先日おかしな虹を見た。
これ。
一見太陽に傘がかかったように見えるが、
写真ではわかりにくいけど
確かに色がついている。
ちょっと変で、
不吉な気がするなあと思っていたら、
その二時間後に知り合いが亡くなった。
今日はその告別式であった。
暑い中、汗をかきかき喪服で見上げた空に、
一本の筋雲が浮かんでいた。
空が奏でた一瞬の表情は
その人の思いだったのかもしれないなあ。
空に浮かぶ虹の記憶は、
そのとき、そのとき、
折々の心を浮かび上がらせる。
学生時代、北陸に住んでいたのでよく虹を見た。
天気の悪い日の多かった北陸は、
虹の名所なのだと、doironは思っている。
ちょうど雲のかかる北陸の山々に
夕日が注ぐからだろう。
実家に帰省して、
下宿に帰るとき、
日本海を走る列車の中から見た
北陸の山々によくかかっていた虹は、
ふるさとへの郷愁をかきたてたものだった。
また、初めて上った3000m峰の山頂で見た、
ブロッケンの虹には、
大自然の神秘を
感動的に味わわせていただいた。
そして萩を旅したときに、
千畳敷高原から見た
日本海上空の虹の切れ端も忘れられない。
そこは250kmマラニックの中間地点で、
同じ景色でも
実際のレースの時にへとへとになって味わう景色とは、
全く違った景色に見えるもんだと考えていた。
もちろん空が魅せる表情は
たまに出る虹だけではない。
青空にぽっかり浮かぶ白い雲も
よく詩の題材になったりするほど
ちっぽけな人間の心を震わせる。
空の表情は見る人の心象を反映して、
雄大にも見えるし悲しくも見えるものだ。
時にはポカーンと空を見上げて、
その表情を通じて自分を見つめるのも
いいかもしれませんねえと
亡くなられたMさんのご冥福を祈りつつ
告別式の式場の空を見上げながら
ぼーっと考えていた
不謹慎なdoironなのであった。
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