見沼・風の学校プロジェクト
サバイバルキャンプ2013 企画書
見沼・風の学校 サバイバルキャンプ2013実行委員会
見沼サバイバルキャンプ2013実行委員長と
企画書を持ってさいたま市役所を回る
先ずはみどり推進課へそして環境共生課へ
企画書目次
●1 サバイバルキャンプの目的2
●2 2013年度のテーマ「強烈なサバキャン」
●3 企画の概要
●4 企画の詳細
●5 昨年度実績
●1 サバイバルキャンプ目的と概要
「見沼田んぼ福祉農園」ができてから実に15年が経過し、
その福祉農園で『見沼・風の学校』の活動は12年目を迎えています。
「見沼・風の学校」は12年間を通して、
土を通じた様々な出会いを繰り返し、
かつては学生中心であったスタッフも、
学生・社会人と関わる人の幅が広がりつつあります。
見沼との関わり方も週末の作業を中心に行いながら、
平日に作業を行う団体への参加など、
日々の関わり方が多様に広がり深まってきています。
多くの人々が「見沼田んぼ福祉農園」や
「見沼・風の学校」を通して見沼という場所に関わることで、
多くのものを感じ、学び、生きようとしています。
このサバイバルキャンプでは、一年間を通して継続的に土から学ぶこととは異なり、
1日という時間を見沼での生活として過ごすことで得られる何かを見出そうとしています。
また、月曜から日曜まで曜日によって関わる人々も様々である農園で、
ごちゃごちゃとした関係から、新たな学びを得ようとしています。
畑に流れる時間は止まることなくゆっくりと過ぎていきますが、
あえて「一週間」「一日」という時間の流れに着目し、
その多様で、多元的な空間の中で、見沼という場所・人に出会い、
学び、生きるという一つの流れを創りだそうとしています。
サバイバルキャンプは、
見沼田んぼを広大かつ多元的な空間としてとらえながら、
自らのつながりを知り、
見沼田んぼという場所で生きる様々な人やものと
連続した時間の中で出会うことで、
その場所で汗を流しながら体感することを目的としています。
一週間の見沼での生活を通して人のつながり、
土とのつながりを仲間たちと共有し、
共に生きることを知り、考え、実践していくことを目指しています。
●2 2013年度のテーマ「強烈なサバキャン」
サバイバルキャンプは、
真夏の一週間を農園で過ごしながら、
集中的に畑作業や大規模な整備作業を行うキャンプです。
猛暑の下での作業は過酷ですが、しかし作物や農園、
人にとっての過酷さは何か、
という問いを肌で感じる機会でもあります。
ただしこのキャンプは参加者に過酷さを強いるという趣旨はなく、
むしろ安全管理には十分に気を配っています。
何よりも農園開設以来一人も大きなケガや事故なく続けてこられた事が、
そのことを表しているでしょう。
農園では、年齢や出身、
障害の有無どれをとっても実に多彩な人々が耕し続けています。
だから絶えず強烈な出会いがあり、思いもよらない気づきがあります。
これは福祉農園という場所ならではの、ユニークなところだと思います。
今回サバキャンが注目するのは、農園にある様々な「強烈さ」です。
農園には多様な循環が流れています。
基本は土。無農薬の有機農業を基本として、
堆肥を作りながら自力で土の循環を作り出し、ずっと支え続けています。
地味だけど力強い支えです。農作業に関わる人の生活にも循環があります。
作物を育てながら、
自分が普段食べている作物のことを意識してみたりすることで、
自分を中心にした大きな循環を作っています。
さらに農園には、想像力を喚起させる場の力があります。
想像したものをかたちにしてみる。
形になったものが別の想像力や、意外な出会いを生み出す。
すると次なる想像力がかたちになる。
という風に、想像力にも循環があります。
そしてその新たな想像力を刺激するものは、
ふっと気づく時の強烈な感覚です。
農園ではそんな感覚を生み出すための環境、
言わば「想像力にとっての豊かな土壌」を絶えず作り続けています。
過酷さと闘うこと——限界に直面して闘う力は、
自分の生活を回すための基礎体力のようなもので、実は欠かせないものです。
今年のサバキャンは、過酷な環境のなかで、
一人一人が発見する強烈な気づきを大事にし、
農園を動かす動力へ変えていくことを目指します。
農園にある想像力の循環への強烈な一押しでありたい、
そして参加する人それぞれの肌に強烈に残るような
サバキャンでありたい、と願っています。
「気づき」は福祉の根本をなすものです。
わずかな気づきを拾って行く作業は、
福祉の生成する地点を辿る大事な作業でもあるからです。
今年の「強烈なサバキャン」がその為の大きな一押しとなって、
福祉農園の次の一歩を見いだしていくことを、大きな目標とします。
サバイバルキャンプ2013実行委員長 前久保 諒
●3 企画の概要
■開催日時2013年8月8日(木)~2013年8月14日(水)
■主催団体 見沼・風の学校
■開催場所 見沼田んぼ福祉農園およびその周辺
■参加者数(現時点判明分)
<全日程参加> 見沼・風の学校スタッフ/8名
一般参加者/13名
<部分参加> 見沼・風の学校スタッフ/27名 一般参加者/9名
※7月31日現在。なお、参加者は随時募集している。
■参加費 一週間参加/1万3千円 部分参加/2千円(1泊)
● 昨年度実績
サバイバルキャンプ2012「住処」は、
8月7日(火)〜13日(月)の一週間、
見沼田んぼ福祉農園とその周辺にて開催されました。
フル参加は10人と例年より少なかったですが、
総勢50名強の参加者がありました。
また、猛暑続きではありましたが天候には恵まれ、
事前に予定していた作業を全て行う事が出来ました。
日中作業では、
農園全体の除草作業をキャンプ前半に集中的に行いながら、
第二農園の竹小屋修理のための準備、農作業用の機械のレクチャーなどを行いました。
サバキャン中盤では近隣の農家さんへの派遣作業を行い、
日常作業の向上のために作業の技術を学びました。
後半では第二農園ビオトープの水路復元工事、堆肥場の切り返し作業、
馬糞堆肥の搬入など大規模な作業を行いました。
夜間では、本年のテーマ「住処」を切り口とした人類学的なレクチャー、
畑会議、派遣作業の報告会など、毎夜勉強会などを開催しました。
二日目に開催した機械メンテナンス講習では、
機械そのものが負っているリスクなどに注目する事で、
実践的に機械のこと、
機械を使うということについて考えルコとが出来ました。
また四日目では
福祉農園設立以前の農園代表らの話を交えながら、
福祉農園というものが今後果たして行く役割が何かを話し合いました。
キャンプ中は、農園を一週間の住処として捉え、
農園でどのように暮らせるだろうか?という問いを立てながら、
参加者それぞれの暮らし、
あるいは福祉農園があることで動く暮らしへと想像力を膨らませ、
日々の作業のなかで暮らしについて直面して考え行動していきました。
そうすることで、福祉農園が持つ役割、
福祉農園を通じてつながっている人との関係について気づき、
確認していくことが出来ただけでなく、
福祉農園と農園での日々の活動がもつ「場の強さ」を感じる事が出来たことは、
本年のキャンプの収穫でありました。
「見沼風の学校とは?」
『見沼・風の学校』は、
見沼田んぼ福祉農園(さいたま市緑区)を活動拠点とする
農園の若手ボランティアが結成したグループです。
見沼田んぼ福祉農園は、
埼玉県によって公有地化された農地を活用して、
障害者や健常者の枠を超えて農業を通じた、]
見沼田んぼの保全活動を実践する場として1999年に開園しました。
見沼田んぼは、
首都圏から20km圏に存在する貴重な農的緑地空間です。
田畑や農業用水、里山が組み合わさったその情景は、
埼玉の原風景の一つとされ、120万人都市さいたまの日常的なオアシスとして、
多くの人々に愛されています。
地域との連携と豊かな周辺環境を活用するその福祉農園のモデルは、
農業分野のみならず、福祉や環境、教育、
まちづくりといった観点からも全国的に注目され、評価されています。
見沼・風の学校 団体概要
事務所住所:330-0061 埼玉県さいたま市浦和市常盤10−9−15 Tel:048-832-5572/携帯090-6938-9211 E-mail:kazekoukou@ybb.ne.jp URL:http://h4.dion.ne.jp/~minukaze 校長:小松 光一 (大地を守る会国際部顧問) 事務局長:猪瀬 浩平 (明治学院大学准教授) 総括責任者:猪瀬良一(見沼田んぼ福祉農園代表) 見沼田んぼ福祉農園での農作業・農園整備作業(週末) 農的若衆宿(隔月) 「サバイバルキャンプ」(8 月上旬) 季節の催し物(見沼田んぼ福祉農園:お月見、収穫祭、年越し) 研究誌「見沼学」の発行(2004年度夏 創刊) ※「見沼学・みぬまNavi」は、見沼の「農」や「環境」をローカルに掘り下げながら、 見沼田んぼ福祉農園に集う者の実践や思索を共同し、 「文化の自給」を目指す雑誌です。 |