マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

落語日和、カレーにソース

2011-08-04 00:20:38 | Weblog

過日、大融寺であった落語会に出かけた。久々だが、ああ、落語たぁいいもんだなぁ。
落語を聴きに行くという行為自体が、実に平和で懐かしい風俗であり、世俗の嫌なことも一時忘れる。

桂千朝といってピンとくる人は相当な落語通かもしれない。
人間国宝、米朝の門人で、派手さはないが安定感ある手堅い印象があった。
元々米朝のコピー(余芸としてさわりだけ見たが、もの凄く似ていた)で素人名人会から
落語界へ。器用なだけに、自分の色を見つけるまで、随分遠回りなさったのではないか。


       千朝師匠、こんな方


この日は「くやみ」と「千両みかん」の二題。


「くやみ」は葬式に来て、お悔やみを言わなければいけないところを、
惚れた女房ののろけばかり言って、周囲を唖然とさせる話。
「もうイヤッ、こんな生活!」「何を言うとんのや」と終わる。


「千両みかん」は商家の若旦那が謎の病に臥せり、その原因はみかんが食べたいという。
お安い御用と安請け合いした番頭、だが季節は夏。必死で大阪中を探し回る。
天満の青物問屋で土蔵に残していたミカンのひと箱から店主が1個1個調べる。
カビが生えて腐っているのばかり。それを選ぶ手つき、非常にリアルだった。細部に神は宿る。


中で一つだけ奇跡的に無傷だったのを、差し上げるというものを、
それには及ばずどうぞお代を、と粘り、逆に果物屋の機嫌を損ねてしまう。
そこまで言うのなら、無駄にする分も含めて、「千両いただきます」となる。せ、千両!!
サゲは「番頭どん、みかん3房持って逃げた」


地味でゆっくりした語り口だが巧みな演出、落語の滋味というのをじんわり感じさせてくれる。
いい年齢にさしかかっているので、まだまだ大きい存在になっていただけそうな予感。
色気も格も懐の深さも、これから備わるだろう噺家だ。と、ツウみたいなことを申しますが。


前座は「鉄砲勇助」というホラ話。ざこば門下の巨躯のひろばくんが元気につとめた。
夏向きの「青菜」を好演した梅団治さんという初めての噺家が面白かった。
マクラで“落語界で最も車の走行距離を誇る”と言うので、個人タクシーでもしてるのかと思った。


聞けば、「撮り鉄」で、地方で落語会があると、マイカー飛ばし、会の前後でSL追っかけたりする。
しかし、ルックスはタクシードライバーである。しゃべり始めたら止まらない運転手が、車を降りて
高座に上がったか、と思ったのだ。 色浅黒く、天然パーマ気味。
植木屋や大工がこれほど似合う人もいない気がした。


会がはねると、出演者みんなで高座をバラす。高座の下は積まれたビールの空き箱だ。
その様がよかった。みんなで作っているこういう落語会によって、
上方落語協会もここまで大きくなってきたのだ。地方巡業のプロレスも一緒だなぁ。


さて、我らは船場センタービルへ、支援物資のタオルを買いに行った。
そのついでに入ったのが、「せんば自由軒」。
難波楽天地裏の自由軒とは先代が兄弟にあたるとかで、
一度つぶれてしまったが、異業種の方が支援に入り、今も盛業を続けている。





店はもうちょっとオールドファッションにした方が、気分である。





本日のサービスランチ  5品盛り合わせ、スープ・ライスついて680円
この安さ、旨さ!
いろいろ取ろうと思ったが、安さに負けた。



インデアンカレー&シーフードフライ・コンビ 850円

やはり自由軒と名がつけば、混ぜカレーを行っときますかね。





オダサクが「ここのカレーは、あ、あんじょうまぶしたぁるさかい、うまい」
と言わせた自由軒のカレーが生き残る。
旨いか不味いか意見の分かれるところだが、ワシは好き。
ウスターソースをカレーにかける奴も少なくなった。

我々の子供の頃、ソースをかけて、親の敵のようにカチャカチャいわして
徹底的にかき混ぜる奴がいた。
カレーにソースをかけなくなって、規範的というか、人間ひ弱になってしまった気がする。




戦前、梅田阪急百貨店大食堂では、ソーライといって、白ご飯だけたのみ、卓上のウスターをぶっかける
ソースライスというのが流行ったという。 オレも当時の職工ならば間違いなくやったな。



      大融寺  千朝落語を聴く会

      船場自由軒   船場センタービル



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