勝福寺 Gikoohの日替わり法話

山寺の住職、Gikoohが日々感じたことを綴っております。
(プロフィール用の落款は天野こうゆう僧正さま彫刻)

平賀石泉先生の角盆

2012-07-15 22:43:14 | Weblog
3連休の中日、総社は天候が回復したが30℃を超える真夏日となった。今年の梅雨は、例年にも増して集中豪雨による被害が各地で起こり、近年の異常気象が不気味でならない。

話題を変えよう。勝福寺では数日前から沙羅双樹が咲き始め、裏山では蜩が朝夕「カナカナ」と心地よく鳴き始めた。季節はそろそろ梅雨から夏本番へ移り変わろうとしている。

さて、倉敷市立美術館と岡山県立美術館へお貸ししていた角盆と茶合(木彫家「平賀石泉氏」)が先週戻ってきた。つい先日(5月22日―7月1日)まで県美で開催されていた岡山の美術特別陳列・岡山の木工芸「知らざれる名工と現代の匠たち」に、勝福寺からは鱖魚(けつぎょ)が偏刀彫で彫られた角盆と、鈴虫が彫られた茶合が出展された。

平賀石泉さんのことは林鶴山さんより度々お話を伺っていることも影響して、石泉さんの作品は何点か所蔵している。ここで、県美から会期中に出版されていたリーフレットを引用し、平賀石泉氏という人物を紹介したいと思う。

平賀石泉さんは明治15年(1882)倉敷生まれ。明治36年県立師範学校卒業後、味野龍王尋常高等小学校、天城高等小学校に勤務、同39年から昭和4年まで粒江尋常高等小学校校長となられた。その後、藤戸町収入役となるが2年たらずで退職、木工の道に専念され、また書画にも秀でられた。

石泉氏は鎌倉彫、偏刀彫を得意とされ、四君子や蟹や海老といった日常身近な動植物を題材にされることが多い。因みにこの角盆の木地は、林鶴山さんが若かりし頃に作られている。

Gikooh自身も石泉氏の作風がとても好きで、自然の美を深く観察され、それが見事に作品に反映されているので素晴らしいと思う。

昨日、今日、明日と法事があるので今夜はこの辺で。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする