犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

妓生/キーセン~もの言う花(1)

2006-11-24 07:54:03 | 慰安婦問題

 文芸評論家,川村湊の本に『妓生-もの言う花の文化誌』(作品社,2001年)というのがあります。

 その本によると「儒教文化が支配していて,歌舞芸能,女性,遊蕩などに関することがらは,知識人たるもの口にすることもけがらわしいことで,ましてや文章として記録に残すことなど忌避された」ために,現在まで朝鮮,韓国で妓生について書かれた歴史の書物は,李能和『朝鮮解語花史』(1927,東洋書林),ただ一冊だけで,それ以後のものは,ほとんどがこの本からの孫引きだそうです。

 川村氏は,その他,日帝時代に発行された「妓生名鑑」のようなカタログ,絵はがき,雑誌など,独自のコレクションも惜しみなく紹介しながら,妓生の歴史を新羅時代から説き起こし,日帝期,さらには現代のキーセンたちに至るまで詳述しています。
 妓生のすべてがわかる「妓生百科」ともいうべき労作です。

 中身はこのブログでおいおい紹介していくつもりです。

 この本はその後,2002年に韓国でも翻訳されました。

『もの言う花-妓生』(ソウル,ソダム出版)

 訳者は柳在順(ユ・ジェスン)。彼女は女性ルポライターで10年以上日本に滞在しているようです。田麗玉(昔はKBSのキャスター,今は国会議員)のベストセラー『日本はない/イルボヌンオプタ』は,盗作だと騒いで自ら『下品な日本人』を著しましたが,こっちはあまり売れなかった。
 韓国文壇の大御所,李文烈が序文を寄せているなど,文芸評論家川村の韓国人脈の厚さを思わせます。


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4 コメント

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私も (misuk)
2006-11-25 01:55:31
川村さんの著書は、ドラマ「ファンジニ」の
影響で取り寄せて読んでいるところなので、
おいおいの記事、楽しみにしています。^^
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黄真伊 (犬鍋)
2006-11-25 02:11:06
今、日本で放映されてるのですか?

たいへんな才女だったようですね。
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いえいえ。。 (misuk)
2006-11-25 13:23:53
韓国サイトのネット視聴してます。
9割がた言葉の意味が解りませんが、
なにしろすごい気迫で演じられている
ファンジニで、目が釘付けです。
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水木ドラマ (犬鍋)
2006-11-26 13:04:57
こちらでは水曜、木曜の夜やってるようですが、その時間はたいてい飲んでるので見られません(笑
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