にくい目覚まし ジリリと鳴れば
行かざなるまい お勤め暮らし
会社に遅れ 課長が呼んでるが
スタコラサッサと けむにまく
ジワジワ焼けてく サンマ 男のやもめに サンマ
醤油をかけろよ サンマ 長くてでっかい サンマ
サンマ~
サンマったら サンマったら サンマったら サンマ
「サンマ・サンバ」 作詞作曲 三木鶏郎 昭和42年
楠トシエ歌う、「サンマサンバ」。サンマの語感からサンバを持ってきて、
サンマったら、を繰り返しリピートするあたりが
三木鶏郎らしさである。 きょうびのラップミュージシャン真っ青である。
さても旬の秋刀魚。 今日も立ち飲みでサンマを造りなんぞで一杯やったのであるが、
塩焼きこそが、サンマの面目躍如。 酢橘を絞ったり、大根おろしに醤油なんぞでやると
めしが進んで仕方がない。
「秋刀魚、苦いかしょっぱいか」と書いたのは、佐藤春夫。あの苦いのは、ワタ(内臓)の味であろう。
先日、同年輩が7人集まった際に聞いてみると、ワタまで食べるという奴が余りに少なく、
愕然としたことがある。ワタにEPAやDHAが豊富にあるというので、身と一緒に食べるというのが
理屈に合っている。
だが、きょうびの放射能汚染問題である。 回遊魚サンマは北海道釧路あたりから南に向かい、
天下の漁場、三陸を通って、銚子を通って、東海通って紀州と南下する。
ナンカシテケツカンネン、なのである。
サンマはどこまで安全宣言されてるのかよく知らないが、ワタが汚染物質のフィルターとなるわけだ。
命を惜しむ訳ではないが、なんとなくワタを敬遠している自分に気づく。 意気地のない話だが。
トラットリア・パッパでは、秋刀魚を三枚におろし、骨までカラリと揚げ、サンマの塩焼きパッパ風というメニューを
出す。ワタとワイン、調味料などで作るのか、このワタのソースが秀逸でパンで拭き取って食ってしまう。
先日、秋刀魚の塩焼きを食べていて、ワタの処遇に一瞬箸が止まった。
ワタの中に2cmに満たない赤い虫がいた。調べると、寄生虫ラジノリンクスだった。 うひょ~……
人体に悪影響なしと書いてあったが、これ見たらもうアカン、当分ワタなど食いたくなくなった。
結局のところ、ワタまで、なんて言ってたのは、海が汚れていない時代のものなのかもしれないなぁ。