雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

「茶の湯」の密室 神田紅梅亭寄席物帳

2018-03-05 16:28:12 | 

愛川晶著"「茶の湯」の密室 神田紅梅亭寄席
物帳"を読みました。
高校の事務員をしている平田亮子の夫は真打ちの
落語家の三桜亭馬伝です。
馬伝の師匠の馬春は脳血栓で倒れましたが4年後に
復活して時々高座に上がっています。
馬伝は推理力があります。
馬伝よりも馬春の方が推理力は優れています。

"「茶の湯」の密室"
福井県いわき市の仮設住宅のある場所へ馬伝らは
落語の慰問に行きました。
馬伝は茶の湯を演じることにしました。
隠居が買った家には茶室があり茶道具もありました。
隠居は茶をやってみることにしました。
青黄粉にムクジロを入れて茶だと言って飲みました。
おかげで小僧共々お腹を壊しトイレへ通う羽目に
なります。
観衆は高齢者が多い中、十代の女性が前の席で
笑いもせず睨みつけるように聞いていました。
終わった後で出会った彼女は茶の湯の話には
矛盾がいっぱいあるといいます。
馬伝は考えます。
指摘された矛盾点を解決した話に変えて演じます。

亮子は同僚の昭江先生に茶の席へ招待されました。
マンションを改造して茶室が作られています。
猫はいないはずなのにトイレを借りると猫がいました。
その時ブレーカーが落ちたのか家は明りがありません
でした。
この謎はいったいなんだったのでしょう。

"横浜の雪"
寿々家竹馬が企画して三人の若手落語家が三つの
お題をもらって新作落語を発表することになりました。
寿々家竹二郎は竹馬の弟子でしたが4年前に不祥事を
起こして破門されました。
竹二郎がもう一度弟子にして欲しいと竹馬に申し入れ
ました。
竹馬は馬伝が新作落語の発表会で勝ったら再入門を
許すと言いました。

前の話に登場した若い女性の美雨が東京へ出てきて
紅梅亭で馬伝の話を聞いて弟子にして欲しいと
いいます。

竹二郎が兄弟子の竹也とスナックで飲んだ後、家に
帰り子猫4匹と母猫を殺し公園に埋めているところを
警察に捕まりました。
彼は意識がなく覚えがありません。

馬伝は新作落語にこの事件を盛り込んで作りました。
ところが怪我をしてしまい出られなくなってしまいます。
弟子のしくじりは師匠の責任と馬春が登場します。

落語の薀蓄はおもしろいです。
とはいっても聞いてみようとまでは思わないんですよね。
すみません。
誰が演じても同じ話なら同じ内容なのだと思って
いましたがそれぞれの人の解釈によって微妙に
違っているものだなんだて思いませんでした。