石持浅海著"凪の司祭"を読みました。
須佐達樹は会社に努めながら夜や休日にレストランで
働いています。
いずれ田舎に帰り両親の食堂を継ぐ予定です。
婚約者の篠崎百代も将来に備え喫茶店で働いています。
達樹はゲリラ豪雨に気づかず地下の店に雨がなだれ込み
溺れて亡くなりました。
百代は店の常連に達樹が死んだのは、汐留に建ったビルが
海風を遮ってゲリラ豪雨の原因になったからだと聞きます。
多数の死者を出す事件を起こせばビルは取り壊されるかも
しれないと聞き、百代は決行することにします。
化学工業の研究員の藤間、大学の経営学部の助教の池田、
狙ったショッピングセンターアルバ汐留に出店している
店の社長の冬実、総研の木下、医学生の三枝の五人が
五人委員会となって百代を助けました。
実際に手は出しませんが、体に付いただけで死亡する毒の
作り方、使用の仕方、アルバ汐留の構造などを百代に
指南します。
実行時に五人は現場にはいない予定でしたが木下が殺されて
いるのを見つけて四人は百代を止めようとアルバ汐留に
行きます。
しかし百代はすでに開始しており四人は巻き込まれてしまいます。
、
こうして百代は二千人以上を殺戮していきます。
百代は恋人を失って心がおかしくなって物の見方が狭くなり
こんな非常識なことを犯してしまうということは
あるかもしれません。
しかし思慮のある五人が後押しすることには疑問が残ります。
中の数人は自分の欲望のために利用したといえます。
残りの人たちは自分の手は汚していませんが、罪深いです。
現実には一人対何万人でみすみすやられてしまうとは思えません。
たぶん数人を殺められるだけでしょう。
しかしこんなことが、できてしまうかもしれないという感じは
受けました。
実行犯が一人でなくグループだったらどうでしょう。