クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

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11-06 No.10-2

2011年06月10日 12時24分05秒 | Weblog
<harmonia mundi>
HMG 501735 \1700
「20世紀ハンガリーのチェロ音楽集」
クルターク(b.1926):しるしII 作品5b-1, 2/影/信仰
ピリンスキ・ヤーノシュ:
ジェラール・ド・ネルヴァル/アツェール・ジェルジュの思い出に
コダーイ(1881-1967):
無伴奏チェロ・ソナタ op.8/チェロとピアノのためのソナチネ*/アダージョ
ヴェレシュ(1907-1992):無伴奏チェロ・ソナタ
ジャン=ギアン・ケラス(チェロ) アレクサンドル・タロー(ピアノ*)
録音:2000年10月
ケラスの腕が冴えわたる!20世紀以降のハンガリー・チェロ音楽の俯瞰的名盤
です。クルタークの「影」での金属製のミュートを使っての半音階的なパッセ
ージの非現実的な壮絶感は圧巻。名手ケラスにしか出せない味わいです。コダ
ーイの「チェロとピアノのためのソナチネ」ではタローがピアノを務めていま
す。民謡を思わせる音構造やの旋律線と、ロマン派を思わせる雰囲気の合わさ
った独特の世界に、名コンビが大胆に斬り込みます。ともすれば土臭さが全面
に押し出されがちなコダーイですが、ここではがらりと違った表情が展開され
ており、その斬新さは今なおくらりとさせるショッキングさ。強烈な説得力と
凄み、ケラスの腕前の確かさを痛感する名盤です。

HMG 507344 2枚組 \2080
ビーバー:8つのヴァイオリン・ソナタ(1681)他
8つのヴァイオリン・ソナタ(1681)全曲/リュート独奏のためのパッサカリア
描写ソナタ/ソナタ「羊飼娘」/ヴァイオリン独奏のためのパッサカリア
ロマネスカ〔アンドルー・マンゼ(バロックVn)、
ナイジェル・ノース(リュート,テオルボ) ジョン・トール(Cemb,Org)〕
録音:1993年9月15/18日,1994年1月8/11日
イギリス,イースト・ウッダイ,聖マーティン教会
バロック・ヴァイオリンの魔術師、マンゼが奏でる、バロック期ドイツのヴァイ
オリン音楽の祖、ビーバーの作品集です。スコラダトゥーラ技法をはじめとする
超個性的な技法の数々をマンゼがものの見事に表現してゆきます。超難しいヴィ
ルトゥオーゾ曲をマンゼはさらりとこなし、実に明るくたのしいビーバーのを
聴かせてくれます。

HMG 501933 2枚組 \2080
ボッケリーニ:作品集
[CD1]
(1)スターバト・マーテル(1781年初版) 
(2)弦楽五重奏曲ハ短調Op.31-4G.328 〔録音:1991年4月〕
[CD2]
(1)交響曲「悪魔の家」Op.12-4、交響曲イ長調Op.35-3、交響曲ニ長調G.490、
交響曲ヘ長調Op.35-4 〔録音:1988年6月〕
A.メロン(ソプラノ)
キアラ・バンキーニ(Vn,指)
アンサンブル415
ボッケリーニのスターバト・マーテルは、1781年にソプラノと弦楽五重奏という
編成で書かれましたが、1801年に改訂され、コントラルトとテノールを加え、
序曲を付けました。この盤は1781年初版による演奏で、当時世界初録音でした。
ボッケリーニの本領である室内楽的響きが魅力です。[CD2]の交響曲「悪魔の家」
は、グルックの歌劇「オルフェオ」の地獄の場面と同じ主題によっているため、
この呼び名がつけられたもの。全員がオリジナル楽器をもちいていて、当時の
ピッチ415をグループ名にしているアンサンブル415の絶妙なアンサンブルでボッ
ケリーニを心ゆくまで楽しめるセットです。

HMG 501632 2枚組 \2080
ベルリオーズ:オラトリオ〈キリストの幼時〉Op.25
(1)ヘロデの夢 (2)エジプトへの逃避 (3)サイスへの到達
フィリップ・ヘレヴェッヘ(指)
コレギウム・ヴォカーレ、シャペル・ロワイヤル、シャンゼリゼ管弦楽団
ヴェロニク・ジャン(Ms) ポール・アグニュー(T) 
オリヴィエ・ラルエット(Br) ローラン・ナウリ(Bs) 
フレデリック・キャトン(Bs)
このオラトリオは、木管楽器と弦楽器が主体で古雅な響きがするという点で、
ベルリオーズの作品群の中でもひときわ異彩を放っている作品です。特に、最
初に作曲された「エジプトの逃避」第2 部の合唱曲は、悪意に満ちた偏見と先
入観に基づく酷評を見返すために、バロック時代の他人の作品として発表され
ており、バロック風の響きを持っています。
ヘレヴェッヘ率いるシャンゼリゼ管弦楽団、コレギウム・ヴォカーレ、シャペ
ル・ロワイヤル及び、ジャンスをはじめとする独唱陣による演奏は、これらの
背景にある演奏様式を踏まえ、作品に深みのある表現を与えています。

HMG 501700 \1700
ギョーム・デュファイ(c.1400-1474)-アイソリズムによるモテトゥス全集
「喜べ、ビザンツ帝国の妃」「おお、聖セバスティアヌスよ」
「おお、輝きわたる宝石」「誉れある使徒に」
「偉大なるヤコブをわれら正しくたたえん」「戦う教会」
「バルサムと上品なる蝋が」「人には平和が最高のもの」
「バラの花が先ごろ」「めでたし、トスカナ人の花」
「度量ある人々の称賛を」「神の教会の輝ける星」
「キリストとともにヨハネが」
パウル・ヴァン・ネーヴェル(指)
ウエルガス・アンサンブル
録音:1999年7月
アイソリズムとは、違う旋律素材でも、同じリズム・パターンが繰り返し現れ
るというもの。デュファイはこの手法を大変得意としていました。中世の雰囲
気も漂う、独特の世界が広がります。1トラックずつじっくり聴いて、横の線
と縦の線の複雑な関連、独特で不思議なハーモニーの万華鏡にたっぷりと身を
浸からせたい1枚です。

HMG 905213 \1700
ファリャ:「恋は魔術師」(1915年版)/ペドロ親方の人形芝居
ジュゼップ・ポンス(指)
テアトル・リウレ室内管弦楽団
ヒネーサ・オルテガ(カンタオーラ)他
録音:1990年11月
今日バレエ音楽として知られるファリャの「恋は魔術師」は元来、歌と語りを含
み、15名の奏者のみの伴奏によるものでしたが、作曲の翌年、現在の形に直さ
れました。当CDはそのオリジナル版による初録音盤。バレエ曲と初版のものは、
音楽素材は同じものの、別の作品といって良いほど異なっています。ドン・キ
ホーテに基づく「ペドロ親方の人形芝居」もファリャの代表作。古いスペイン
の歌やアンダルシア民謡の要素が濃く感じられます。名匠ポンス率いる、1985
年に設立されたテアトル・リウレ室内管弦楽団の気魄に満ちた演奏でお楽しみ
下さい。

HMG 501835 \1700
バロック時代のドイツの歌曲
「愛」
ハインリヒ・アルベルト:ああひどい冷酷さ!
ヨハン・クリーガー:いとしい人、君が好きだ
アンドレアス・ハンマーシュミット:
美よ、お前は;3声のための3つのカンツォーナ
フィリップ・ハインリヒ・エルレバッハ:
愛の神よ、急いで正直に助言を与えてくれ
アダム・クリーガー:飛べ、魂よ、飛べ
「不安定」
ハインリヒ・アルベルト:かつて誇り高く今や死に瀕した若い女性の最後の言葉
ヨハン・クリスティアン・デデキント:すべては足早に過ぎ去って行く
フィリップ・ハンリヒ・エルレバッハ:
私たちの人生はたくさんの苦悩に囲まれている
「平安」
エラスムス・キンダーマン:
神にさかえあれ、平安はまだここに;ああ主よ、どれほど長く;晩の礼拝
「自然」
ハインリヒ・アルベルト:
魂よ、おまえはかつて見なかったか;年の中心の5月が
ヨハン・クリーガー:
おいで、歩きに行こう;2つのヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ
「幸運」
フィリップ・ハインリヒ・エルレバッハ:幸運よ、お前はわたしをもてあそぶ
ヨハン・クリーガー:自分の持っているもので満足する者は幸せである
アンネッテ・ダッシュ(ソプラノ) 
ベルリン古楽アカデミー団員
録音:2004年7月
アンネッテ・ダッシュは1976 年ベルリン生まれのドイツのソプラノ。2000年の
ジュネーヴ国際音楽コンクール声楽部門で第1 位を獲得。日本では2003年12月
の新国立劇場でのオッフェンバック「ホフマン物語」でアントニーアを歌って
好評でした。彼女は古楽畑での活動が主で、バッハなどの宗教音楽で評価を得
た人です。ヤーコプスもパリで「フィガロの結婚」を上演する時には若きダッ
シュを伯爵夫人に起用していますから、ただの若手ソプラノではありません。
当盤は、彼女の初ソロCD。17世紀のドイツの作曲家による親しみやすい歌曲を
歌っています。柔らかくしっとりした魅惑の声、驚くほどの気品が漂う表現、
全てにおいて大器であることを感じさせます。もちろん若い歌手ならではの溌
剌とした生命力、しっかりした技術力も目を見張るものです。テーマごとに区
切られた凝ったプログラム、それぞれのセクションでの変幻自在なダッシュの
表情は見事。滴るような音色のベルリン古楽アカデミーのメンバーの伴奏もま
た実に楽しめます。

HMG 501825 \1700
ショスタコーヴィチ(1906-1975):
ピアノ三重奏曲第1番 ハ短調op.8、第2番 ホ短調 op.67
コープランド(1900-1990):
ピアノ三重奏曲「ヴィテプスク」(ユダヤ主題による習作)
トリオ・ヴァンダラー
録音:2003年5月
ショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲第2番はソレルチンスキー追悼のために書
かれたもので、ユダヤのメロディを用いています。コープランド初期のピアノ
三重奏曲にはベラルーシの町ヴィテプスクの名が付けられています。ヴィテプ
スクはユダヤ人が多く、シャガールもここの出身。ロシア系ユダヤ移民の子で
あるコープランドのルーツ探しで、むせかえるようなユダヤ色に満ちています。
この2作品、何故か良く似ていて、同世代の米露2大作曲家の意外な関連が興味
津々です。

HMG 50252 2枚組 \2080
パーセル:「アーサー王」(全曲)、「アテネのタイモン」付随音楽
アルフレッド・デラー(指)
デラー・コンソート、ザ・キングス・ミュージック
録音:1978年
オペラでもなく、演劇でもなく、まさにセミ・オペラとして歴史上に燦然と輝
くパーセルの「アーサー王」。1978年に録音されたデラーによるこの演奏は、
パーセルの新しい魅力を世に知らしめた非常に画期的なものでした。

HMG 501686 \1700
シュッツ(1585-1672):
イタリア語マドリガル集第1巻SWV 1-9(1611年ヴェネツィア刊)
ユングヘーネル(リュート、指揮)カントゥス・ケルン
録音:1998年ドイツ/ノイシュタット=マンデルスローの聖オスダク教会
偉大な芸術家の処女作・初期作というのはやはりただならぬ風格をもっている
ものです。シュッツ26歳の時に出版されたこのイタリア語による19のマドリガ
ルも、大変な力作です。ヴェネツィア楽派の生ける神のような存在であったG.
ガブリエリの下で研鑽を積んだシュッツ。2年ほどの修行の後に書かれたこれら
の作品は、師がそれほど善しとしなかった、極めて難しい技術が歌い手に要求
されるもの。5声の各パートの独立性が高く、通奏低音の支えもなく、さらに
歌詞もミサ曲のように繰り返しではなく、通常の歌詞を歌わなければなりませ
ん。もちろん、作曲者の腕がなければこのようなものは書けませんが、見事な
構築性をもってシュッツはこの作品を書き上げています。




<audite>
AU 92579(SACD-Hybrid) \2300
「グリーグ:管弦楽作品全集Vol.2 / オードラン」
2つの悲しい旋律Op.34
組曲「ホルベアの時代より」Op.40
2つのメロディOp.53
2つのノルウェーの旋律Op.63
ケルンWDR交響楽団
アイヴィン・オードラン(指揮)
録音:2009年8月31日-9月2日ケルン、クラウス・フォン・ビスマルク・ザール
(デジタル・セッション)[WDR制作]
ヨルマ・パヌラの弟子オードランが進めるグリーグの管弦楽曲全集シリーズ第2
弾。グリーグが何にもまして極めたジャンルと云われる弦楽オーケストラのため
の作品は、歌曲とピアノ小品からの編曲が主体ですが、すっと透き通った高音か
ら絶妙に表情を変えてゆく中低域まで、ここにしかない独特の魅力にあふれてい
ます。
“この音楽の風味は、わたしの血です”と語るように、オードランもまたグリー
グの生まれ故郷ベルゲン育ち。胸をしめつけるような「過ぎし春」や組曲「ホル
ベアの時代より」ほか、ノルウェーのフォークロアを題材にした内容への共感の
深さは本物で、演奏の出来ばえがそれを物語っています。

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