勝福寺 Gikoohの日替わり法話

山寺の住職、Gikoohが日々感じたことを綴っております。
(プロフィール用の落款は天野こうゆう僧正さま彫刻)

重陽の節句

2020-09-09 21:41:13 | Weblog
昨朝、本堂の気温が1か月以上ぶりに25℃まで下がり、今朝は更に23℃と清々しい空気に包まれた。

さて、9月9日。今日は重陽の節句。菊は仁徳帝の頃、百済より菊を貢献されたとある。御室仁和寺に伝わる華道御室流では、この日は菊を生けるという伝花がある。菊は1年で9月が最も美しく綺麗で、菊の生命は「葉に力」があること、色は白色を最上とし、次に黄色、次に赤色と格付けがなされている

『御室流華道教書』(御室流華道総司庁)には、重陽(旧暦9月9日)は月と日と九陽の数に叶う故に重陽の節句といわれ、公事根源に「9月9日は節句して待れば菊花の宴行はる之を重陽の宴と申すあり」

古来、宮中においては菊の生命力に肖って、菊花を酒に浮かべて長寿を願う菊花の宴が行われ、これを重陽の宴といい、菊の節句ともいわれている。その後、人々に愛され続け、9月9日は「重陽の節句」として民間にも広まっていった。

※菊の花言葉は、明るい。高尚。

現在では、重陽の節句に「菊を愛でて長寿を願う」慣習は減少しているのかも知れないけれど、たとえ1人でも関心を持って頂ければ有難い。

因みに、掛け軸は故事「虎渓三笑図」。これも意味が深いので、いずれ絵解きをしたいと思う。

朝茶飲む 僧静かなり 菊の花(松尾芭蕉)
コメント
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