ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

日帝時代の朝鮮詩から、祖国喪失の哀しみと憤りを読みとれるか? <金素雲・藤間生大の論争>再考①

2010-07-10 23:56:06 | 韓国の小説・詩・エッセイ
 懸案のネタの1つをようやくupします。
 6月21日の記事で紹介した1970~74年発行の「朝鮮文学」の中で、とくに興味を持った朝鮮詩論争についてです。

 「朝鮮文学」(第2号.1971年3月)に、<随想>という分類で掲載されている梶井陟「金素雲・藤間生大の朝鮮詩論争」という記事でこの論争の梗概を知ったのですが、じつは以前に読んだはずの林容澤「金素雲『朝鮮詩集』の世界」(中公新書)にもこの論争について30ページ分も記されていることに少しあとになって気づきました。

 この論争のポイントを略述します。
 金素雲は、朝鮮近代詩の名訳と定評のある「朝鮮詩集」の訳者、藤間生太(とうま・せいた)は唯物史観に立脚した古代史学者で「倭の五王」(岩波新書)等の著書があります。

 まず、藤間生太が「民族の詩」(東大新書.1955年2月)で「朝鮮詩集」をテキストに、たとえば林龍喆や異河潤の詩から日本の植民地支配の厳しさを読みとっています。
 今は荒れ果てた故郷を偲んだ林龍「ふるさとを恋ひて何せむ」の冒頭、
 ふるさとを恋ひて何せむ/血縁(ちすぢ)絶え 吾家の失せて/夕鴉ひとり啼くらむ/村井戸も遷されたらむ」や、異河潤「無縁塚」の第三聯、
 「国道の/拓かれてより かの塚の/押し潰(くず)されて/後もなく、・・・」
の詩句中、<村井戸>が遷されたり<国道の拓かれ>たりしたのは、「悪逆残忍な日本帝国主義の植民地統治が行ってきた開化政策の産物」であると解釈するわけです。

 これに対し、翌1956年6月に金素雲が「憶測と独断の迷路 藤間生太氏の『民族の詩』について」という論文を「文学」に発表しました。
 それは、次のような厳しい一文で始まっています。

 「朝鮮の詩と詩人について一人の歴史家の手でなされた荒唐無稽な憶測と独断-しかもそれは朝鮮民族への悪意からなされたものでなく、善意のヴェールを纏うがゆえに、その是正と解明に一層の困難を感ずるのである。」
 さらに金素雲は「(村井戸は)「日本帝国主義」の侵略がなくとも移るべき理由があれば移るのである」等々、藤間の解釈を個々批判しつつ、「ふるさとを懐かしむ詩なら世界中のどの国にもあるが、朝鮮の詩だけが、なぜ、こうまで大問題を胎み、深刻にして悲痛なる結論と結びつかねばならないのか」と反問し、藤間氏の所論をドグマであると結論づけています。

 藤間生太は、1ヵ月後の「文学」8月号(1956年)に反論を寄せています。
 要点は、次の通りです。
・文学作品は一度できあがれば、作者の手をはなれる。
 ・抒情詩も、創作としてつくられるかぎり、本質的なものはあらわれる。民族性というものが抒情詩にはあらわれるはずはないという証拠はどこにもない。

 以上がこの論争のあらましですが、私ヌルボが数ヵ月前に「朝鮮文学」を読んで初めて知った時、ふと思い起こしたのが「徒然草」中の「丹波に出雲といふ所あり」という話です。
 神社の狛犬が外向きになっているのを見て、何かいわれがあるに違いないと涙まで流した上人が神官に由来を聞くと、実は子供のいたずらだったというもの。

 いかに的外れの誤解・曲解でも、人は自分の見たいように見てしまいがちだし、そして感動までしてしまうということです。
 ただ、「徒然草」のこの段はとても可笑しかったですが、朝鮮詩論争は笑えませんでした。

 そして、単に藤間生太のような解釈は、一笑に付してオシマイ、というものではなく、現時点でも関連する諸問題はあると思われます。それもかなり厄介な問題・・・。そして、金素雲の方にも問題がなかったともいえないようです。
 具体的には、次回に回します。

 このテーマについては、今後数回続く予定です。
 予告編として、上記の林容澤の本から引用します。
 「韓国の近代望郷詩は、望郷というテーマの抒情性と祖国喪失の寓意性が入り交じった形のものが多く、その解釈をめぐって今も議論が続いている場合が少なくない。・・・李陸史の「青葡萄」は、その好例といえる。」

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7月10日(土)、どこに出かけようかな? 韓国関係の催しいろいろ

2010-07-09 23:53:20 | 韓国関係の雑情報
 私ヌルボ、このところ土日の方が忙しいようです。といっても、自分で忙しくしているだけですが・・・。あ、それと日頃仕事に専心していないとか(?)。

 先週の「週刊金曜日」の市民運動案内板のページをみると、7月10日(土)の東京都の催しで、韓国関係のものが3つも載っていました。

①「東アジアの太陽信仰にみる三本足のカラスと龍」
  講師:萩原法子(文化庁文化審議会専門委員)
  15時~17時、高麗博物館(新大久保駅)
  1000円(入館料含む)


 ・・・・<三本足のカラス>といえば、韓国ドラマファンには「朱蒙」でおなじみ。また時節柄の話題でいえば日本サッカー協会のシンボルマーク。さらにそのモトはヤタガラスですね。えっ、龍も関係があるんですか!? 

②「フォーラム 植民地主義と女性」
  問題提起者:津島佑子、朴裕河ほか。
  13時半~14時45分、江東区東大島文化センター(地下鉄東大島駅)
  500円


 ・・・・賛辞だけでなく日韓双方から批判もあり、話題となった「和解のために」の著者朴裕河先生の話は直接聞いてみたい。

③ドキュメンタリー映画「弁護士 布施辰治」上映会」
  14時半~16時半、あうる  すぽっと(豊島区立舞台芸術センター)会議室B(地下鉄東池袋駅)
  1000円


 ・・・・布施辰治については、以前高麗博物館で展示をやっていましたね。厳しい時代にあって、こういう気骨のある弁護士がいたんですねー。

 ①~③、どれも行ってみたいという気にはなりますが、あいにく時間も重なっているし、どうしたものか思案のしどころ。それ以外にも全然やるべきことがないわけでもないし・・・。

 この記事をご覧になった方で、ヒマな方で、時間的に間に合う方はぜひ行ってみてください!(もっと早く記事にすべきだったですね・・・。)
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韓国ドラマ「英雄時代」を読み解く[12] 日帝時代の朝鮮の妓生と検番など

2010-07-08 23:57:26 | 韓国ドラマ
 ドラマ「英雄時代」。日帝時代のヒロインは何といってもソソンですね。
 テサンの幼なじみで将来を誓った女性。しかし父親と死に別れ、京城に行って妓生になります。

 第6話では、<妓房(기방)>という言葉を字幕では遊郭と訳していました。
 かと思えば、第9話では<検番(검번)>育成所と訳しています。
 ソソンが筆を持って「無汗不成」と書いていますが、会話の中で「京城には、ここ(朝鮮検番)以外にも4箇所(←3箇所の誤りでは?)の育成所がある」、「数百人の妓生にも等級がある」という説明がありました。
 第11話では「朝鮮検番」という看板が映し出されていました。
 さらに第13話では会話の中で「(妓生は)大同検番、漢城検番、朝鮮検番、漢南検番、87人もいますよ」という説明もありました。

 私ヌルボがひっかかったのは検番を育成所と訳していたこと。
 たしかに、訳しにくいジャンルでもあるし、時代も変わって、日本人でも検番を全く知らないか、聞いた言葉であっても意味を正確には知らない人がほとんどでしょう。
 実はヌルボも後者で、なんとなく置屋のことだろうと思っていたのですが、必ずしもそうともいえないようです。置屋を統括する所、というケースもあるそうです。

 日本統治の時代の朝鮮の検番はどういうものだったか、韓国のサイトを探すと、<草麗의 역사사랑>というサイト中に詳しい説明がありました。長文ですが、翻訳してみました。

 日帝強占期(일제강점기←よく使われる言葉)に、妓生たちが妓籍を置いていた組合で、朝鮮時代の妓生庁の後身である券番(권번)があった。検番(검번)または券班(권반)とも書かれたが、ソウルには漢城券番•大東(大同?)券番•漢南券番•朝鮮券番、平壌には箕城券番などがあり、その他釜山、大邱、光州、南原、開城、咸興、晋州等にも各々券番があった。
 この券番では童妓に歌や踊りを教えて妓生を養成する一方、妓生たちの料亭への出入りを指揮し、彼女たちの花代(화대←そのまんま)を受け渡す役割も担当した。当時妓生たちは許可制になっていて、券番に籍を置いて税金を納めるようになっていた。これらの券番妓生は他の妓女たちとは厳格に区別されていた。
 1941年まで平壌には妓生学校があった。妓籍に籍を置いて歌を歌って人気を集めた人物としては鮮于一扇(선우일선.ソヌイルソン)왕수복(王壽福.ワン・スボク)がとくに有名だった。彼女たちが歌を吹き込むために平壌からソウルに来る時は、レコード会社幹部たちは人力車をソウル駅に待機させておいて勅使のような接待をした。日本にある録音室で吹き込みをして帰ってくる時までは、歓待は並大抵のものではなかった。
 また1940年代大衆歌謡界を牛耳った李花子(이화자)は券番所属の妓生ではなく、一般遊興街の酒場出身で、天賦の資質と大きな影響力をもった1936年に登場した歌手だ。
 わが国の初期大衆音楽界に妓生たちの活躍が目立った理由は、いわゆる「タンタラ(딴따라.音楽関係の芸人に対する蔑称)」という賤視意識によって一般人たちは歌手になるという考えを最初から退けていたので、レコード会社も自然に芸能に素質がある妓生に関心を持つ外なかったのである。


 ・・・やはり、たしかに歌や踊りを教えたりして妓生を育成する所ではあるわけですが、それを<育成所>と訳してしまうと、なにか重要なもろもろがあらいざらい振り落とされてしまうような感じがしますねー。意味が今ひとつ(それ以上?)わからなくても、検番は検番のままの方がいいような気がします。

 さて、(日本の)視聴者のおそらく皆が感じたであろうことが、相思相愛のテサンとソソンの結婚を認めようとしないテサンの父親の頑迷さに対する憤り、そしてソソンがかわいそう、という同情心ではないでしょうか?

 日本でも昔から芸能に携わる人々に対する差別は長く続いてきましたが、朝鮮でも同様、あるいはそれ以上だったかもしれません。
 日本の場合木戸孝允、伊藤博文、陸奥宗光等々芸妓を妻にした政治家の例は何人もいましたが、朝鮮の身分の高い男性が妓生と結婚するということはとても考えられないことだったようです。また、このドラマのように、いくら貧乏暮らしをしているとはいえ両班の家柄の跡取りが妓生と結婚するということも、1940年頃でもありえなかったということで、テサンの父親がとくに頑迷だったということではないと理解すべきでしょう。

 なお、川村湊「妓生-もの言う花の文化誌」(作品社.2001年)によれば、「私が「妓生」の歴史を調べてみたところ、参考になる先行文献は李能和の「朝鮮解語花史」という本しかなかった」とのことです。
 つまり、久しく朝鮮・韓国では、妓生を学問の対象に設定すること自体が忌避されてきたということのようです。
 それはちょうど、日本で芸者についての本格的な学術書が書かれなかったということと同様の背景があった、ということと相通じるものがある、ということです。
 ※この件については、<犬鍋のヨロナラ漫談>を参照のこと。
  →(1)(2)(3)(4)(5)(6)
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鉄腕アトム+ミッキーマウス → アトマウス

2010-07-07 13:41:42 | 韓国の芸術
 今日7月7日は、①誰でも知ってる七夕 ②知らない人が多い盧溝橋事件(1937年) ③私ヌルボも知らなかったグスタフ・マーラーの誕生日 です。 ③はともかく、②を知らない人が多いのは歴史教育とか歴史認識の問題でしょうか。

 さて、昨晩KBS1ラジオの教養番組「シン・ソンウォンの文化を読む(신성원의 문화 읽기)」を聴いていたら、李東起(イ・ドンギ.이동기)というポップアート作家の作品展を紹介していました。

 この作品展については、ちょうど昨日、Innolifeのサイトで紹介されていました。
 「Bitter sweet」展と冠された作品展で、6月24日から1カ月間ソウル清淡洞ギャラリー2で開かれているとのことです。

 イ・ドンギの作品は、日本でも2005年の「AniMate。~日韓現代アートに見るアニメ的なもの~」(福岡アジア美術館)と、2008年の個展(クムサンギャラリー東京)で紹介されてきたそうですが、私ヌルボは彼のことを知りませんでした。

 このラジオ番組を聴いていると、「アトムとミッキーマウスを結合させたアトマウスで旋風のような人気を引き起こした」とのこと。
 ネット検索してみると、ありましたよ。たとえば下のような作品。

     

 イ・ドンギとアトマウスについて「朝鮮日報」は2008年次のように記しています。

 イ・ドンギにも先駆者として経験しなければならなかった無理解の時期があった。
 初めは大きな反応がなかったが、2000年代に入ってから本格的な反応が来た。
 「今はポップアートブームがおこっているが、当時はポップアートに対して深みもなく芸術性もない作品だと評価されるだけでした。アトマウスが初めて登場した時は、美術作品ではなくマンガと言われたんです。」
 彼は非常に平気な表情で言う。なんだか彼の絵の中アトマウスが作るそんな表情だ。丸い頭とそっていないひげまでもいたずらに見える姿。その自分が‘大人になった男の子’かも知れない。地下鉄の乗り換え通路に彼のアトマウスシリーズが設置されたことがあった。


       

 ・・・つまり、韓国でアトマウスはよく知られたキャラクターのようですね。そして作家イ・ドンギは韓国ポップアートの旗手。
 その彼の今回の作品展は<アトマウスを除いた>新作を披露するとのことで注目されているようです。

 別のキャラクターの結合というと、<サザエボン>がよく(?)知られていますが、<サザエボン問題>なんかも起こっているようで・・・。
 案の定、嫌韓っぽいサイトではアトマウスに対する厳しい記述もいろいろあるようです。

 なお、イ・ドンギ自身のサイトは→コチラ。内容豊富です。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[7月2日(金)~4日(日)]

2010-07-06 19:10:42 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 3日続けて記事をupできなかった理由。その5はいくつか抱えている記事ネタがどれも重たい(いろいろ調べた上でないと書けない。) その4は昨日一昨日と連続して映画を観てきた。「立ちあがるイラク帰還兵」「息もできない」(2回目)です。「息もできない」では、あとの方で幼い兄妹が出てくるのですが、その男の子の名が主人公と同じサンフンということに気がつきました。
 理由その3は、申京淑「どこかで私を呼ぶ電話のベルが鳴って(어디선가 나를 찾는 전화벨이 울리고)」がいよいよ佳境に入ってきて・・・、いやー、おもしろいというか、深いというか、今180ページくらいですが、これからどう展開していくのか・・・。
 理由その2は仕事が忙しい、理由その1は3日のハシゴ酒で二日酔い状態だったので・・・。

   ★★★ Daumの人気順位(7月6日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①裸足の夢(韓国)  9.6(520)
②ヒックとドラゴン  9.4(639)
③ゴッドファーザー  9.4(147)
④チャイニーズ・オデッセイ2  9.4(198)
⑤聴説  9.3(141)
⑥詩(ポエトリー)(韓国)  9.1(428)
⑦チャイニーズ・オデッセイ1  9.1(55)
⑧小さな池(韓国)  9.0(222)
⑨僕のヤクザみたいな恋人(韓国)  8.9(509)
⑩特攻野郎Aチーム THE MOVIE  8.8(329)

 若干の順位変動はありましたが新登場はありません。

【専門家による順位】

①下女(韓国)  8.8(5)
①白いリボン  8.8(5)
③ゴッドファーザー  8.6(6)
④詩(韓国)  8.5(10)
⑤ハハハ[夏夏夏](韓国)  7.7 (10)
⑥ヒックとドラゴン  7.6 (9)\t
⑦僕のヤクザみたいな恋人(韓国)  7.5(4)
⑧大いなる静寂  7.5 (2)
⑨ゴーストライター  7.3 (8)
⑩パンジャ(房子)伝(韓国)  7.0 (7)

 「下女」と並んで新しく「白いリボン(하얀리본)」が入り、以下1つづつ順位が下がりました。
 「白いリボン」は独・仏・オーストリア合作で、監督は「ピアニスト」のミヒャエル・ハネケ。2009年カンヌ映画祭のパルムドール受賞作。第一次大戦前のドイツ北部のある田舎の村で連続して起こる男爵一家がらみの不気味な事件が、モノクロ映像で描かれる・・・。日本では10月公開予定だって!? これは早く観たいなー。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[7月2日(金)~4日(日)] ★★★
         「砲火の中へ」が200万人突破!

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・週末観客動員数累計・・・・観客動員数・・・・上映館数

1・・シュレック・フォーエバー・・07/01・・・・・・・・・680,537・・・・・・・・・・・・・・・751,905・・・・・・・627
2・・ナイト&デイ・・・・・・・・・・・・・06/24・・・・・・・・・426,532・・・・・・・・・・・・・・1,330,144・・・・・・・491
3・・砲火の中へ(韓)・・・・・・・・・06/16・・・・・・・・・370,154・・・・・・・・・・・・・・2,435,806・・・・・・・515
4・・破壊された男(韓) ・・・・・・・07/01・・・・・・・・・345,891・・・・・・・・・・・・・・・430,320・・・・・・・438
5・・パンジャ(房子)伝(韓)・・・・06/03・・・・・・・・・117,940・・・・・・・・・・・・・・2,856,044・・・・・・・350
6・・・スプライス(Splice)・・・・・・07/01・・・・・・・・・・74,555・・・・・・・・・・・・・・・・・87,189・・・・・・・136
7・・裸足の夢(韓)・・・・・・・・・・・06/24・・・・・・・・・・70,344・・・・・・・・・・・・・・・・265,574・・・・・・・322
8・・フィリップ、きみを愛してる!・・06/24・・・・・・・・70,344・・・・・・・・・・・・・・・・265,574・・・・・・・322
9・・特攻野郎Aチーム・・・・・・・・06/10・・・・・・・・・22,872・・・・・・・・・・・・・・・・762,792・・・・・・・100
10・・セックス・アンド・ザ・シティ 2・・06/10・・・・・・7,077・・・・・・・・・・・・・・・・390,464・・・・・・・・20

 初登場1位は人気CGアニメのシリーズ第4弾。日本公開は12月18日って、遅!
 3位「砲火の中へ」は「パンジャ伝」に続いて200万人の大台を超えました。
 4位は韓国題「파괴된 사나이」。Innolifeのサイトだと<ハードボイルド&ヒューマンドラマ>という分類。牧師チュ・ヨンス(キム・ミョンミン)の5才になる娘が誘拐される。チュ牧師は神に祈るが、結局娘は帰ってこない。ところが8年後、信仰も家族も失った彼に、一通の電話がかかってくる・・・。牧師が登場する韓国映画は多いですね。
 6位は、カナダ・米・仏の合作映画。遺伝子操作で生みだした人間のクローンを軸にした、アンモラルかつセンセーショナルなSFホラー。今年のサンダンス映画祭で話題になった作品とのこと。日本公開未定。
 8位は米仏合作のコメディ。日本ではめずらしく韓国に先がけて3月の公開されてます。韓国題は単に「필립모리스」。
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<飲み屋談義> 日韓を分ける24年差の歴史

2010-07-02 20:56:01 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 以前、政治家間の低レベルの論議に「床屋政談」との批判があり、それに対して床屋さんたちが抗議をしたことがありました。
 数十年床屋に行っていない私ヌルボは、昨今の<床屋政談>のレベルは知りませんが、飲み屋での談論風発は日常茶飯のことです。

 今回のテーマは政治ではなく歴史なので、<飲み屋史談>とでもしておきましょう。談論の相手はお酒の好きなTヒョン(兄貴)。イザベラ・バード「朝鮮紀行」をヌルボより先に読みきった彼から出た言葉が、日本と韓国の間の20数年という時代の差
 実はヌルボも、「朝鮮紀行」を読んで以来、その<20数年>という年差が脳裏を行き来していたので、思わず声を上げてしまいました。
 「えっっ、Tヒョンも同じこと考えてたの!?」

 話の流れに沿って説明すると次の通りです。
 イザベラ・バードが朝鮮を訪れたのが日清戦争(1894~95)前後。
 おりしも、当時の朝鮮は日本と結ぶ開化派政府によって近代的諸改革(甲午改革乙未改革が進められていた頃。
 その内容というのが、近代的な内閣制度の導入、租税の金納化、拷問や連座の廃止等の司法制度の近代化、近代的な警察・軍事制度の確立、度量衡の統一、太陽暦の採用、小学校の設立、そして金弘集政権の文字通り命取りとなった断髪令

 ・・・つまりは、日本史では明治維新期に打ち出された諸政策と軌を一にしている、ということです。
 その年差を比べると、たとえば日本の断髪令は1871年で、韓国の断髪令は1895年。→24年差です。

 1988年、ソウル五輪の時、ヌルボはまだ1度も韓国に行ったことはありませんでしたが、1964年の東京五輪当時の日本と共通する雰囲気を感じました。→24年差です。
 1992年初めて韓国の地を踏み、とくに地方を旅した際、なんとなく懐かしさを覚えたものです。日本では20年ほど前までに失われた風景がここにあるという感じで・・・。

 日本の近代の幕開けが1853年のペリー来航だとすれば、朝鮮の場合は1875年の江華島事件でしょうか? →これは22年差です。

 文学関係では、日本の新体詩の最初は1882年の「新体詩抄」。韓国は崔南善による「少年」の創刊号で1908年。→26年差。近代小説の方はというと、日本が1885年坪内逍遥の「当世書生気質」、韓国は李光洙「無情」の連載開始が1917年。→これは32年差

 ・・・とこうしてみると、パトリオティズム、ナショナリズムの高揚についても日韓の年差を思わざるをえません。
 今の時点でみると、韓国の人たちの愛国心の強さたるや、日本の比ではなく、ずっと昔からそうだったと思ってしまいがちですが、必ずしもそうでもないのでは?
 日本では、開国による経済の混乱等もあって排外的な攘夷運動が起こります。明治に入って、民権運動の後期の1885年頃、時代は民権から国権へと推移していき、日清戦争の時は官民うって一丸となって愛国心のカタマリとなって打倒清国に全身全霊を傾けます・・・。
 このような日本のナショナリズムの形成を朝鮮史に平行移動すると、壬午・甲申事変→日韓併合の前後→三一独立運動とほぼ重なります。

 日本の場合、このようなナショナル・アイデンティティの創出が近代国家建設の原動力ともなり、ひいては(かろうじて)世界の先進国の一員に滑り込みセーフとなったわけですが、韓国にとっては20数年の遅れが致命的になって植民地化されてしまった・・・・。

・・・と、これが飲み屋史談の骨子ですが、学問的裏付けは何もありません。
 ことのついでに戦後についていえば、先の五輪開催以後、90年代の民主化の進行とともに、韓国では日本の70年代以降の、軽く明るい、都会の一人暮らしの若者文化に代表されるような世相・社会の変化が進んでいるようです。
 さらに、この際付記しておきますと、サムスンの特集が載っている「ZAITEN」という財界誌の6月号を見ていたら、「韓国のGDPを見ても、25年前の日本の水準だ」とありました。

 飲み屋史談にしては、ちょっと熱が入りすぎちゃいましたね、ははは。

※蛇足ですが、20余年進んでいるといっても誇るべきことではありません。また遅れているからといって他を低く見るような人は、むしろ時代からずいぶん遅れている人とみるべきでしょう。

※7月3日の付記
・日本の最初の鉄道は1872年新橋~横浜間で開業
・朝鮮最初の鉄道は京仁鉄道(京城~仁川間)で1900年開業。→28年差
  ただ、開業の前段階で敷設権等をめぐっていろいろ手間取った。

→関連記事<日韓を分ける24年差の歴史>の淵源
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今夏~秋、日本公開の韓国映画と、公開希望映画

2010-07-01 23:44:39 | 韓国映画(&その他の映画)
 「息もできない」「クロッシング」以降、これは観るゾ!という韓国映画がどうも見あたらない状態だったのが、シネマコリア等の情報によると夏から秋にかけて、韓国での昨年の大ヒット作や話題作の上映が予定されています。

 10月9日から岩波ホールで「冬の小鳥」という映画がロードショー公開されます。
 昨年10月韓国公開の韓・仏合作映画。私ヌルボの記憶にないタイトルだったので調べてみたら、すると韓国題は「旅行者(여행자)」。・・・ということなら、このブログでも昨年11月10日の記事で紹介しました。
 今年カンヌ映画祭出品の韓国・フランス合作映画で、1970年代に父親により孤児院に捨てられた9歳の少女が養子にもらわれるまで、新たな人生に葛藤し適応していくなかでの感情を描いた、ウニー・ルコント監督の自伝的な作品。東京国際映画祭でも最優秀アジア映画賞に選ばれたのですが、私ヌルボは残念ながら見逃してしまいました。新人少女俳優のキム・セロン、「グエムル 漢江の怪物」の少女役で光っていたコ・アソン、ソル・ギョング等が出演していています。
 英語タイトルは「A Brand New Life」。これがなぜ「冬の小鳥」になるんですかねー?
 トレイラーは・・・→コチラです。

 昨年の大ヒット作といえば、まず「海雲台(해운대)」。これが「TSUNAMI ツナミ」というタイトルで9月25日(土)から全国ロードショー。(内容的に、真夏に公開した方がいいと思うのですが・・・。)
 公式サイトを見ると、なかなかの大迫力。 ツナミは海溢(해일.ヘイル)という韓国語もありますが、映画では쓰나미(ツナミ)と言ってます。韓国googleでのヒット数は해일が250万、쓰나미が70万くらい。

 7月24日(土)からシネマート新宿で上映の「グッドモーニング・プレジデント」も昨年のヒット作。チャン・ドンゴンファンならずとも注目。→公式サイト

 同じく7月24日(土)から、シネマスクエアとうきゅう他全国ロードショーというのが「パラレルライフ」。韓国題は「평행이론(平行理論)」2月23日の記事でけっこう詳しく紹介しました。ちょっとオタク趣味的映画かな?
 →公式サイト

 9月下旬からシネマート新宿、シネマート六本木他で公開の「美人図(미인도)」は2008年の作品。
 主人公の女性は、兄シン・ユンボク(申潤福)の代わりにこっそり絵を描いてあげている末の妹ユンジョン。いろいろあって(ネタバレは避けます)、彼女は絵のために女性を捨ててシン・ユンボクとして生きるようになる。
 ・・・・ドラマ「風の絵師」をご存じの方は「あれー?」と思うでしょう。たしかに、アイディアは少し重なってますよねー。

 ところでですねー、上記以外に、日本で一般公開してほしい韓国映画はた~くさんあります。
 まず第一に「キングコングを持ち上げる」(2009)。そして「海雲台」と並ぶ大ヒット作の「国家代表」(2009)。

 ミニシアター系の韓国映画では、「木のない山(나무 없는 산)」(2009)とか、この5月公開の「ママ&パパ(마마 앤드 파파)(2010)。「あの月が満ちる前に(저 달이 차기 전에)」(2009)は2004年中国の上海汽車の傘下に入った双竜自動車の労働争議を追ったドキュメンタリーですが、日本で上映しても採算がとれませんか?
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