ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国のベストセラー漫画(2012年11月) [教保文庫の1~20位]

2012-11-04 17:49:02 | 韓国の漫画
 前回、韓国のベストセラー漫画についての記事を載せたのがいつだったか見てみたら、2011年8月。<デジタル漫画奎章閣>のサイト中にあるランキングをそのまま「韓国漫画編」「外国漫画編」(※すべて日本漫画)
に分けて紹介しました。

 それからもう1年以上も経ってしまったんですね。・・・ということで、久しぶりに最新情報をお知らせします。
 しかし、前の記事に記したように、<デジタル漫画奎章閣>のランクは何に基づいているかがよくわからず、大手ネット書店の<YES24>のランキングと照らし合わせてみると、「ビミョー以上に違いがあるような」感じもあるので、今回はその<YES24>のランクを紹介することにしました。

 ・・・と、ここまで書いて、その<YES24>の漫画ランキングを見て「ありゃ??」と少々ビックリ!
1位が이시부미 이치에이 저/미야마 제로 그림「하이스쿨 DxD 5」となっている。つまり石踏一榮:作、みやま零:画「ハイスク-ルD×D」でないの! これってライトノベルじゃん。(←ヌルボは横浜人) さらに下を見ていくと、10位には마츠 토모히로(松智洋):作、나카지마 유카(なかじまゆか):画「아빠 말 좀 들어라! 8(パパのいうことを聞きなさい 8)」というのもあります。
 <YES24>の「漫画」の内訳を確かめてみると、教養・恐怖・純情・アクション・歴史等々19種のジャンルがある中で、最後に「라이트노벨(ライトノベル)」なんてちゃーんと入ってる・・・。
 これは日本人の感覚とはちょっと違うんでないの !?

 ・・・と思いつつ、今度は<教保文庫>の漫画ランキングの方を見たところ、コチラにはラノベはなし。念のため「小説」のジャンルの中を見てみると、コチラに「라이트노벨」が入っていました。

 そういうわけで、今回は<教保文庫>の週間漫画ランキングの1~20位を紹介します。20作中、韓国の作品が11で、半分以上になっているのはめずらしいかも・・・。

①ユン・テホ(윤태호)「未生(미생):未だ生きられない者 1(아직 살아있지 못한 자 1)」
     
 ユン・テホは、映画「黒く濁る村」の原作漫画「苔(이끼)」の作者。
 この作品は、囲碁の1989年の第1回応氏杯で、薫鉉9段(韓国)と聶衛平(中国)という当時の韓中の第一人者が対決したことが背景になっているそうです。
 主人公は幼い時から町内の囲碁教室に通い、両親の期待を受けてプロ棋士だけを目標に生きてきた青年。11歳の時棋院に入ったが、7年後父の事業は傾き、彼もプロ入りに失敗。結局、学歴は検定試験の高卒のみで趣味・特技もない彼がどんな会社員生活を送るか・・・、というのがこの漫画の基本設定。

②ユン・テホ(윤태호)「未生(미생):未だ生きられない者 2(아직 살아있지 못한 자 2)」
 プロ棋士を目指したもののかなわなかった会社員の主人公。小心で内省的なように見えて、実は内に勝負師魂を秘めていた・・・。・・・ということで、会社員たちの共感をよんでいる漫画だそうです。

③椎名軽穂(Karuho Shiina.시이나 카루호)「君に届け(너에게 닿기를) 16」
     

④亜樹 直(Tadashi Agi):作、オキモト・シュウ(/Shu Okimoto):画「神の雫(신의 물방울) 34」

⑤よしなが ふみ(Fumi Yoshinaga)
「きのう何食べた?(어제 뭐 먹었어?) 6」

⑥尾田栄一郎(Eiichiro Oda)「ONE PIECE(원피스) 67: Cool Fight」


⑦チョン・チョリョン(정철연)「MAJO&SADY(마조앤새디) 2」

     
 イラストレイターで主夫のマジョ(クマ)と、会社勤めの妻サディ(ウサギ)の夫婦の、心がホンワカとなるような漫画エッセイ、というか・・・。<カメコミー。>というブログの先月の記事では「帯についていた30秒に1度の爆笑というのはあながち嘘ではなかった」とか「メインは面白い話なのだけれども、中にはぐっとくるようなものもあったり・・・」とのこと。その次の記事では1話分日本語に訳されて紹介されていました。
 オリジナルのNAVER連載中のウェブトゥーンは→コチラ

⑧青山剛昌(Aoyama Gosho)「名探偵コナン(명탐정 코난) 77」

⑨ろびこ(Robico)「となりの怪物くん(옆자리 괴물군) 10」

⑩矢吹健太朗(Kentaro Yabuki)、長谷見沙貴(Saki Hasemi)「To LOVEる -とらぶる- ダークネス (투러브 트러블 다크니스) 3」

⑪チュ・ホミン(주호민)「神と一緒に あの世編 セット(신과 함께 저승편 세트)」
     
 私ヌルボが今年前半に読んだ中で一番の大感動・大収穫の漫画です。本ブログでは5月21日の「韓国漫画名作100選」の記事の冒頭で少し触れ、「本ブログで紹介するのはちょっと先伸ばしにします」と書きましたが、それっきりになっています。「あの世編」だけでも近いうちに紹介しようと思います。
この「あの世編」は現在「ヤングガンガン」で三輪ヨシユキ:画による日本語版が連載中です。その作品紹介は→コチラで、7月には単行本第1巻が刊行されました。
 物語は、若くして亡くなってしまった会社員が主人公。彼は閻魔大王(韓国では閻羅大王.염라대왕)の使いに従い冥界に向けて旅立つのですが、日韓の「仏教的あの世観」が共通していることを知るとともに、この作家の創造的イマジネーションにびっくり! またあの世に行く手段として深夜の地下鉄に乗ったり、49日の裁判を受ける過程で、最初から彼の担当の新米弁護士が有能ぶりを発揮したり等々、あの世もつまりは現代の反映、という描き方もおもしろかったです。
 <NAVER漫画>で、予告編から読むことができます。→コチラ

⑫大場つぐみ(Tsugumi Ohba):作、小畑健((Takeshi Obata):画「バクマン。(바쿠만) 19」

⑬ネオンB(네온비):作、キャラメル(캐러멜):画「ダイエット(다이어터) 3 健康持続編(건강지속 편)」
     
 25歳の平凡な女性銀行員は93kgの高度肥満。しかし肥満体質というものはなく、太る理由はすべて生活習慣、食習慣のためで、これを正していくことが大切、というコンセプトで書かれたダイエット挑戦漫画。昨年<DAUM漫画>でキャラメルが連載が始まると人気を集め、単行本化されると全3巻合わせて10万部売れたそうです。韓国でもダイエットに対する関心がそれだけ高いということですね。直接この漫画を見てみたいという方は→コチラで(予告編から)。
 ネオンBさん(27歳.女性)は元々はキャラメル氏のファン。3歳上の彼と昨年11月結婚したそうです。

⑭ネオンB(네온비)「ダイエット(다이어터) 2 運動適応期編(운동적응기 편)」

⑮ユン・ジウン(윤지운)「アンチ・レディ(안티 레이디) 5」
 会計事務所で働くOLの、職場での人間関係や、恋愛模様を描く。
 この作品も<DAUM漫画>で読むことができます。(→コチラ。)
     
  【<DAUM漫画>で見る「アンチ・レディ」。韓国漫画は、日本と違ってまずネット連載から。】

⑯ネオンB(네온비)「ダイエット(다이어터) 1 食餌調節編네(식이조절 편)」

⑰空知英秋(Hideaki Sorachi)「銀魂(은혼) 44」

⑱チョン・チョリョン(정철연)「MAJO&SADY(마조앤새디) 1」

⑲ナンダ(난다)「アコースティック・ライフ(어쿠스틱 라이프) 1」
 新婚夫婦の日常生活でおきる暖かく、穏やかな漫画エッセイ。
 これまた<DAUM漫画>で読むことができます。(→コチラ。) 韓国語ができなくても、絵を見ると雰囲気はわかります。

⑳ユン・テホ(윤태호)「内部の者たち(내부자들) 1」
 「未生」の作者ユン・テホが2010年から<ハンギョレ>のサイトで連載している政治漫画で、→コチラで見られます。内容は、<ハンギョレ(日本語版)>の記事「20年ぶり…うれしい、政治漫画」(→コチラ)に詳しく記されています。韓国の種々の組織・機関の中で自分の利益のために隠密に活動する「内部者たち」の醜悪な取引と陰謀を扱っている作品、ということです。
コメント (2)
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