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ガザはどうなっているのか

2009-01-07 | 農作業
転送を歓迎します**   
ナブルス通信 2009.1.05号 とうとうガザへの地上侵攻が!1

    http://www.onweb.to/palestine/ Information on Palestine
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◇地上侵攻が始まってしまった
世界中からのガザ爆撃に対する抗議をよそに、3日夜(現地時間)、イスラエル軍はガザへの地上侵攻を開始しました。
「戦闘」が始まっているとニュースは伝えています。
胸がしめつけられる思いとともに思い出したのは、後に徴兵拒否をするイスラエル空軍兵士が手記で書いていた言葉でした。
「僕は軍パイロットとして、ガザにミサイルを落とすために出撃した。しかし、どこまで飛んでも、地上には戦車の一台もない。
相手は戦車も戦闘機も何も持っていないことに気づいたとき、自分は何をしているかと呆然とした」。こんな一文だったと思います。
現在、行われている「戦闘」というのも、
原始的な武器を持ったゲリラ相手にハイテク兵器装備の部隊が精度の高い殺戮マシーンをフル回転させ、
人口の密集地で何も関係ない人びとをも巻き込んで傷つけていくものでしょう。
地上侵攻後の様子は、まだ、それほどわかりませんが、ガザはイスラエル軍によって南北に分断されたこと、
侵攻後の犠牲者は殺された者が40人ほど――そのなかには一5人や12歳の少女、救急車の運転手が殺されている
――というようなことが伝わってきています。
夜通し響く爆弾の炸裂音のもと、逃げる場所もなく、150万人の人が死と隣合わせで生きています。
これを書いている現在、ガザでの犠牲者累計は、死者470人(AP通信などは500人)、
負傷者にいたっては2000人を軽く超えていることがわかっています。負傷者は重傷以上の人がカウントされています。
というのは、軽傷~中傷は病院が対応できなくて帰しているからです。
また、ガザへの空爆ではクラスター爆弾が使われたとマスメディアが報じています(クラスター爆弾禁止条約はどこにいったのでしょう?)。
さらに劣化ウラン弾の使用も疑われいて、現在、調査が行われています。
虐殺という言葉だけでは伝えきれない、ガザ総の破壊が進行しているように思われます。
なお国連安保理での緊急協議では、即時停戦要請に米国が反対して声明を採択できずに終わっています。(ナブルス通信)
(この間の流れなどは、P-navi infoをごらんください)

◇ガザからの緊急メール 
ガザ・アル=アズハル大のアブデルワーヘド教授からのメールは断続的に世界に届けられています。
現在、届いている最新のものを掲載します。
(翻訳:岡真理)
「ガザより22 緊急に!」2009年1月4日 13:12(現地時間)
毎分、爆発音が聞こえる。1回あるいは2回、3回のこともある。この状態ここ15時間以上続いている。
戦車、大砲、戦艦。UNRWA職員のフサイン・オーダ・アル=アイディ(58歳)が戦闘のまっただ中に釘付け状態にされている。
イスラエルの戦車複数が彼の自宅の周りを直径1キロ以上の円を描くように動いている。
彼は昨晩、10時半、砲撃を受けた。家族5人が重傷を負っている。だが、イスラエルの戦車以外、誰も彼に近づけない。
彼の家には電気も水も食糧もない。彼の家族たち、母親と彼の二人の兄弟の家族が一部屋にすし詰めになっている。20人以上だ。
フセインを緊急に援けなければ、そして怪我人を避難させなければ。 一連のメールは以下から読めます。
http://0000000000.net/p-navi/info/news/200901040217.htm
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◇イスラエルの嘘に抗するために
イスラエルによる虐殺が続いているというのに、この責任をハマスのせいにするというレトリックが相変わらず使われています。
ブッシュもそう言って、イスラエルに侵攻のゴーサインを出しました。
以下に、そのレトリックを考え直す文章を出します(「占領60年」とか粗い部分もありますが、基本的には間違っていないと思います)。
「イスラエルの嘘プロパガンダ・マシン全開」
2008年12月31日 スチュアート・リトルウッド
GlobalResearch原文
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=11560
翻訳:益岡賢
ガザへの残虐な攻撃が続く中、ロンドンのイスラエル大使館ウェブサイトに、
嘘のない行は一行とてないような要点説明文書が掲載されていることに気付いた。
西洋の主流派メディアはそれを垂れ流し、また、テレビやラジオの熟練インタビュアーも、その内容に疑問を呈しさえしない。
要点説明文書は、2008年12月27日付けでイスラエル外相ツィッピー・リヴニがイスラエルの記者団に語った声明の書き起こしである。
この日は不名誉な日として歴史に残るだろう。
この声明は、我々西側の人々だけでなくイスラエル市民をも騙すために使われるイカサマを極めてよく示している。
この声明はまた、イスラエルの政治体制による自己イメージが、不誠実さと欺瞞の上に成り立っていることも示している。
例えば:
・「イスラエル市民は永年にわりガザからの日常的な攻撃の脅威にさらされてきた。」
パレスチナ人は60年にわたりイスラエルの過酷な占領下に置かれてきた。
・「今週だけでミサイルと迫撃砲が数百発もイスラエルの民間人居住区に向けて発射された。」
カッサム・ロケットで死者が出るのは500発に1発である。
一方、イスラエルのハイテク兵器がガザの密集した都市や街に撃ち込んだ爆弾やミサイル、ロケット、擲弾、
戦車砲は何千発にのぼるのだろう?
・「これまで我々は自制してきた。けれども今や軍事行動以外に選択肢はない。」
イスラエルがとるべき唯一の合法的な選択肢は、国際法と国連決議に従って占領を終わらせ、1967年の境界まで退することである。
2000年以降、イスラエルはイスラエル人1人に対してパレスチナ人8人の割合でパレスチナ人を殺してきた。
子どもだけに限ると1人に対して12人である(ベツレムの数値)。これを「自制」と言うのだろうか?
・「ガザのテロ・インフラに軍事的反撃を加えることで、イスラエル市民を攻撃から守る必要がある。」
自衛権はイスラエルだけの権利ではない。パレスチナの人々も、同様に、イスラエルのテロ攻撃から市民を守る権利を有する。
・「イスラエルは平和のチャンスをもたらすためにガザから撤退した。」イスラエルはガザから撤退していない。
依然として、ガザの領空と沿岸水域を占領し、出入り口をべて制圧している。
「それに対して、ハマスというテロ組織はガザを制圧し、その市民を隠れ蓑としてイスラエル・コミュニティを意図的に攻撃し、
平和をもたらす機会をつぶしてきた。

ハマスは選挙で政権の座についたパレスチナの合法的な政府である。
イスラエルはパレスチナ人の人権を否定して、選挙によりパレスチナ人が行った選択を認めず、すぐさま選挙結果を抹殺しはじめた。
・「イスラエルは武力に訴えずに平静をもたらすあらゆる手段を講じた。
エジプトの仲介で停戦に合意したが、ハマスは、イスラエルを標的とし続け、ジラド・シャリットを拘束し、武装を続けて停戦を破った。」
これは驚いた。イスラエルが続ける包囲攻と経済封鎖は2006年前半にハマスが選挙で選ばれてからまもなく始まったもので、
平静な状態を作り出すとは程遠い。
また、イスラエルが拉致し投獄している9000人のパレスチナ人よりもシャリット1人の方が重要だと考えるのはどうしてだろうか? 
ハマスが政権の座についたとたん、イスラエル軍はハマスの閣僚8人と国会議員20人を拉致し、ハマス政府が機能できないようにした。
・「イスラエルは人道危機を回避し、パレスチナ人市民への損害を最小限に抑えようとしつづけている。」
ガザで活動しているすべての機関は、人道危機が深刻化していると警告を発し、とりわけ子供たち
----その多くは発育不全の様相を示している----の餓と苦痛をもたらしたイスラエルの経済封鎖に抗議している。
・「一般市民が被る苦みはハマスの責任だ。」
ジュネーブ第四条約によると、そうではない。
・「ハマスはイランの支援を受けたテロ組織で、パレスチナ民族の利益を合法的に代表するものではなく、
この地域の人々に平和をもたらすことを否定しようとする、イスラム過激派の政策を代表している。」
ハマスは前回の選挙でパレスチナの人々が選び出した組織である。
国際法のもとで、ハマスは、不法占領者と侵略者に対抗するために武器を取る権利を有する。
イランの支援を得ていたとして、それがどうしたというのだろう?
 イスラエルは米国から巨大な支援を得ている。
テロについて言えば、米国によるテロの定義に完全に合致するのはイスラエルの行為である。
これについてはブッシュの大統領令13224第3項を参照のこと:
http://www.treas.gov/offices/enforcement/ofac/programs/terror/terror.pdf

・「ハマスに対峙する一方、イスラエルは、二国家解決を信じ、アナポリスで始まった和平プロセスの文脈で、
合法的なパレスチナ自治政府との交渉に真剣に打ち込んでいる。」
イスラエルは現場で、有効なパレスチナ国家の実現を不可能にするような現実を不可逆的に作り出そうと献身している。
誰もが知っているように、
イスラエル政府は和平プロセスを否定して不法な入植地と不法な壁の建設を続け、パレスチナ人の住宅を破戒し続けている。
数カ月前、ハマスは、国連の諸決議に従って、国際的に承認された(1967年以前の)境界に基づくパレスチナ国家案----完全な主権を
有し、エルサレムを首都とする----を受け入れたが、この点は無視された。ハマスはまた10年間の休戦を提案したが、これも無視された。
それ以前に、オスロ合意の中でアラファトとPLOはイスラエル国家を承認したが、それが何かパレスチナに改善をもたらしただろうか? 
米国の支援を受けファタハに支配された今日のパレスチナ自治政府は、パレスチナの人々を代表していない。
・「テロと闘うイスラエルは、国際社会の支持と理解を得られるものと考えている。
イスラエルはまた、平和と共存の力により地域の将来を決することを望むすべての人々の利益を推進する。」

イスラエルは米国に次いで中東地域で最大のテロ実行犯であり、自分の利益だけを推進している。
西洋各国の政府にいるイスラエル・ロビーの傀儡からの支持は得られるかも知れないが、
それ以外の人々はどんどんイスラエルの政策を軽蔑し始めている。
以下は、2008年12月22日の声明から:
・「イランの支援を受けたハマスは、イスラエルの完全破壊を望むと繰り返し発言してきた。」
率先して破壊を行ってきたのはイスラエル自身であり、現在も、ハマスとガザの人々を完全抹殺しようとしている。
イランのアフマディーネジャードは故アヤトーラ・ホメイニの発言を引用して、
「エルサレムを占領している現在のイスラエル政府は歴史から消え去らねばならない」と述べた。
国連の分割案のもとでエルサレムはベツレヘムとともに「国際都市」と指定されたことを考えると、妥当なコメントである。
イスラエルのプロパガンダはこのイランの発言を「イスラエルは地図から抹消されなくてはならない」とねじ曲げた。
一方、シオニストの情報源やイスラエル諸政党のマニフェストは以前から、
イスラエルはパレスチナを地図から抹消する計画であることを明らかにしており、イスラエルの行動と嘘はすべてその目標に向かっている。
「・「我々はガザの人々と戦っているのではない。過激派のハマスと戦っている。」
だとすると、イスラエル海軍が自分の水域で漁をしていた平和的なガザの漁師を攻撃し発砲したのはどうしてだろう? 
なぜイスラエルはパレスチナ人学生が海外の大学で学ぶのを妨害し、
病院の備品や医薬品、食料、海外の医療関係者がガザに入ることを阻止しているのだろう?
イスラエル海軍が、ガザに医師と医薬品を持ち込もうとした慈善船舶を国際水域で妨害したのはどうしてだろう?
 つい最近、イスラエルの空襲はイスラミック大学と教育省に命中した。
これらはガザの市民社会とそのインフラを直接の標的とした攻撃である。
・「紛争を始めたのはハマスであり、双方の文民に出た被害の責任はハマスにある。」
紛争はユダヤ人テロリストが始めたもので、60年間続いている。紛争が始まったのはハマスが出現する数十前のことである。
・「イスラエルが唯一責任を負うのは、イスラエル市民の保護である。」
占領勢力として、イスラエルには、被占領地の人々が損害を受けないようにする義務がある。
・「イスラエルが自国の文民を守ろうとする一方、それに応じてハマスは彼ら彼女らを殺そうとする。」
逆のほうがはるかに現実に近い。「ハマスが自国の文民を守ろうとする一方、それに応じてイスラエルは彼ら彼女らを殺そうとする。」
・「ロケット攻撃は数年前から続いており、今や日常的となっている。
イスラエルがそれに対して自衛手段を講じるまでにどれだけ自制すると国際社会は考えるだろう?」
イスラエルが占をやめ、近隣の人々へのテロをやめるなら、ロケット攻撃も終わるだろう。
・「イスラエル南部では、イスラエル市民は毎日、ときによっては毎時間、空襲警報を聞いている。この状況は耐えがたい。」
その耐えがたさとて、ガザの人々の耐えがたい状況の半分にも及ばない。
ガザの人々はイスラエル軍の空襲と侵略の絶え間ない恐怖のうちに暮らしており、武装無人偵察機の絶え間ない偵察下に置かれている。
この武装無人偵察機は、イスラエル本部のひじかけいすからコンピュータ制御によってミサイルを発射することができる。
・「永年にわたり、国際社会はこの猛攻撃に見て見ぬふりをしてきた。イスラエルがロケットを阻止しようとしたときだけ、国際社会は気付く。
永年にわたり、国際社会はイスラエルが犯した国際法の侵害と人権侵害に目をつぶってきた。
問題が未解決のままなのは、そのためである。
・「ハマスはイスラエルの敵であるだけでなく、平和を信ずるパレスチナ人全員の敵である。」
イスラエルはパレスチナ人の民主的な選択を受け入れることができず、それを抹殺しようとしている。
・「平和の機会をすべて破壊したのはハマスの攻撃であってイスラエルの対抗手段ではない。」
世界は今やようやく、イスラエルがその人種差別主義国家を「大
イスラエル」に拡大するために必要な土地と水をすべて盗み取るまで平和を求めないことに気付いた。
イスラエルはその目的を達成しつつあり、邪魔は排除する決意でいる。
・「イスラエルが標的としているパレスチナ人武闘派はイスラエル人民の敵であるだけでなく、
国際法の規定する犯罪者であり、平和の敵である。」

イスラエルは国際法を説く立場はない
・「集団的懲罰とはどのようなものか? 
集団的懲罰とは、ロケットや迫撃砲により毎日毎日、街の学校や病院、住宅や民間人が爆撃されることだ。」
集団的懲罰とは、全住民を包囲攻撃し、輸出入を妨害し、インフラを破壊し、経済を壊滅させて子供たちを飢餓に追い込むことである。
ガザで起きていることがスデロットと同じだとするのは馬鹿げている。
・「今日、中東は過激派と現実主義者とに分断されている。
イランの支援を受けたハマスは過激派に属するため、中東の将来のために打倒しなくてはならない。・・イスラエル最大の目標は平和だ。」
イスラエル最大の目標は、西岸の占領を永続化し、ガザの人々を屈服させることでイスラエルを拡大することである。
この闘い最大のポイントは、イスラエルの不法で残忍な占領にある。
イスラエルはこの点への言及を避け、これを隠蔽するために多大な努力をつぎ込み、
自分たちが哀れな犠牲者であると仰々しく演出してきた。
公式声明(上記)が示すように、イスラエルの戦略は、真実を無視してイスラエルの都合のよいように状況を規定し定義することにある。
イスラエルは先端的なプロパガンダ技術と手の込んだイスラエル・ロビーのネットワークを使って西洋諸国の政治家とメディアを説得して
出来事のイスラエル版を受け入れさせ(さらにイスラエルが使う偏向した言葉遣いまで使わせ)、動機を問わせないようにしてきた。
政治的なPRとしてそれは大成功を収めてきた。
私自身の政府の間抜けた指導者達はその毒を喜んでまき散らし、イスラエルの攻撃とガザ
の人々の滅殺、分断、粉砕を止めさせることには関心がないようである。人道的なPRとして、これは破滅をもたらす。
この数日、私はBBCの熟練インタビュアーの放送を聞いていた。
誰一人として、イスラエルの報道官に対して、唯一の重要な質問をする根性を持ったインタビュアーはいなかった。
平和の鍵となるその「キラー」クエスチョン:いったいいつイスエルは占領を終わらせ、
パレスチナ人の土地と自由をパレスチナ人に返還するのか?
*スチュアート・リトルウッドは『ラジオ・フリー・パレスチナ』の著者。占領下に置かれたパレスチナ人の苦しみを伝えている。
*この文章は「益岡賢のページ」に掲載されている。
http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/places/gaza081231.html
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◇Information 紹介したいサイト1
【世界ではたくさんの人がガザ虐殺に抗議している】
・フォトアルバム
http://electronicintifada.net/v2/article10101.shtml
http://electronicintifada.net/v2/article10107.shtml
・動画集
http://illcomm.exblog.jp/9148168/
【パレスチナ人たちからの発言】(デモクラシー・ナウ日本語字幕つき)
http://democracynow.jp/subomov/20081229-1
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◇訂正
前号でイスラエルへの声の宛先の国防相をアミール・ペレツとボケをかましましたが、エフード・バラク(Ehud Barak)の誤りでした。
訂正してお詫びします。
通信は次の2へ続きます。
(編集責任:ナブルス通信 )
http://www.onweb.to/palestine/

ガザはどうなっているのか

2009-01-07 | 農作業
転送を歓迎します**   
ナブルス通信 2009.1.05号 とうとうガザへの地上侵攻が!2
  http://www.onweb.to/palestine/ Information on Palestine
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◇地上侵攻の犠牲者がどんどん増えている前の通信を作り終えた時点で、
一昨日の地上侵攻開始からの犠牲者が最低52人と増加しています(7人の子どもと2人の女性を含む)。
負傷者はわかっているだけでも182人。そのうちの26人は子どもです。
犠牲者が出ているのは、北のベイト・ラヒヤ、ガザ市内、ガザ中央部、南部のラファと、ガザ全域に及んでいます。
なかには、暖を取り、料理をするための薪を拾いに行って、父親と3人の息子、
そして従兄弟が殺されたという話もありました(アル・メザン人権センター調べ)。

爆撃が始まって3日目の29日に、イスラエル・ハアレツ紙の良心的な記者、
ギデオン・レヴィ氏は「私はイスラエル人が人道的にも道徳的にも一線を超え、合法性さえ失ったと思っています。
イスラエルがガザで行っていることは、身の毛もよだつことで、何の正当化もされません」と語りました(「デモクラシー・ナウ!」動画より)。
その状況がさらにひどくなっているのです。記者たちも限られた場所しか取材を許されず、
ガザの様子はガザにいる人が攻撃に耐えながら、電力不足と闘い、なんとか送ってきてくれています。
ガザに残っているわずかな外国人からのレポートを送ります。(ナブルス通信)

◇「私たちはここに残る」
――外国パスポート保持者、ガザにとどまることを決意2009年1月2日 ガザ ISM(国際連帯運動)プレスリリース
イスラエルは外国のパスポート所持者に対し例外措置として、安全のためガザを離れることを許可しているが、
ガザにとどまりパレスチナ人と運命をともにすることを選んだ外国人たちがいる。
アルベルト・アルケ(スペイン)は救急車に同伴して病院から報告を続けてきた。
「イスラエルはガザの人々に対して自分たちがおかしている罪を目撃されたくないのです。
国際ジャーナリストや支援団体はここにはいません。
ぼくらがガザを去ってしまったら、いったい誰が、ぼくたちが今、目にしているこの戦争犯罪を証言するのですか。
12月28日、ぼくは、ラマとハヤー・ハムダーンの二人の姉妹の瀕死の目を見つめました。
ラマは4歳、ハヤーは12歳、二人はイスラエルのミサイルに殺されました。
ぼくがそこに認めた彼女たちの人間性は、ぼくたちの人間性と何一つ違ってなどいない。
ぼくたちの命は彼女たちの命より価値があるのですか?」アルベルト・アルケ――国際連帯運動

パレスチナ系南アフリカ人のハイダル・イード博士は言った。
「これは歴史的瞬間だと思う。このガザの大量虐殺は、南アフリカで1960年に起きたシャープヴィルの大量虐殺と類似している。
この事件の結果、アパルトヘイトに対するBDS[ボイコット、投資引き上げ、制裁]キャンペーンが始まった。
2009年ガザの大量虐殺は、イスラエルのアパルトヘイトに対するBDSの運動をより激化させるだろう。
南アフリカのアパルトヘイトでは、BDSキャンペーンによってついにはネルソン・マンデラを監獄から解放することに成功し、
のちに彼は、民主的かつ多人種的かつ多文化的な南アフリカ共和国の、初の黒人大統領となった。だから、
イスラエルのアパルトヘイトに対するBDSキャンペーンも、すべての市民が平等に遇される一元的国家を生み出すにちがいない」
イード博士は、ガザのアル=アクサー大学の社会・文化研究の教授である。
彼はまた、イスラエルに対する学術的・文化的ボイコットのためのパレスチナ・キャンペーン(PAGBI)の実行委員のメンバーであり、
「民主的一国家」 One Democratic Stateグループの創設メンバーの一人でもある。

ナタリー・アブー・シャクラ(レバノン)は語った。
「彼らはレバノンでも同じことをしました。でも、レバノンでは、激しく爆撃されたところもあったけれど、安全なところもありました。
ガザでは、安全な場所などどこにもない。この人たちをどうして残して行けますか?生きるなら彼らとともに生きます。
それができないなら、彼らと死をともにします」ナタリー・アブー・シャクラ――国際連帯運動

「イスラエルが国際ジャナリストの[ガザ立ち入りを]禁じているために、ガザの声はさらに押し殺されてきました。
この地の現実を外の世界に発信することは、イスラエルによる攻撃の違法性に光を当てるために不可欠です。
私たちは最近になって救急車に同伴するようになりました。医療従事者に対する攻撃を報告するためです。
これはジュネーヴ協定違反です。苦しむ家族たちの姿を目にし、私もその苦しみを感じてきました。
彼らをおいて出て行くことなどできません。
すべての市民が、イスラエルの攻撃の前で身を守るすべがないのです。
私たちはとどまって、ガザの人々に対するイスラエルの攻撃の本質をあばき続けるつもりです」
ジェニー・リネル――国際連帯運動

「イスラエルは、ガザを離れることができる者を決めているだけではありません。
誰が入ることができるかも決めているのです。私は、家やモスクや大学が粉々に破壊されているのをこの目で見ました。
市街地でミサイル攻撃がどれほど人々を恐怖に陥れているかも分かりました。
死んだ子どもたちの姿も目にしました。家から30メートルのところをイスラエルが爆撃しているのに、
家のなかに閉じ込められてしまった家族が叫ぶのも聞きました。
ガザの人々、150万の人々すべてが、これらの違法な攻撃から逃れることができないのです。
私たちの命が彼らの命以上に大切であるなどということはありません。彼らが苦しんでいるかぎり、私たちはどまります。
彼らと連帯するために、そして、イスラエルが邪魔して外国のジャーナリストに公表されまいとしていることを報告するために」
エヴァ・バートレット――国際連帯運動

「ガザのパレスチナ人は、イスラエルが課している封鎖のせいで世界から孤立しています。
今、私たちにはここを離れる機会が与えられましたが、ガザの人々にそのような選択肢などないのです。
ガザの家族たちと連帯してここにとどまること、それはイスラエルの暴力がおぞましいまでに増大しているなかで決定的に重要なことです。
私は封鎖の影響をこの目で見ました。民間人に対して現在進行形で振るわれている暴力も見ています。
私たちはイスラエルの違法な政策の犠牲者たちの側に立ち続けます」 シャロン・ロック――国際連帯運動

「イスラエルによって犯されている人道に対する罪を耐え忍んでいるガザの人々と連帯して自分にはここにとどまる責任があると思います。
ガザの全住民に対するこの物理的、心理的、政治的戦争を止めるために国際社会が行動しないのであれば、
国際的監視者、ジャーナリスト、活動家がここガザにいなければならないのです。
私たちはこの目で見て、報告し、止めなければならないのです、どこであろうと、
ガザの人々に対してイスラエル占領軍がおかしている戦争犯罪を。イスラエルは人道に対する自分たちの罪を目撃されたくないのです。
でも、ガザの人たちは違います。彼らは言い続けています、「どうか、私たちの身に起きていることを世界に伝えてください、こんなことが起きるなんて信じられません」と。
彼らは最悪の事態なることを恐れています。誰もが脅え、恐怖に突き落とされています。
私はここを離れません。イスラエル占領軍こそ国際法に従って、パレスチナを去らねばならないのです」 
エヴァ・ジャシウィッツ――自由ガザ運動

「エレツ検問所は国際監視員や医薬品をガザに入れるために開放されるべきなのであって、〔私たちを〕外に出すためではありません。
私たちは、封鎖およびこの間の爆撃で死ぬ人たちをじかに見てきました。
イスラエルの違法な軍事行動によって私は大勢の友人をなくしました。
私たちはパレスチナ人と連帯し、この暴虐非道を報告し続けます。
国際的監視者である私たちには、
国際社会がイスラエルによるガザ攻撃の現実について知ることができるよう保証する責任があるのです」
ヴィットリオ・アッリゴーニ――国際連帯運動

国際人権活動家たちは、12月31日、
イスラエルのミサイルでインターンのムハンマド・アブー・ハセーラと医師のイハーブ・アル・マスーンが殺害されてから、
ガザ地区の救急車に同伴するという活動を続けてきた。
国際活動家たちはマスーン医師が亡くなったとき、ベイト・ハヌーンのカマール・アドァーン病院にいた。
ガザにとどまっている人権活動家たちアルベルト・アルケ(スペイン)、エヴァ・ジャシウィッツ(ポーランド/英国)、
ハイダル・イード博士(南アフリカ)、シャロン・ロック(オーストラリア)、ヴィットリオ・アッリゴーニ(イタリア)、
ジェニー・リネル(英国)、ナター・アブー・シャクラ(レバノン)、エヴァ・バートレット(カナダ)
*翻訳:岡 真理
Foreign passport holders in Gaza decide to stay- “We will not leave”January 2nd, 2009
原文:http://www.palsolidarity.org/main/2009/01/02/foreign-passport-holders-in-gaza-decide-to-stay-we-will-not-leave/
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◇「連中はもうどんなことをしてもいいと思っている」エヴァ・バートレット エレクトロニック・インティファーダ/Live from Palestine
2009年1月3日

直前のF-16の爆撃で煙と土埃がもうもうと舞い上がる中、必死に避難する一家がいる。
ジャバリヤのパレスチナ赤新月社(Palestine RedCrescent SocietyPRCS)の救急車受付には、
恐怖におののきながら家から避難する住民たちからの電話が殺到している。
新しい年。新たなナクバ(大災厄)。でも、この光景は目新しいものではない。
イスラエルは今またガザを爆撃し、世界はその横で、
ガザをぐるりと囲んでいる電流の通たフェンスや西岸地区を分断しゲットー化している壁とは無縁の、
安全なフェンスの上にのんびりと座っている。
のんびりと座って、
これまでの長期にわたる封鎖でほとんど死にかけていたガザの人たちをイスラエルが次々と虐殺していくのを正当だと言っている。
今夜は救急車4台に同伴。昨夜は2台だった。救急車は、できたての瓦礫の山を巧みによけながら、縫うように、
人為的に作り出されたゴーストタウンの中、明りのいっさい消えた道路(ガザ中の道が同じような状態だ)を走っていく。
こんなことはどう考えたってありえない、信じられない。皆殺しではないか。
「連中はもうどんなことをしてもいいと思っている。気が狂いかけているんだ」と救急スタッフは言う。
家の残骸、モスク、学校、店の残骸。パニック状態で、死ぬのだけは免れようと避難する住民たちの姿がそこここに見える。
前夜、またも多くの家が爆撃を受けて、今朝から、さらに大勢の人が避難を始めた。私も多くの残骸をまのあたりにした。
今朝、イスラエル軍が撒いたビラに、集団的懲罰として北部一帯を爆撃すると書いてあり、住民たちはそれを信じた。
今、ジャバリヤの複数のPRCSステーションにはどこにも明りはついていない。
つい先ほど停電してしまったのだ。寒さと闇の中、戸外の爆裂音はいっそう大きく響きわたる。
砲撃で立ち昇る刺激性の煙が空気を汚していく。
戦闘機と戦車とブドーザーと戦艦で完全に包囲されているという感覚がどんどん強まっていく。
ガザ攻撃の最新ニュースが流れる。ガザ市のパレスチナ・モスクの近くの孤児院が爆撃された。
次はパレスチナ・モスクだと皆が口をそろえて言う。すでに少なくとも10のモスクが破壊されている。
今日のイブラヒーム・アル・マカドマ・モスクの爆撃で死んだ人は11人、怪我をした人は50人。死者も負傷者も果てしなく増えていく。
北西部からの、そして、この救急ステーションから遠く離れた東部かの救助を求める電話は、
返事ができないままにやり過ごさなければならない。
救急スタッフはICRC(赤十字国際委員会)経由でイスラエル相手に調整をしなければならない。
なんと痛烈な皮肉だろう。占領者はガザから出る許可を与えず、占領者は侵攻し、その侵攻者は次々に人を殺し、重傷を負わせ、
そして、あろうことか、自分たちが殺し、怪我を負わせた人たちを救急車が搬送する許可を与える権限まで持っているのだ。
信じられないという思いが続いている。
重い爆発音とアパッチヘリのプロペラ音も、夜の闇に撃ち込まれる銃撃のスタッカートも、結末のわからないまま、
どことも知れない標的を直撃したミサイルの炸裂音も、何もかもが、だひたすら信じられない。・・・・・・
エヴァ・バートレットはカナダ人の人道活動家、フリーランサー。
2007年、西岸地区の各地に8カ月、カイロとラファ・クロッシングに4カ月滞在。
2008年11月に第3次フリー・ガザ運動の船でガザに到着したのち、現地にとどまり、国際連帯運動(ISM)の一員として活動を続けている。
現在、ISMメンバーは、救急車同伴活動を実施し、イスラエルのガザ空爆・地上侵攻の目撃証言を現地から発信している。
翻訳:山田和子
この文章は以下に掲載:http://palestine-heiwa.org/news/200901042326.htm

原文:"They know no limits now"
Eva Bartlett writing from the occupied Gaza Strip, 3 January 2009
http://electronicintifada.net/v2/article10106.shtml
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◇Information 紹介したいサイト2 (すべて日本語です)
【ガザ全面攻撃の背景にある基本的なこと】
・タリク・アリ、「ガザの灰から」 ……国際社会の欺瞞、ペテンだったオスロ合意、無視された民主的選挙、
ハマスの置かれた位置など、攻撃の背景に迫る。長文。
http://nofrills.seesaa.net/article/111941774.html
・サラ・ロイ、「もしもガザが陥落したら……」 ……ホロコースト・サバイバーの娘であり、占領下のガザの低開発状態を研究してきた
ハーバード大のサラ・ロイさんによるガザの封鎖状況についての詳細なレポート。
攻撃される前のガザを知る上で必見の容。長文。 http://nofrills.seesaa.net/article/111872671.html

【今回のガザ全面攻撃の裏側(イスラエルの動向)】
・「政争の具としておこなわれた計画的ガザ戦争」
……「選挙のための人気取り」としての攻撃を、イスラエル政界の内部からさらに具体的に考察した文章。
パレスチナ情報センター・スタッフノート。 http://palestine-heiwa.org/note2/200812300901.htm
・バラク・ラヴィッド、「6カ月前から極秘裏に準備が進められていたガザ全面攻撃」……イスラエルの有力紙、ハアレツに掲載された記事。
ガザへの全面戦争は、ハマスのロケット弾攻撃に対する「報復」という、イスラエルが主張する言い分とは異なり、
6ヶ月も前から周到な準備のもとに計画されいた。 http://palestine-heiwa.org/news/200901030059.htm

【ガザ全面攻撃を批判する視点】
・国連特別報道官、フォーク教授のステートメント ……この攻撃の前に、
イスラエルによって入国を拒否された占領地(パレスチナ)における国連人権特別報告者 、リチャード・フォーク教授によるステートメント。
簡潔に、イスラエル軍の国際法違反を指摘している。
http://nofrills.seesaa.net/article/112014475.html
・イスラエル政府に対する抗議声明……東京で12月30日に提出されたもの。
大事なポイントがぎっしり詰まっている。ガザ空爆に抗議する12.30緊急行動参加者一同による。
http://0000000000.net/p-navi/info/news/200812310102.htm
・「虐殺の論理」……「Arisanのノート」。虐殺を引き起こしている根っ子にあるものを考える
http://d.hatena.ne.jp/Arisan/20090104/p2

【停戦を求める署名】
・ラムゼイ・クラーク、ガザの即時停戦を求める国際署名開始……署名の内容、やり方などの詳細。
http://hope.way-nifty.com/a_little_hope/2009/01/post-d856.html
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◇虐殺を止めるために声を届ける
【イスラエル政府に対する英文サンプル】(前回よりも少し長いもの)
Dear *******
I am writing you to protest the massive attack on Gaza citizens by the Israeli Forces,
which started on 27th December 2008. Because of
the attack, more than 400 people in Gaza were killed and more than1000 people were injured so far.
This is a massacre of Palestinians.I urge you to immediately stop such a horrible atrocity.
Sincerely Yours, 名前
(上記の英文の邦訳)
******さま
私は、2008年12月27日からイスラエル軍がガザ市民に対して行っている大規模攻撃に抗議するためにこの手紙を書いています。
この攻撃により、現在まで400人以上のガザ住民が殺され、1000人を超す住民が負傷しました。
これはパレスチナ人に対する虐殺です。このような恐ろしい蛮行をすぐにやめるように、訴えます。敬具
名前

宛先:http://palestine-heiwa.org/misc/kougi.html
(*国防相Amir Peretzを、Ehud Barakに差し替えてください)
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(編集責任:ナブルス通信 )http://www.onweb.to/palestine/