神永学著"浮雲心霊奇譚 妖刀の理"を読みました。
"赤目の理"の続編です。
浮雲は幽霊がみえます。
八十八や伊織、新太郎も登場します。
伊織と兄の新太郎が夜道を歩いていると叫び声を聞きました。
辻斬りに斬られた人が倒れており側に痩せた老人が立って
いました。
その人は消えてしまい幽霊だと気づきました。
浮雲に相談しますがなかなか腰を上げません。
新太郎は幽霊に憑かれたのか夜になると姿が消えます。
斬られた左門は心外流道場の道場主の息子です。
父又衛門は亡くなりました。
幽霊となっているのは又衛門です。
彼は剣のことだけ考え家族をないがしろにしたことを
悔やんでいます。
深見新左衛門は妻と医者を殺し自分は腹を切り庭の沼に
浮かんでいました。
蔵屋の番頭の喜助と浪人の大治郎はこの沼の側を通った時に
幽霊を見、大治郎は殺されました。
幽霊ということで浮雲が嫌々引っ張り出されました。
蔵屋の主の甚蔵は行方不明です。
娘のお久には薬売りの松吉という恋人がいます。
甚蔵はかつて新左衛門と商売上の付き合いがありました。
廃屋となった屋敷には沼から這い出る老人の絵が架かって
いました。
狩野游山の絵です。
彼もこの事件に関わっていました。
足繁く通った遊女に身請け話を持ち掛けたらけんもほろろに
断られた男に虚無僧は刀を差しだしました。
妖刀を振りかざした男が暴れて女に襲い掛かろうとしました。
浮雲の知り合いの女の玉藻が取り押さえました。
刀を持った男の下にはいくつもの遺骸が転がっている、そんな
絵が見つかりました。
狩野游山の絵です。
やはり話は浮雲の所へ持ち込まれました。
刀の名は村正です。
游山は八十八の元にも現れもう少しで刀を手にする所でした。
浮雲と游山との闘いはまだまだ続くようです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます