(癒し音楽)」である。そのルーツにはクラウス・シュルツェやタンジェリン・ドリームを中心とするジャーマン・プログレがある。効能書きは即座にゴミ箱に捨てて、純粋に音楽だけを聴けば、決して悪く・・ない、よ・・ような・・・気が・・・する・・・かもしれない、と自分を暗示にかけようと努力中である。

宮下富実夫 FUMIO MIYASHITA 誕生 ライブ


こうして見ると「生誕」とは単にBorn(生まれる)だけではなく、過去の自分との対話、および過去に出会えなかったモノ(音楽)との邂逅を含むMeet(出会い)とRemember(記憶)の三位一体であることが分かる。成瀬瑛美として生まれ俺と出会いきらヤバな時間を記憶する歓びは、生誕祭や生誕イベントの有無に関わらず、推しとヲタクの間に流れる絆なのである。

生誕と
出会いと記憶
キュアスター

生誕イベントは外れたが、4月10日に東京・TSUTAYA O-EASTで開催されるでんぱ組.inc「我々はどこから来たのか? 我々はでんぱ組.incなのか、我々はどこへ行くのか ~とりま東名阪~」公演には当選した。運命の女神はまだ俺を見捨てていないようである。BABYUUUUUN!


コメント (1)
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