南座で芝居を見た後は、先輩の案内で四条川端上ルのふぐ屋へ。
芝居がはねた後の鍋なんてのはオツなものである。
ブツ切りはここの名物。
始めたのはキタの幸鶴だったかな。
てっさもたっぷりやれるのは嬉しい。
しかし、こればっかりはガキに四の五の言われたくない大人のものにしておきたい。
季節関わりなく、とびきり燗でひれ酒と行きたい。
てっちりの味も知らない頃、ふぐ好きを自任する男に
「ふぐのどの辺が旨いというのか…?」と質問すると、
「う~ん…唐揚げかなぁ」
大したふぐ好きではなかった。
さて、てっちりはさばきたてのプルプル身が痙攣したとらふぐ。
スプラッター関係はあんまり得意ではない。
今だにてっきりの味を滔々と語れるほどの表現力は持ってない。
ただ脂の乗った…などというものに価値を見出してる間は、真の魅力は判らぬかも。
最初、黒門市場で食った時は、帰りにトンカツ食いたいと思ったもん。
今は品のある淡泊さと、他の追随を許さないだし、コク。
これがポン酢の酸味の中で開花する鍋料理の白眉といえるだろう。
もちろん、〆のぞうすいはその魅力を余すことなく味わうものである。
この贅沢感もまさにふぐならでは。 「とらふぐ茶屋 祇園山福」
過日。八百屋の店頭で気になってた山椒を買う。 紀州産500g 900円
忙しい時に限ってこんなものが炊きたくなってくる。
枝から実だけ取るのが面倒だけど、テレビでも見ながらやったんさい。
断ちバサミ使ってたが、指先で摘み取った方が早いな。
水洗いして、バットに取り水分を取る。
鍋に酒を煮切って、実山椒を入れ、砂糖、みりん、酒の半分見当の醤油を入れる。
煮立ったら、そろそろかき混ぜながら。部屋にはいい匂いが立ちこめる。
元より山椒のひりひりする感じは大好き。 あればいろんなものに混ぜたくなる。
実山椒を佃煮に。
これと、ちりめんじゃこ合して炊くと、山椒じゃこの出来上がり。
昆布の余ったのがあれば、山椒昆布もあり。鰻と一緒に食べるのも、何にだって応用可能。
バカ高いのを買うのがバカバカしくなること請け合い。