ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[11月2日(金)~4日(日)]

2012-11-06 23:48:11 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 今日は雨の中、ポレポレ東中野まで足を運んで「三池 終わらない炭鉱(やま)の物語」を観に行きました。着いたところで、この映画は(昨日も行った)近所のシネマ・ジャック&ベティでも17日から上映することに気づき、ホゾを嚙みかけましたが、終了後に熊谷博子監督とポレポレ東中野のオーナーでもある写真家・映画監督の本橋成一さんとの中身の濃い対談が聞けた上、その後はお2人及び観客有志10数人との茶話会にまでノコノコ出席したりして、大収穫の映画鑑賞でした。茶話会の場で、私ヌルボが熊谷監督に、この映画のエンドクレジットに「企画 大牟田市・大牟田市石炭産業科学館」とあったが、とくに内容に注文がつけられることはなかったかお伺いしたところ、担当の市の職員の方が関係方面への説得・折衝等にすごく奮闘してくださったとか。第二組合の人の証言も入っているのはその人の意向だったとも。三井との関係等で困難なことも多多ある中、お役人の中にも気骨のある方がいらっしゃいます。(黒澤明監督「生きる」をちょっと連想。)
 本橋さんは対談の中で、1968年作品「炭鉱(ヤマ)」で太陽賞を受賞したが、その前に「上野英信さんの筑豊文庫に飛び込んだのが運のつき(笑)」と語っていました。上野さんから「おまえはどこから撮っていくんだ?」と問われたとか。自身の立脚点、視点を自覚的に確立すること、と私ヌルボは解しました。お二人の対談や茶話会でも出ていたのが炭鉱問題(とくに死者458名を出した1963年三川炭鉱爆発事故問題)と原発問題との共通性。財界・政界・司法・学界の強固な結びつきは半世紀経った今もあいかわらずです。

 上記シネマ・ジャックで昨晩観たのはドキュメンタリー「情熱のピアニズム」。フランスの天才ジャズピアニスト、ミシェル・ペトルチアーニを名前だけ、あるいはCDだけでしか知らなかった人(ヌルボは後者)は、最初のシーンで驚愕! こういう身体を持った人だったのか、と・・・。(→参考動画)
 しかし彼は「ぼくは他の人にはなりたくない。違うからすばらしい」と人生に対してすごく前向き。「人生を150%生きてきたからね」とも。そして36歳で世を去ります。ふつうの人だと54歳分? いや、50%ほどの密度でのんべんだらりと生きているヌルボの場合は100歳長生きしても内容的に負けてますね、あきらかに。

 「ハンギョレ(日本語版)」の10月31日の記事によれば、8日開幕の光州国際映画祭で中国と北朝鮮の初の合作映画「平壌での約束(평양에서의 약속)」(原題:アリラン)が特別上映されるそうです。中国人女性舞踊家が北朝鮮を旅行して、北朝鮮の舞踊家らと友情を育む内容とのことです。しかし統一部は、北朝鮮でのアリラン公演シーンが7分間あり、そこで北の体制を称賛するスローガンが見えるという理由からこの作品を特殊資料に分類して、鑑賞希望者は身元確認手順を踏んで「秘票」を受け取らなければならないとしているとか。最近釜山国際映画祭で上映された北朝鮮・イギリス・ベルギー合作の「」の場合は一般資料として承認されたためとくに制限等もなかった。しかし映画界の一部では、国際映画祭出品作を冷戦時代の定規で判断することを疑問視する声も出ているようです。
 こういう時代になったのだから、韓国政府も自信を持って北の文化を受け入れ、また南の文化を北にどんどん流すようにした方が自国の宣伝にもなると思うんですけどねー。

          ★★★ Daumの人気順位(11月6日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①Mac Korea(韓国)  9.8(89)
②悪い血(韓国)  9.5(34)
③シュガーマン 奇跡に愛された男  9.5(64)
④MBの思い出(韓国)  9.4(461)
⑤ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!  9.2(21)
⑥ヤコブへの手紙  9.2(30)
⑦バービー(韓国)  9.1(24)
⑧おおかみこどもの雨と雪(日本)  9.1(241)
⑨オオカミ少年(韓国)  8.9(1202)
⑩ピエタ(韓国)  8.8(1541)

 ②⑤⑨の3作品が新登場。
 ②「悪い血」は韓国製犯罪映画。交換学生としてスペインへの出国を待つ女子学生(ユンジュ)は、病気で死期の迫っている母から衝撃的な事実を聞く。死んだと思っていた父が生きているというのだ。そしてなんと、自分は彼の強姦により生まれたのだと・・・。彼女はその父なる男を直接殺す計画を立て、嘘をついて彼との危ない同棲を始める。キャッチコピーは「私の体の中にお前の血が流れるんだなんて汚らわしい」。うーん、これはヤバいぞ。(設定自体もヤバいように思います。強姦により生まれた子をこういう見方で見ていいのか?) 原題は「나쁜 피」です。
 ⑤「ファースト・ポジション」は、プロを目指して世界最高峰のバレエ・コンクールであるユース・アメリカ・グランプリに挑む6人の子どもたちを追ったドキュメンタリー。世界中から毎年5000人を超える応募があり、各地での予選後、ニューヨークで行われる最終選考に残るのは200~300人。そこからさらにファイナルステージですからねー。韓国題は「퍼스트 포지션」。日本では12月1日公開。
 ⑨「オオカミ少年」は後述します。

【専門家による順位】

①007 スカイフォール  8.3(6)
②おおかみこどもの雨と雪(日本)  8.1(6)
③Keep the Lights On  8.0(1)
④ミッドナイト・イン・パリ  7.8(7)
⑤少年は残酷な弓を射る  7.7(7)
⑥シュガーマン 奇跡に愛された男  7.7(4)
⑦二つの扉(韓国)  7.6(6)
⑧テイク・ディス・ワルツ  7.5(6)
⑨メゾン ある娼館の記憶  7.5(2)
⑨バービー(韓国)  7.5(2)

 新登場は③「Keep the Lights On」だけです。90年代ニューヨーク。映画作家と弁護士の男性2人の10年に渡る愛を描く。つまりゲイ同士のラブ・ストーリー。今年のベルリン国際映画祭でテディ賞(セクシュアルマイノリティを描いた作品中の最優秀賞)受賞作。韓国題は「라잇 온 미」。日本公開は未定のようです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[11月2日(金)~4日(日)] ★★★

         「オオカミ少年」が1位

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(32)・・オオカミ少年(韓国) ・・・・・・・・・・10/31 ・・・・・・・・・・・・・1,030,259・・・・・・・・1,294,453・・・・・・・・・9,283・・・・・・・706
2(1)・・007 スカイフォール ・・・・・・・・・・・10/26 ・・・・・・・・・・・・・・・458,991・・・・・・・・1,694,338・・・・・・・・12,667・・・・・・・581
3(2)・・光海、王になった男(韓国)・・・・・・9/13 ・・・・・・・・・・・・・・・272,725 ・・・・・・・11,418,829 ・・・・・・・82,752・・・・・・・404
4(3)・・容疑者X(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・10/18 ・・・・・・・・・・・・・・・108,246 ・・・・・・・・1,462,104 ・・・・・・・10,625・・・・・・・316
5(17)・・アルゴ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/31・・・・・・・・・・・・・・・・・56,645 ・・・・・・・・・・・79,987 ・・・・・・・・・・581・・・・・・・238
6(27)・・私が殺人犯だ(韓国)・・・・・・・・・11/08 ・・・・・・・・・・・・・・・・49,809 ・・・・・・・・・・・59,519 ・・・・・・・・・・460・・・・・・・214
7(5)・・メリダとおそろしの森・・・・・・・・・・・9/27・・・・・・・・・・・・・・・・・23,145・・・・・・・・・1,211,558 ・・・・・・・・8,896・・・・・・・106
8(4)・・鋼鉄デオ:救国の岡持ち(韓国)・・10/25 ・・・・・・・・・・・・・・・21,287 ・・・・・・・・・・215,887 ・・・・・・・・1,498・・・・・・・195
9(36)・・桃の木(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・10/31・・・・・・・・・・・・・・・・13,980 ・・・・・・・・・・・24,048・・・・・・・・・・・172・・・・・・・201
10(新)・・野蛮なやつら・・・・・・・・・・・・・・・10/31・・・・・・・・・・・・・・・・・8,340 ・・・・・・・・・・・13,278 ・・・・・・・・・・・・96・・・・・・・171
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「光海、王になった男」は「シルミド」(1108万人)と「TSUNAMI -ツナミ-」(1132万人)を抜いて韓国映画歴代5位に上がりました。4位「ブラザーフッド」(1174万人)にとどくかな? 今回の新登場は、1・5・6・9・10位の4作品です。
 1位「オオカミ少年」は、オオカミ少年(ソン・ジュンギ)と、世の中に心を閉ざした少女(パク・ボヨン)の恋物語。療養のため家族と静かな村に引っ越した少女は、闇の中に潜む謎のオオカミ少年を見つける。野生の目つきをした少年がなぜか気になる彼女は、食べる時の行儀や服の着方、読み書き等を一つずつ教えてやる。生まれて初めて自分に手を差し伸べる少女に切ない感情が芽生える少年だが、やがて予期せぬ危機の中で少年の危険な本性が現れて・・・。「一言も発することなく感情を表現しなければならなかったソン・ジュンギ、相手の行動と視線だけで感情を理解しなければならなかったパク・ボヨン」といったあたりが見どころのようです。原題は「늑대소년」。
 5位「アルゴ」は、日本でも10月26日公開。韓国題は「아르고」です。
 6位「私が殺人犯だ」は、韓国製アクション・スリラー。時効後に姿を現した連続殺人犯と、彼を追い続けてきた刑事、犠牲者の家族が繰り広げる対決を描く。15年前世の中を騒がせた連続殺人事件は、結局犯人をつかめないまま時効に。ところが2年後、「私が殺人犯だ」という自叙伝を出した男(パク・シフ)が出現。それも美男子で話術も巧み。かつての担当刑事(チョン・ジェヨン)は何とか彼を捕まえようと、未知の最後の未解決失踪事件を追う・・・。「練り上げられた脚本と個性的な演出、ブラックコメディーの要素も盛り込まれた緊迫感あふれるアクションシーンや結末を予想できないストーリー展開」と宣伝文句にはあります。原題は「내가 살인범이다」です。
 9位「桃の木」は、女優ク・ヘソンの監督としての長編第2作。
父の世話の下、外の世界を知らないまま30年を暗い家の中で生きてきた双子の兄弟。従順な性格のサンヒョン(チョ・スンウ)とは違って、隠れて過ごす生活が不満なドンヒョン(リュ・ドックァン)は、こっそり本を読み文章を書く練習をして小説家を夢見ている。父はこんなドンヒョンに、偶然知り合ったを夢見て遊園地で似顔絵を描くイラストレーター志望のスンア(ナム•サンミ)に息子と一緒に本を作ってくれることを頼む・・・。ク・ヘソンは自ら「好き嫌いが分かれる映画だと思います」と語っています(→コチラ)
が、<DAUM映画>のネチズンの感想(→コチラ)もたしかにそのようです。「映像はキレイ」と言ってる人は多いですけどねー。原題は「복숭아나무」。
 10位、「野蛮なやつら」は、オリヴァー・ストーン監督によるクライム・サスペンス。日本でもでたくさん翻訳書が出ているドン・ウィンズロウの「野蛮なやつら」(角川文庫)の映画化。アマゾンの読者評によると「麻薬、抗争、恋愛、友情というテーマは金太郎飴のごとくで、これまでウィンズロウを読んできた者には、ストーリーも意外性はないのだけれど、ついつい読まされてしまう」とのこと。原題は「Savages」で、韓国題は「파괴자들(破壊者たち)」。日本公開は未定。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・テイク・ディス・ワルツ ・・・・・・・・・・9/27 ・・・・・・・・・・・・・・・・2,288 ・・・・・・・・・・・・・48,406 ・・・・・・・・386 ・・・・・・・・・14
2(2)・・おおかみこどもの雨と雪(日本)・・9/13 ・・・・・・・・・・・・・・・・1,811 ・・・・・・・・・・・・329,218 ・・・・・・2,276・・・・・・・・・・10
3(4)・・シュガーマン 奇跡に愛された男・・10/11・・・・・・・・・・・・・1,529・・・・・・・・・・・・・・14,710 ・・・・・・・・103・・・・・・・・・・15
4(新)・・ウェストサイド物語・・・・・・・・・1999/5/29・・・・・・・・・・・・・・1,276・・・・・・・・・・・・・・・1,297 ・・・・・・・・・・2・・・・・・・・・・・1
5(4)・・愛の沈黙・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/11・・・・・・・・・・・・・・・・・・880・・・・・・・・・・・・・・16,400 ・・・・・・・・110・・・・・・・・・・13

 新登場は4位「ウェストサイド物語」だけ、といってもおなじみの過去の名作の再上映なので説明略。1999/5/29という公開年月日はネタ元のKOFICそのままなのですが、実際はもっと昔。しかし、何年にどんな形(削除の有無とか)かは未確認です。韓国題は「웨스트 사이드 스토리」。
コメント (2)
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