散 歩 B L O G

歩くことが唯一の趣味ですから。

仲本工事の店「名なし」

2004-09-01 | Weblog
駅の方から渋谷のセンター街に入っていくと、四つ角でマクドナルドにぶつかる。そのビルを見上げたら上の方、5階にあるのが仲本工事の店「名なし」だ。
目立たないけど、わかりやすいところにある。そこにあることにふと気づいたのは、もう5年も6年も前のことになるが、店に入ったことは一度もなかった。
こないだひとりで渋谷を歩いていて、ビアガーデンでジョッキの1~2杯も飲んでいこうかと思ったところに雨が降ってきたので、初めて「名なし」に入った。
さびれていたらどうしようと思ったらとんでもない。若者のグループがいくつも盛り上がっている。「和民」とか「白木屋」とかに集っていそうな元気な子たち。
飾り気のない大きなテーブルを若い子たちが囲んでいて、調理場のまわりには大きなカウンターがめぐらせてあり、一人客や二人客がパラパラと席についている。
これはぼくの好きなパターン。「ちょっと腰を落ち着けて飲んでみるか」という気分になり、人差し指を立てながら店員さんに会釈して、カウンターに通される。
「店員さんたち、みんな仲本工事にどこか似ているな。年齢も性別もまちまちで、家族といっても不思議じゃないメンバー構成かもしれない」なんて思っていると、
カウンターの向こうの調理場にいる「お母さん風」の店員さんに「お兄さん前も来たことある?」と声をかけられた。客商売の常套句ではあるけど悪い気はしない。
「いえ初めてです」「うちは一人でくるお客さんが多いのよ。それで珍しいんだけど、一人でくる女の子も多いのよ」と、満面の笑みで言う。客あしらいがうまい。
メニューを広げて、笑ってしまった。ほとんどの料理が420円、480円、520円のいずれかの値段に統一されている。料理だけでなく、飲み物までそうだ。
「×××でやってるから安いでしょ?」と「お母さん」が言う。まわりがにぎやかで聞き取れなかったが、笑って返した。「×××」とは「家族」? 「道楽」?
そのあたり深く詮索するつもり全然ないけど、なんとなく自分自身が「名なし」になって飲める、なかなか居心地の言い居酒屋だったと思う。またいこうっと。
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