梅雨頃だったか
ふと目に止まった新聞記事が
仕事で知り合った
記者の記事だった。
記者はたいてい1年くらいで
担当が替わる。
各地を転々としながら
時間があってないような
日々を過ごしている
彼らは本当に大変だと思う。
去年大阪にいたと思ったら
今年は神戸
来年は京都に行くといった具合だ。
その新聞記事を書いたのは
3年前に
わが社の担当で
とてもお世話になった
人情派の記者だった。
記事の末尾の名前の上に書かれた所属では
けいはんな支局にいることになっている。
とはいえ、それも梅雨前のことだから
今頃はまた異動して
高校の未履修問題などを
担当しているのかもしれない。
さて、その記事というのが
ご当地の名所旧跡などを
いろんな記者が
交代しながら紹介するシリーズ記事で
立派なお腹を抱えていたその知り合いの記者は
ご当地の旧跡にまつわる
食べ物を紹介していたのだ。
そのひとつがこの寺。
酬恩庵一休寺。
このお寺は京田辺市にある。
あの、トンチ問答で有名な
一休禅師が晩年を過ごした寺だ。
このお寺で有名な食べ物が
古来の製法で作られた
一休寺納豆
本堂の玄関で
試食品を振舞ってくれた。
これが
全然粘りがない納豆で
大豆を発酵させた
すっぱい黒い豆なのだ。
しかし
そこはかとなく
伝統の味がする。
これも、ずっと受け継がれてきた文化なんでしょうな。
お寺で毎年仕込みを
しているのだそうだ。
お土産に小さいのをひと箱買った。
「冷蔵庫に入れると、硬くなって
食べられなくなりますから注意してください。
そのままでも10年は持ちます」とのこと。
納豆の画像は、また開封した時にでも・・・。
お寺の最奥部にこんな橋がありました。
しゃれてるなあ。
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そこを後にして
次に向かったのが
10円玉に刻まれた世界遺産
平等院
ここは、特に何の宗派というお寺ではなく
仏の救済は平等にある
ということからこの名がついたらしい。
なかなか端正な建物です。
でも、今回訪れた目的は
このお堂に安置されている
阿弥陀如来でも
屋根で羽ばたく
鳳凰でもなく
うなぎ
だった。
先の記者がシリーズで
もうひとつ書いていたのが
平等院近くの
宇治川沿いにある
茶店で売られている
鰻いいむし
(みかんは比較のため置いたもの)
山椒ご飯に鰻の白焼きを載せ
竹の皮で包んだものを
店先の蒸篭で蒸しただけの
シンプルな食品。
昔は、宇治川の鰻で作っていたそうだが
このご時世
名物ものは大量にさばかれるため
それだけじゃとてもまかなえず
今は琵琶湖産の鰻を使っているらしい。
きっと、厚みのある立派な竹の皮も
中国産だったりするのだろう。
文化も継承していくのは大変なんですな。
山椒がピリッと利いた
もち米の薄味と
鰻のうまみが絶妙に絡み合った
なかなかの味でした。
実は、わたくし、ほとんど好き嫌いは
ないのですが
何ともよくできた話、鰻と納豆が
苦手なんです。
したがって、今回は
苦手克服の旅
とあいなった次第です。
あんなに嫌いだった
鰻も
空腹でいただいた「いいむし」は
とてもおいしゅうございました。
ただ、帰り道に
息や手や口の周りから
そこはかとなく
漂ってきた香りには
少し、生臭さが・・・
苦手克服も
もうひといきですな。
だれぞおいしい鰻の店を
教えておくれ~
助走付けたら、飛び越えられそうですよね
「橋」も「端」も、「渡らず」に済みそうです