<Orfeo>
ORFEO 738111 \2450
サリエリ:ハルモニームジーク(管楽合奏)のための作品集
「トロフォーニオの洞窟」(1785)[ハルモニームジーク版・7曲]
「オルムスの王、アクスル」(1788)[ハルモニームジーク版・10曲]
「ペルシャの女王パルミーラ」(1795)[ハルモニームジーク版・10曲]
ディーター・クレッカー(指揮) コンソルティウム・クラシクム
録音:2006年5月7-9日ザントハウゼン、クララ・ヴィーク・アウディトリアム
(セッション・デジタル)
ORFEOの看板アーティスト、クラリネットの名手クレッカーが率いる精鋭管楽ア
ンサンブル“コンソルティウム・クラシクム”の最新アルバムに、サリエリ作の
オペラ編曲のハルモニームジークが登場します。
<BIS>
BIS SA 1882(SACD-Hybrid) \2500
ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.10
(1)7つのバガテル Op.33/(2)11のバガテル Op.119/(3)6つのバガテル Op.126
(4)アレグレット ハ短調Hess69/(5)バガテル ハ長調 Hess73
(6)バガテル 変ホ長調 Hess74/(7)アレグレット ハ短調WoO.53
(8)バガテル「楽しい―悲しい」WoO.54/(9)バガテル ハ長調 WoO.56
(10)バガテル ハ短調 WoO.52/(11)エリーゼのために WoO.59
(12)やや生き生きと WoO.60/(13)アレグレット ロ短調 WoO.61
(14)ピアノ曲ト短調 WoO.61a/(15)バガテル ハ長調 Hess57
ロナルド・ブラウティハム(フォルテピアノ)
[録音:2010年8月/エステローケル教会(スウェーデン)]
好評のブラウティハム・ベートーヴェン全集の第10巻は、バガテル全曲。もちろ
んあの「エリーゼのために」も入っているのが嬉しい限り。フォルテピアノで奏
されると新鮮さもひとしおで、初めて聴くような印象を受けます。また、普段聴
くことのできない初期作も多数含まれているのも秀逸。ブラウティハムが驚きの
巧さで、ベートーヴェン・ファンは絶対にはずせない一枚です。
BIS SA 1730(SACD-Hybrid) \2500
ヒンデミット:
(1)交響曲「画家マティス」
(2)バレエ組曲「いとも気高き幻想」
(3)ウェーバーの主題による交響的変容
ジョン・ネシリング(指)サンパウロ響
[録音:2008年8月/サラ・サンパウロ]
ヒンデミットの作品というと、アカデミックでドライかつ薄味で、あまり聴きた
くない…という印象をよく聞きますが、実は聴き手を楽しませようというサービ
ス精神に満ちた、職人芸光る面白さの連続です。ここに収められた3作は彼の代
表作で、それをシェーンベルクの子孫であるネシリングが指揮しているのも不思
議な因縁を感じます。ネシリングの熱血指揮も注目。急速楽章のノリの良さ最高
です。
BIS SA 1760(SACD-Hybrid) \2500
ウェーバー:序曲集
(1)魔弾の射手/(2)精霊の支配者/(3)トゥーランドット/(4)アブ・ハッサン
(5)オベロン/(6)オイリアンテ/(7)ペーター・シュモル/(8)プレチオーザ
(9)シルヴァーナ/(9)祝典序曲
ジャン=ジャック・カントロフ(指)
タピオラ・シンフォニエッタ
[録音:2006年5月、2009年11月/タピオラ・ホール]
ウェーバーの序曲集は芳醇なロマンの香りに満ち、演奏効果抜群なため、かつて
はドイツ系指揮者の定番レパートリーでしたが、なぜか近年新録にも恵まれず、
急激に縁遠い音楽となりつつあります。しかし、カントロフとタピオラ・シン
フォニッタ待望の新録音が登場となります。オペラ的な美しいメロディ、異常
なまでのボルテージの高い演奏を楽しめます。
BIS SA 1775(SACD-Hybrid) \2500
シューマン:ヴァイオリンとオーケストラのための作品全集
(1)ヴァイオリン協奏曲イ短調(チェロ協奏曲 Op.129より作曲者自編)
(2)幻想曲ハ長調 Op.131
(3)ヴァイオリン協奏曲ニ短調
ウルフ・ヴァリーン(Vn)、
フランク・ベーアマン(指)
ロベルト・シューマン・フィル
[録音:2009年6月/ルカ教会(ドレスデン)]
ありそうであまりないシューマンのヴァイオリンとオーケストラのための作品
全集。いずれもシューマン晩年の精神に変調をきたしてからの作品で、アブナ
い世界へ足を踏み入れてしまっているからでしょう。ヨアヒムが初演して好評
を博したという幻想曲の新録音も貴重。シュニトケや、狂焼死した奇行作曲家
アルゲーンなど、どうもその筋の音楽が得意なようなスウェーデンの名手ヴァ
リーンのソロが冴えます。
BIS 1682 \2380
ニューストレム:
(1)短い交響曲(1929/31)
(2)海の交響曲(1947/8)
マレーナ・エルンマン(Ms)(2)、クリストフ・ケーニヒ(指)マルメ響
[録音:2006年3月、2007年1月/マルメ・コンサート・ホール]
近代スウェーデンの作曲家ヨスタ・ニューストレム(1890-1966)は生涯に6篇の
交響曲を残していて、BISではすでに4篇をリリースしてロングセラーを続けて
いますが、ついに今回で全集完結します。第1交響曲にあたる「短い交響曲」は
ニューストレムのパリ時代の作。印象派の影響が感じられます。ニューストレ
ムの代表作とされる「海の交響曲」は7つの海で活躍する水夫に捧げられたもの
で、彼の海と岸への偏愛の印が明瞭に刻まれています。スウェーデンの詩人エッ
バ・リンドクヴィストの詩による歌唱をエルンマンが好演しています。
BIS 1674 \2380
アーウェル・ヒューズ:
(1)前奏曲
(2)伝説曲「オーワイン・グリンダー」(1979)
(3)歌劇「恋する博士」序曲
(4)管弦楽組曲
(5)アネイショメイロス(1943)
(6)歌劇「メンナ」前奏曲
オーワイン・アーウェル・ヒューズ(指)
ロイヤル・フィル
[録音:2009年4月/キャドガン・ホール(ロンドン)]
アーウェル・ヒューズといっても、最近BISレーベルで続々とCDをリリースして
いる指揮者ではなく、その同名の父君。1909年に生まれ、1988年に歿したウェ
ールズの作曲家。ヴァーン・ウィリアムズとホルストに師事し、ウェールズ人
としての自覚と誇りを終生熱烈に守り続けました。ここに収められた作品も、
ウェールズの古譚に基づく標題的なものが中心で聴き応え満点。息子のオーワ
イン・アーウェル・ヒューズが父へのレスペクトあふれる演奏を繰り広げてい
て感動的です。
<Profil>
PH 05008 \2180
ドヴォルザーク:ミサ曲 ニ長調Op. 86, B. 153(1887) (35’12”)
プリスカ・エセル=シュトライト(ソプラノ) バルバラ・ミュラー(アルト)
マティアス・レトナー(テノール) トーマス・ハンバーガー(バス)
ハラルト・フェラー(オルガン)
・ヤナーチェク:主の祈りJW IV/29(1901/06) (15’18”)
ロバート・ヴェルレ(テノール) イルムガルト・ゴジャフスキ(ハープ)
ハラルト・フェラー(オルガン) ミュンヘン・オルフェウス合唱団
ゲルト・グクルヘーア(指揮)
ボヘミア生まれのドヴォルザークとモラヴィア生まれのヤナーチェクによる宗
教曲を収録したアルバム。「ピアノ五重奏曲」と同じ円熟期の1887年に書かれた
「ミサ曲ニ長調」は、小規模ながらも2大傑作「スターバト・マーテル」や「レ
クィエム」に通じて、敬虔なクリスチャンであったドヴォルザークのストレート
で真摯な姿勢がよく表れたもの。のちの1893年にロンドンでの演奏に際して管
弦楽版に編曲されていますが、ここでは当初のオルガン版を採用しています。
代表作「グラゴル・ミサ」の印象が強烈なヤナーチェクの「主の祈り」は、
1901年の作曲時にはピアノもしくはハルモニウムの伴奏指定でしたが、1906年
の改訂ではハープとオルガンによる伴奏に変更され、ここでは後者による演奏
となっています。
グクルヘーア率いるミュンヘン・オルフェウス合唱団は、ミュンヘン楽友協会
合唱団の選抜メンバーおよそ60名規模のアンサンブルで、1982年の設立以来、
ドイツで評価の高い団体。ほかにも珍しい宗教作品も数多くリリースしてきた
実績が示す通り、深く美しいハーモニーを聴かせてくれます。
<ATMA Classique>
ACD2 2579 \1850
ジョン・ウィリアムズ:
「シンドラーのリスト」組曲【テーマ、ユダヤ人街、追憶】(Vn&Orch.)
ブロッホ:ヘブライ組曲(Vn&Orch.)、コンチェルト・グロッソ第1番(P&Orch.)
アレクサンドレ・ダ・コスタ(Vn)マルク・パンティロン(P)
ビエンヌ交響楽団 トーマス・レスナー(指)
録音:2008年3月19-21日ビエンヌ、スイス
1979年モントリオール出身ヴァイオリニスト、アレクサンドル・ダ・コスタと
スイスの名門オケ、ビエンヌ交響楽団による映画音楽の巨匠ジョン・ウィリア
ムズの「シンドラーのリスト」。映画では儚く切ない優しく美しいメロディー
を、イツァーク・パールマンが演奏し、映画と共に大きなヒットとなった作品
です。演奏するダ・コスタはピアノとヴァイオリンを学び、9歳にしてそれぞれ
の楽器でコンサートを行うなど神童ぶりを発揮。18歳からマドリッドのソフィ
ア王妃音楽大学で名教師ザハール・ブロンに師事。23歳の時にはシルヴィア・
ゲルバー財団より30歳以下の優れたカナダ人音楽家に贈られる最優秀賞を受賞。
これまでにベルリン・フィルをはじめとする世界中のオーケストラと共演し高
い評価を得ています。ダ・コスタは類い稀なるテクニックと情熱溢れる音楽表
現で、聴く者の心を熱くさせる演奏を披露しています。
ユダヤをテーマとしたプログラムでブロッホのヘブライ組曲とコンチェルト・
グロッソ第1番が録音されています。
ACD2 2578 \1850
アルマンド・ホセ・フェルナンデス(1906-1983):ヴァイオリン協奏曲ホ長調
ルイス・デ・フレイタス・ブランコ(1890-1955):交響曲第2番変ロ短調
アレクサンドレ・ダ・コスタ(Vn)
ジーザス・アミーゴ(指)
エクストレマドゥーラ交響楽団
録音:2007年6月18-20日バダホス、スペイン
ポルトガルの作曲家アルマンド・ホセ・フェルナンデスとルイス・デ・フレイ
タス・ブランコの作品。フェルナンデスのヴァイオリン協奏曲は1948年に作曲。
ダ・コスタの才気溢れる演奏が作品の魅力を決定づけています。ブランコの交
響曲はポルトガルのネオクラシック様式を受け継ぐ作品です。
ACD2 2632 \1850
テオドール・デュボワ(1837-1924):
サン=レミのための荘厳ミサ曲(1900)、デリヴァランスのミサ(1919)
マリア・ナピック(S)マーク・ブーシュ(B)ジャン=ウィリィ・クンツ(Org)
ミシェル・ブラッソー(指)
ヌーヴォー・モンド・フィルハーモニー管弦楽団、合唱団
オタワ・クラシック・合唱団 トレンブラン合唱団
録音:2009年9月18-20日聖ジャン=バティスト教会、モントオリオール
2005年にバリトンのマーク・ブーシュがデュボワ家でいくつかの作品を発見し
ました。その後指揮者のミシェル・ブラッソーと共に彼の故郷フランスへ向か
い作品について調べ上げミサ曲2つを持ち帰りました。2008年5月にこれらの作
品の北アメリカ初演を行い、ここに録音されました。静謐なデュボワの世界を
十分に表現しています。
デュボワはシャンパーニュ地方の小さな村ロスネーに生まれました。パリ音楽
院でトマに師事し、恩師の死後1896年から1905年までパリ音楽院の院長を務め
ます。作曲家としては多作であり、宗教曲、オペラ、バレエ、オラトリオ、器
楽曲、管弦楽曲、室内楽など多岐にわたっています。また「対位法とフーガ」
「和声法、理論と実践」など音楽理論家としても著書を残しています。
ACD2 2380 \1850
テオドール・デュボワ(1837-1924):室内楽作品集Vol.3
チェロとピアノのためのソナタ ニ長調、バラード(Vn&P)、夜想曲(Vc&P)、
メロディー(Vn&P)、アンダンテ・アパッショナート(Vc&P)、
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調、アンダンテ・カンタービレ(Vc&P)、
瞑想曲(Vn&P)、スケルツェット(Vn&P)、カヴァティーナ(Vc&P)
オシュラガ三重奏団
【アンヌ・ロベール(Vn)ブノワ・ロワゼール(Vc)ステファン・ルムラン(P)】
録音:2005年10月12-14日
テオドール・デュボワの研究をしているピアニストのステファン・ルムランと
仲間たちによる室内楽作品集第3集。美しい響きのチェロとピアノ、ヴァイオリ
ンとピアノによる作品を集めたもの。
ACD2 2362 \1850
テオドール・デュボワ(1837-1924):室内楽作品集Vol.1
ピアノ三重奏曲第1番ハ短調、ピアノ三重奏曲第2番ホ長調、
プロムナード・センチメンタル(Vn,Vc&P)、カノン(Vn,Vc&P)、
カンティレーヌ(Vn,Vc&P)
オシュラガ三重奏団
【アンヌ・ロベール(Vn)ブノワ・ロワゼール(Vc)ステファン・ルムラン(P)】
録音:2005年5月6-7日
テオドール・デュボワは19世紀フランス音楽の伝統を受け継いだ作風で、優雅
さと洗練された響き、明快でバランスのとれた構成を基本としています。ピア
ニストのステファン・ルムランがこの20世紀初頭のあまり知られていないこの
作曲家に光を当て、録音していくシリーズです。
ACD2 2539 \1850
2台ハープのための作品集
レスピーギ/S.チャロウプカ編:リュートのための古風な舞曲とアリア
ベルナルド・アンドレ:孔雀たちの庭園
ジョン・トーマス:グランド・デュエット
アンドリュー・クリーガン:ゴーウィング・ウェスト
キャロライン・リゾット:ラガ
エリック・クラプトン/ケヴィン・フォックス編:サイン
ジェニファー・スウォーツ(Hp) ロリ・ジェメル(Hp)
録音:2007年12月19-21日
2台のハープのための作品集。レスピーギなど古典の作曲家からエリック・クラ
プトンの曲など19世紀前半から21世紀の作品までを取り上げています。ジェニ
ファー・スウォーツはモントリオール交響楽団の首席ハープ奏者、ロリ・ジェ
メルもキッチェナー・ウォータールー交響楽団の首席奏者です。実力派2人は
1999年に共にアンサンブルを組みコンサート活動を行っています。
ACD2 2356 \1850
ルーセル:セレナードOp.30(Fl,Vn,Va,Vc&Hp)
ロパルツ:前奏曲、海景画と歌(Fl,Vn,Va,Vc&Hp)
ドビュッシー:ソナタ(Fl,Va&Hp)
ラヴェル:序奏とアレグロ
ケクラン:五重奏曲第2番Op.223(Fl,Vn,Va&Hp)
ジェニファー・スウォーツ(Hp) モントリオール・チェンバー・プレイヤーズ
録音:2004年9月13-15日
7モントリオール・チェンバー・プレイヤーズとモントリオール交響楽団の首席
ハープ奏者のジェニファー・スウォーツによるフランス・ハープ室内楽作品集。
ラヴェルの若き日の作品「序奏とアレグロ」やドビュッシーの最盛期に書かれた
「ソナタ」、ロパルツの美しい作品「前奏曲、海景画と歌」など、透明感ある
ハープの響きを堪能できる1枚です。
ORFEO 738111 \2450
サリエリ:ハルモニームジーク(管楽合奏)のための作品集
「トロフォーニオの洞窟」(1785)[ハルモニームジーク版・7曲]
「オルムスの王、アクスル」(1788)[ハルモニームジーク版・10曲]
「ペルシャの女王パルミーラ」(1795)[ハルモニームジーク版・10曲]
ディーター・クレッカー(指揮) コンソルティウム・クラシクム
録音:2006年5月7-9日ザントハウゼン、クララ・ヴィーク・アウディトリアム
(セッション・デジタル)
ORFEOの看板アーティスト、クラリネットの名手クレッカーが率いる精鋭管楽ア
ンサンブル“コンソルティウム・クラシクム”の最新アルバムに、サリエリ作の
オペラ編曲のハルモニームジークが登場します。
<BIS>
BIS SA 1882(SACD-Hybrid) \2500
ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.10
(1)7つのバガテル Op.33/(2)11のバガテル Op.119/(3)6つのバガテル Op.126
(4)アレグレット ハ短調Hess69/(5)バガテル ハ長調 Hess73
(6)バガテル 変ホ長調 Hess74/(7)アレグレット ハ短調WoO.53
(8)バガテル「楽しい―悲しい」WoO.54/(9)バガテル ハ長調 WoO.56
(10)バガテル ハ短調 WoO.52/(11)エリーゼのために WoO.59
(12)やや生き生きと WoO.60/(13)アレグレット ロ短調 WoO.61
(14)ピアノ曲ト短調 WoO.61a/(15)バガテル ハ長調 Hess57
ロナルド・ブラウティハム(フォルテピアノ)
[録音:2010年8月/エステローケル教会(スウェーデン)]
好評のブラウティハム・ベートーヴェン全集の第10巻は、バガテル全曲。もちろ
んあの「エリーゼのために」も入っているのが嬉しい限り。フォルテピアノで奏
されると新鮮さもひとしおで、初めて聴くような印象を受けます。また、普段聴
くことのできない初期作も多数含まれているのも秀逸。ブラウティハムが驚きの
巧さで、ベートーヴェン・ファンは絶対にはずせない一枚です。
BIS SA 1730(SACD-Hybrid) \2500
ヒンデミット:
(1)交響曲「画家マティス」
(2)バレエ組曲「いとも気高き幻想」
(3)ウェーバーの主題による交響的変容
ジョン・ネシリング(指)サンパウロ響
[録音:2008年8月/サラ・サンパウロ]
ヒンデミットの作品というと、アカデミックでドライかつ薄味で、あまり聴きた
くない…という印象をよく聞きますが、実は聴き手を楽しませようというサービ
ス精神に満ちた、職人芸光る面白さの連続です。ここに収められた3作は彼の代
表作で、それをシェーンベルクの子孫であるネシリングが指揮しているのも不思
議な因縁を感じます。ネシリングの熱血指揮も注目。急速楽章のノリの良さ最高
です。
BIS SA 1760(SACD-Hybrid) \2500
ウェーバー:序曲集
(1)魔弾の射手/(2)精霊の支配者/(3)トゥーランドット/(4)アブ・ハッサン
(5)オベロン/(6)オイリアンテ/(7)ペーター・シュモル/(8)プレチオーザ
(9)シルヴァーナ/(9)祝典序曲
ジャン=ジャック・カントロフ(指)
タピオラ・シンフォニエッタ
[録音:2006年5月、2009年11月/タピオラ・ホール]
ウェーバーの序曲集は芳醇なロマンの香りに満ち、演奏効果抜群なため、かつて
はドイツ系指揮者の定番レパートリーでしたが、なぜか近年新録にも恵まれず、
急激に縁遠い音楽となりつつあります。しかし、カントロフとタピオラ・シン
フォニッタ待望の新録音が登場となります。オペラ的な美しいメロディ、異常
なまでのボルテージの高い演奏を楽しめます。
BIS SA 1775(SACD-Hybrid) \2500
シューマン:ヴァイオリンとオーケストラのための作品全集
(1)ヴァイオリン協奏曲イ短調(チェロ協奏曲 Op.129より作曲者自編)
(2)幻想曲ハ長調 Op.131
(3)ヴァイオリン協奏曲ニ短調
ウルフ・ヴァリーン(Vn)、
フランク・ベーアマン(指)
ロベルト・シューマン・フィル
[録音:2009年6月/ルカ教会(ドレスデン)]
ありそうであまりないシューマンのヴァイオリンとオーケストラのための作品
全集。いずれもシューマン晩年の精神に変調をきたしてからの作品で、アブナ
い世界へ足を踏み入れてしまっているからでしょう。ヨアヒムが初演して好評
を博したという幻想曲の新録音も貴重。シュニトケや、狂焼死した奇行作曲家
アルゲーンなど、どうもその筋の音楽が得意なようなスウェーデンの名手ヴァ
リーンのソロが冴えます。
BIS 1682 \2380
ニューストレム:
(1)短い交響曲(1929/31)
(2)海の交響曲(1947/8)
マレーナ・エルンマン(Ms)(2)、クリストフ・ケーニヒ(指)マルメ響
[録音:2006年3月、2007年1月/マルメ・コンサート・ホール]
近代スウェーデンの作曲家ヨスタ・ニューストレム(1890-1966)は生涯に6篇の
交響曲を残していて、BISではすでに4篇をリリースしてロングセラーを続けて
いますが、ついに今回で全集完結します。第1交響曲にあたる「短い交響曲」は
ニューストレムのパリ時代の作。印象派の影響が感じられます。ニューストレ
ムの代表作とされる「海の交響曲」は7つの海で活躍する水夫に捧げられたもの
で、彼の海と岸への偏愛の印が明瞭に刻まれています。スウェーデンの詩人エッ
バ・リンドクヴィストの詩による歌唱をエルンマンが好演しています。
BIS 1674 \2380
アーウェル・ヒューズ:
(1)前奏曲
(2)伝説曲「オーワイン・グリンダー」(1979)
(3)歌劇「恋する博士」序曲
(4)管弦楽組曲
(5)アネイショメイロス(1943)
(6)歌劇「メンナ」前奏曲
オーワイン・アーウェル・ヒューズ(指)
ロイヤル・フィル
[録音:2009年4月/キャドガン・ホール(ロンドン)]
アーウェル・ヒューズといっても、最近BISレーベルで続々とCDをリリースして
いる指揮者ではなく、その同名の父君。1909年に生まれ、1988年に歿したウェ
ールズの作曲家。ヴァーン・ウィリアムズとホルストに師事し、ウェールズ人
としての自覚と誇りを終生熱烈に守り続けました。ここに収められた作品も、
ウェールズの古譚に基づく標題的なものが中心で聴き応え満点。息子のオーワ
イン・アーウェル・ヒューズが父へのレスペクトあふれる演奏を繰り広げてい
て感動的です。
<Profil>
PH 05008 \2180
ドヴォルザーク:ミサ曲 ニ長調Op. 86, B. 153(1887) (35’12”)
プリスカ・エセル=シュトライト(ソプラノ) バルバラ・ミュラー(アルト)
マティアス・レトナー(テノール) トーマス・ハンバーガー(バス)
ハラルト・フェラー(オルガン)
・ヤナーチェク:主の祈りJW IV/29(1901/06) (15’18”)
ロバート・ヴェルレ(テノール) イルムガルト・ゴジャフスキ(ハープ)
ハラルト・フェラー(オルガン) ミュンヘン・オルフェウス合唱団
ゲルト・グクルヘーア(指揮)
ボヘミア生まれのドヴォルザークとモラヴィア生まれのヤナーチェクによる宗
教曲を収録したアルバム。「ピアノ五重奏曲」と同じ円熟期の1887年に書かれた
「ミサ曲ニ長調」は、小規模ながらも2大傑作「スターバト・マーテル」や「レ
クィエム」に通じて、敬虔なクリスチャンであったドヴォルザークのストレート
で真摯な姿勢がよく表れたもの。のちの1893年にロンドンでの演奏に際して管
弦楽版に編曲されていますが、ここでは当初のオルガン版を採用しています。
代表作「グラゴル・ミサ」の印象が強烈なヤナーチェクの「主の祈り」は、
1901年の作曲時にはピアノもしくはハルモニウムの伴奏指定でしたが、1906年
の改訂ではハープとオルガンによる伴奏に変更され、ここでは後者による演奏
となっています。
グクルヘーア率いるミュンヘン・オルフェウス合唱団は、ミュンヘン楽友協会
合唱団の選抜メンバーおよそ60名規模のアンサンブルで、1982年の設立以来、
ドイツで評価の高い団体。ほかにも珍しい宗教作品も数多くリリースしてきた
実績が示す通り、深く美しいハーモニーを聴かせてくれます。
<ATMA Classique>
ACD2 2579 \1850
ジョン・ウィリアムズ:
「シンドラーのリスト」組曲【テーマ、ユダヤ人街、追憶】(Vn&Orch.)
ブロッホ:ヘブライ組曲(Vn&Orch.)、コンチェルト・グロッソ第1番(P&Orch.)
アレクサンドレ・ダ・コスタ(Vn)マルク・パンティロン(P)
ビエンヌ交響楽団 トーマス・レスナー(指)
録音:2008年3月19-21日ビエンヌ、スイス
1979年モントリオール出身ヴァイオリニスト、アレクサンドル・ダ・コスタと
スイスの名門オケ、ビエンヌ交響楽団による映画音楽の巨匠ジョン・ウィリア
ムズの「シンドラーのリスト」。映画では儚く切ない優しく美しいメロディー
を、イツァーク・パールマンが演奏し、映画と共に大きなヒットとなった作品
です。演奏するダ・コスタはピアノとヴァイオリンを学び、9歳にしてそれぞれ
の楽器でコンサートを行うなど神童ぶりを発揮。18歳からマドリッドのソフィ
ア王妃音楽大学で名教師ザハール・ブロンに師事。23歳の時にはシルヴィア・
ゲルバー財団より30歳以下の優れたカナダ人音楽家に贈られる最優秀賞を受賞。
これまでにベルリン・フィルをはじめとする世界中のオーケストラと共演し高
い評価を得ています。ダ・コスタは類い稀なるテクニックと情熱溢れる音楽表
現で、聴く者の心を熱くさせる演奏を披露しています。
ユダヤをテーマとしたプログラムでブロッホのヘブライ組曲とコンチェルト・
グロッソ第1番が録音されています。
ACD2 2578 \1850
アルマンド・ホセ・フェルナンデス(1906-1983):ヴァイオリン協奏曲ホ長調
ルイス・デ・フレイタス・ブランコ(1890-1955):交響曲第2番変ロ短調
アレクサンドレ・ダ・コスタ(Vn)
ジーザス・アミーゴ(指)
エクストレマドゥーラ交響楽団
録音:2007年6月18-20日バダホス、スペイン
ポルトガルの作曲家アルマンド・ホセ・フェルナンデスとルイス・デ・フレイ
タス・ブランコの作品。フェルナンデスのヴァイオリン協奏曲は1948年に作曲。
ダ・コスタの才気溢れる演奏が作品の魅力を決定づけています。ブランコの交
響曲はポルトガルのネオクラシック様式を受け継ぐ作品です。
ACD2 2632 \1850
テオドール・デュボワ(1837-1924):
サン=レミのための荘厳ミサ曲(1900)、デリヴァランスのミサ(1919)
マリア・ナピック(S)マーク・ブーシュ(B)ジャン=ウィリィ・クンツ(Org)
ミシェル・ブラッソー(指)
ヌーヴォー・モンド・フィルハーモニー管弦楽団、合唱団
オタワ・クラシック・合唱団 トレンブラン合唱団
録音:2009年9月18-20日聖ジャン=バティスト教会、モントオリオール
2005年にバリトンのマーク・ブーシュがデュボワ家でいくつかの作品を発見し
ました。その後指揮者のミシェル・ブラッソーと共に彼の故郷フランスへ向か
い作品について調べ上げミサ曲2つを持ち帰りました。2008年5月にこれらの作
品の北アメリカ初演を行い、ここに録音されました。静謐なデュボワの世界を
十分に表現しています。
デュボワはシャンパーニュ地方の小さな村ロスネーに生まれました。パリ音楽
院でトマに師事し、恩師の死後1896年から1905年までパリ音楽院の院長を務め
ます。作曲家としては多作であり、宗教曲、オペラ、バレエ、オラトリオ、器
楽曲、管弦楽曲、室内楽など多岐にわたっています。また「対位法とフーガ」
「和声法、理論と実践」など音楽理論家としても著書を残しています。
ACD2 2380 \1850
テオドール・デュボワ(1837-1924):室内楽作品集Vol.3
チェロとピアノのためのソナタ ニ長調、バラード(Vn&P)、夜想曲(Vc&P)、
メロディー(Vn&P)、アンダンテ・アパッショナート(Vc&P)、
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調、アンダンテ・カンタービレ(Vc&P)、
瞑想曲(Vn&P)、スケルツェット(Vn&P)、カヴァティーナ(Vc&P)
オシュラガ三重奏団
【アンヌ・ロベール(Vn)ブノワ・ロワゼール(Vc)ステファン・ルムラン(P)】
録音:2005年10月12-14日
テオドール・デュボワの研究をしているピアニストのステファン・ルムランと
仲間たちによる室内楽作品集第3集。美しい響きのチェロとピアノ、ヴァイオリ
ンとピアノによる作品を集めたもの。
ACD2 2362 \1850
テオドール・デュボワ(1837-1924):室内楽作品集Vol.1
ピアノ三重奏曲第1番ハ短調、ピアノ三重奏曲第2番ホ長調、
プロムナード・センチメンタル(Vn,Vc&P)、カノン(Vn,Vc&P)、
カンティレーヌ(Vn,Vc&P)
オシュラガ三重奏団
【アンヌ・ロベール(Vn)ブノワ・ロワゼール(Vc)ステファン・ルムラン(P)】
録音:2005年5月6-7日
テオドール・デュボワは19世紀フランス音楽の伝統を受け継いだ作風で、優雅
さと洗練された響き、明快でバランスのとれた構成を基本としています。ピア
ニストのステファン・ルムランがこの20世紀初頭のあまり知られていないこの
作曲家に光を当て、録音していくシリーズです。
ACD2 2539 \1850
2台ハープのための作品集
レスピーギ/S.チャロウプカ編:リュートのための古風な舞曲とアリア
ベルナルド・アンドレ:孔雀たちの庭園
ジョン・トーマス:グランド・デュエット
アンドリュー・クリーガン:ゴーウィング・ウェスト
キャロライン・リゾット:ラガ
エリック・クラプトン/ケヴィン・フォックス編:サイン
ジェニファー・スウォーツ(Hp) ロリ・ジェメル(Hp)
録音:2007年12月19-21日
2台のハープのための作品集。レスピーギなど古典の作曲家からエリック・クラ
プトンの曲など19世紀前半から21世紀の作品までを取り上げています。ジェニ
ファー・スウォーツはモントリオール交響楽団の首席ハープ奏者、ロリ・ジェ
メルもキッチェナー・ウォータールー交響楽団の首席奏者です。実力派2人は
1999年に共にアンサンブルを組みコンサート活動を行っています。
ACD2 2356 \1850
ルーセル:セレナードOp.30(Fl,Vn,Va,Vc&Hp)
ロパルツ:前奏曲、海景画と歌(Fl,Vn,Va,Vc&Hp)
ドビュッシー:ソナタ(Fl,Va&Hp)
ラヴェル:序奏とアレグロ
ケクラン:五重奏曲第2番Op.223(Fl,Vn,Va&Hp)
ジェニファー・スウォーツ(Hp) モントリオール・チェンバー・プレイヤーズ
録音:2004年9月13-15日
7モントリオール・チェンバー・プレイヤーズとモントリオール交響楽団の首席
ハープ奏者のジェニファー・スウォーツによるフランス・ハープ室内楽作品集。
ラヴェルの若き日の作品「序奏とアレグロ」やドビュッシーの最盛期に書かれた
「ソナタ」、ロパルツの美しい作品「前奏曲、海景画と歌」など、透明感ある
ハープの響きを堪能できる1枚です。