雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

きつね日和 人情処 深川やぶ浪

2018-09-03 21:00:00 | 

倉阪鬼一郎著"きつね日和 人情処 深川やぶ浪"を
読みました。
シリーズになっています。
やぶ浪は浪介とおぎんの夫婦が営んでいます。
浪介は昔は武士でした。
浪介は十手を預かっていますが、そちらは
神棚に置いたままで名ばかりです。

"きつね日和"
出前を担当しているおしげが同じ長屋のおちかに
仕事をさせてくれないかと頼みます。
おちかは近く隣町のかざり職人の善吉と結婚
することになっています。
結婚の費用の一部にしたいということです。
おちかには兄の寅太郎がいます。
寅太郎は一時博打にはまっていたことがあり
妹に心配をかけました。
箪笥でも買ってやりたいと関宿の普請場に
行っています。
寅太郎の一番の好物がきつね蕎麦です。
寅太郎が帰ってきましたが、様子が変です。

"思い出桜"
有森与平次は大奥の調理に携わっている
御賄方の役人です。
やぶ浪の常連です。
武士であることを鼻にかけず皆と楽しく
食事していました。
浪介に料理の勘所をつたえてくれもしました。
有森が仲間に抱えられて店にやってきました。
病気で、これが最後の訪れになるだろうと見て
とれました。

"江戸土産"
信濃からやってきた平吉、おせんの老夫婦が
やぶ浪で蕎麦を食べました。
聞こえてきた話では末の息子の末吉を探しに
やってきたということです。
江戸で出会った人の話では深川で一番の蕎麦屋を
やっているということです。
探す手助けをしようと人相を聞いておきました。
その人相にそっくりな人物が蕎麦を食べにきました。
その恰好はとても有名な蕎麦屋をやっているとは
見えません。

やぶ浪に集う人々が出会ったいろいろな出来事です。
現実味がない話もありますが気楽に楽しめる本です。