雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

八朔の雪 みをつくし料理帖

2010-04-09 20:40:37 | 

高田郁著"八朔の雪 みをつくし料理帖"を読みました。
先日読んだ"花散らしの雨"の一巻目です。
8歳の時に川の氾濫で両親を亡くし、料理屋天満一兆庵の
御寮さんに出会い店で働くようになった澪の過去が
語られます。
天満一兆庵が火事となり、江戸にいる息子をたよって
主人、御寮さんと澪が大阪から出てきたこと、江戸の
息子が行方不明になっており、主人が亡くなってしまいます。
蕎麦屋のつる屋の主人と出会いそこで働くようになります。
医師の源斉や武士の小松原が澪たちを助けてくれたり
見守ってくれます。
大阪の味と江戸の味はずいぶんと違うようです。
江戸の人の口に合う味を求め努力と新しい発想で
人々に受け入れられる料理を作り続けていく澪です。
有名料亭登龍楼に味を盗まれたりまねされたり
いやがらせされたりしあげくの果てに放火されて
つる屋は燃えてしまいます。
一時はがっくりしてやる気を失うつる屋の主人種市ですが
澪のがんばりにおされて新しくつる屋を始める
決意をします。
どんな苦しい状況に陥っても負けずに這い上がってくる
澪の生き方は気持ちいいです。
一巻はここまでです。

料理の研究に没頭する場面がいいです。
いかにもおいしそうです。
出てくる料理は"ぴりから鰹田麩"、"ひんやり心太(ところてん)"、
"とろとろ茶碗蒸し"、"ほっこり酒粕汁"です。