A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

灰野敬二×ジム・オルーク×久下惠生@新宿JAM 2010.5.20(thu)

2010年05月22日 01時22分57秒 | 灰野敬二さんのこと
灰野敬二(g,vo)、ジム・オルーク(b)、久下惠生(ds)というトリオでの演奏は丁度2年ぶり2回目だ。前回も「裏窓」企画でJAMだった。

いわゆるロック・トリオ編成での灰野さんというと、裸のラリーズのどろんこ(b)、サミー(ds)とのトリオがあるが、そちらがあくまでサイケデリックなエイト・ビート・ロックを聴かせるのに比べて、今回のトリオはより覚醒したような、アヴァンギャルドで硬派な演奏だ。特にジムのベースは予測不可能なフレーズを繰り出し、普通のロック・バンドたることを許しはしない。そして久下さんのドラムは時にジャズ的に響き、演奏にスケール感を与えている。

雨の木曜日ということで動員はイマイチだったが、3人の演奏は動員に関わらず全力で臨むものだった。基本的な曲調は灰野さんが提示するが、他の二人はおいそれとそれに乗ってこない。かなり手強い共演者だといえる。これは灰野さんが最も望んでいるメンバー編成なのではないだろうか。緩急の対比が素晴らしく、潮の満ち引きのように展開していく演奏に聴く側もうっとりとしてしまう。終わるかと思えばまた始まりそれが永遠に繰り返されるかのような、甘美なセックスを思わせる2時間半だった。灰野さんのヴォーカルもたっぷり聴けて嬉しかった。

終演後楽屋を覗くと、今のステージで耳をおかしくしたらしいジムに、灰野さんが対処法を教えているところだった。

どっぷりと
演奏に漬かる
JAMの夜

降っていた雨も上がって気持ちのいい夜だった。

コメント (2)
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