どうせ何をしても
故障している膝の痛みがなくならないのなら、
このあとレストステーションで休憩できることだし、
走れるうちに走って
貯金を作っておこうとやけっぱちで頑張ってみることにしました。
55km 56分01秒
54kmのレストステーションで
シャツとパンツと靴下を着替え、
おにぎりを食べてのんびりした。
60km 32分37秒
スピードを上げたのが良かったのか、
膝の感覚がなくなり、痛みもマヒして軽くなる。
一時、前のランナーが見えなくなるほどまばらになる。
65km 35分21秒
同じペース、同じ歩幅、同じ姿勢を維持。
ここが正念場と大事に大事に走る。
遠雷の音が聞こえ、小雨ぱらつくも、寒気はなし。
70km 36分25秒
手は?動いているぞ。
脚は?よしよし動いているぞ。
あと30km、完走の灯がすこしともった。
サロマ湖が左に大きく開ける。天気回復。
75km 38分52秒
椅子に座ってお汁粉を食べ、
ボランティアの人とホンのひと時の談笑。
背に受けた声援が前へ押してくれているようだった。
80km 36分05秒
サロマ最大の山場、原生花園に突入。
メンバーとすれ違い、
もう一人はすでに8時間台でゴールしているだろうと聞く。
ゴールという響きがうれしい。
85km 35分49秒
コース横の草むらに二匹のキタキツネの子どもを発見。
花も咲き乱れている。
この光景は一生忘れないだろうと思った。
90km 35分54秒
折り返しでスイカを種ごと食べる。
種を出す力が惜しい。
そして間もなく最後のメンバーとすれ違い、
お互い「全員完走」を確信した。
95km 38分06秒
辛さを越えて、苦しさを越えて、
喜びの感情がじわじわ顔を見せ始める。
体力はすでにゼロ。
あとは気力と自分に言い聞かせる。
ゴール 39分50秒
夢にまで見たゴール。
今までで一番長かった一日の終わり。
派手なガッツポーズをしようと思っていたのに、
手はあまり上がらなかった。
結果 11時間44分27秒。
総合396位 種目別351位でした。
これが完走証
以上が当時書いて残してあった記録からです。
ウルトラの完走のためには
あきらめないことが大切です。
人間の限界は自分が思っているより
ずっと先にあることを肝に銘じて、
走り続ければ必ずや夢はかなうでしょう。
このあとdoironは、
トライアスロンにのめりこんでいき、
10時間を超える大会をいくつも経験した後、
10年後に再びサロマのスタート地点に立ちました。
その時の記録は10kmごとのラップでしたが、
書きためた感想も残っているので
次回はそれを紹介しましょう。
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