ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

皆生劇場 スイム編

2008年07月22日 22時56分48秒 | トライアスロン

「スイムで何があったのか?!」

くろうとクンがコメントに書いていたが
結論から言えば
何もなかったのだ。

ただ、自分の力不足です、
と答えるしかないなあ。

これから書くスイムの物語は
苦手ゆえにオーバーな表現も
ままあるかもしれないが、
そこはそれ、
そんな水泳下手な
選手が書いているんだということを
ゆめゆめ
忘れないで読んでちょーだい。

では、皆生劇場、スイム編の
はじまりはじまり~。


それは2008年7月20日の朝のこと・・・

スタート地点の日野川河口に集まった850人。
その選手たちの最後尾に立ち、
台風余波のうねりだろうか、
白波となって次々と押し寄せてくる波のように、
僕の胸には
ここに来るまでの日々の記憶が
次々と押し寄せてきていた。

決して万全ではない体調で、
二年ぶりに皆生に挑む勇気を
打ち砕くかのような、
波とうねりと、灼熱の予感の中で
かろうじて自分を支えていたのは、
家族に支えられながら18年間
この競技と向かい合ってきた
トライアスリートとしての矜持と、
はるばるこの地まで
応援に駆けつけてくれた友人たちへの
感謝以外の何物でもなかった。

スタート1分前

横に立つ、皆生初挑戦のT蟹クンと

「ゴールで会おう」

と固く握手を交わし、
ホイッスルの音で一斉に泳ぎ始めた。



まるで、
大海に挑む小船のような気分で。

最初の左ターンまで350m。
まっすぐ泳いでいるつもりでも
左に曲がる癖があるので、
右外から出発したけど
すぐに左サイドのコースロープに
張り付くように泳ぎ始める。



大きなブイを超えて
左に曲がった頃から、
うねりはあるが、
このままあとは我慢の時間を
過ごせばいいのだと、巡航状態になる。ホッ

後尾を泳いでいると、
周りは泳ぎに自信がない者ばかりだから、
前を横切るように蛇行する選手、
後ろからぶつかってくる選手等がいて、
このあたりもある意味バトルがある。

3回に一回くらい(3の倍数回ごと)に
ヘッドアップ(アホみたいに顔を上げ)しながら
コースを確認すると、
コースロープにつけられた
オレンジのブイが前方はるかかなたまで続いている。
見るたびにげんなりするが、
コース確認のため見ないわけにはいかない。
そのうち、
ヘッドアップのたびに擦れる首筋が
ウェットずれをおこして痛みだしたので、
ヘッドアップの回数を
4回に一度くらいに減らした。

そうしているうちに、
ようやく折り返しのアドバルーンが
見えてきたが、
そのあたりがもっとも恐怖の時間だった。

掻いても掻いても前に進まない。

ヘッドアップ時の景色が
全然変わらないのだ。
そこで、
後のことを考えて温存している脚力を
この時ばかりは動員して、
バタ足もフル稼動。

ようやく中間の上陸地点に上がったときは、
平衡感覚も変で
立つのもままならない。

この時点ですでに、
49分が経過していた。
後でわかったけど、
この時すでに10人くらいはゴールしていたんやね。

横にいた年配の女性が

「間に合いますかねえ」

と話しかけてくる。

「大丈夫、帰りはきっと追い波ですよ」
と自分に言い聞かすように
励ましてあげたよ~。

確かに流れはあったが、
後半うねりが大きくなってきて、
そちらの影響が強く、
木の葉のように翻弄されながら泳いだ。

ようやく最後の大ブイを右折して、
陸を目指して泳ぐようになる。
いつもならこの時点で
皆生ゴールを確信するほど
バイク、ランには自信があったのだが、
今回ばかりはそうはいかなかった。
バイクも、ランも
ぎりぎりのところにいることは
わかっていたし、それは
あとでいやというほど
痛感することになるのだ。

フラフラした足取りでスイムゴール。


うれしそうやけど、いっぱいいっぱいね

上陸したのは、
スタートして1時間33分過ぎ。

さあいあくう

手はすっかりふやけていたが、
実はうねりの中で
酔うとともに海水をいっぱい飲んだので
内蔵も含め、身体、心までふやけきっていることに、
このときはまだ気づかないでいた。

トランジッションで
残っているバイクを数えると
約25台。

もうほとんど終わりやん。

毎度のことながら
修学旅行のクラスバスに
置いていかれたみたいな
そんな寂しさを
今回も味わったなあ。

ひと気のすっかりなくなった
更衣テントで着替えて
それでも負けじと
意気揚々とバイクに出発した、
ところまではよかったのだが・・・。


地獄のバイクパートに続く。


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1 コメント

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プールとオープンは別物ですな (くろうと)
2008-07-23 22:27:44
> 木の葉のように翻弄されながら
この表現、何気に面白いですが、
広い海からしてみたら人間なんて
ちっぽけな存在なんだと思わせる一句ですな
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