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歩くことが唯一の趣味ですから。

ナスカ

2016-03-04 | Weblog
ナスカの地上絵を見るには、いくつかの方法がある。リマからパンアメリカンハイウェイを
南下してピスコという町まで4時間。そこでセスナに乗って、ナスカの地上絵を見る。

ペルーは高原のイメージがあるけど、人口の大半が集中するリマは海辺。そこからピスコ
までの道のりを含めて、ペルーの太平洋岸はすべて砂漠。

なんで砂漠かというと、寒流のプンボルト海流が太平洋岸を北上しているから、冷たくて
上昇気流が発生せず、雨が降らない。だから砂漠。どこまでいっても砂漠。

ナスカも砂漠で、雨が降らないから地上絵が消えないで残っている。



ピスコは海辺の砂漠の町。ペルーの言葉はわからないけど、ピスコは鳥という意味らしい。
たしかに海鳥がいっぱいいる。



海を眺めていたら、海鳥が何かひっくりかえしている。よくみると、あれはカニのようだ。



海鳥がカニをつついて食べた。どうやら隙間から口ばしを入れ、身をほじくって食べてる。

おいしそうに食べているのを見たら、食欲がわいてきた。



セビッチェというペルーの名物料理らしいものを食べる。イカとかエビとか貝とかを、たぶん
ゆでて、レモンしぼって食べる。おいしい。

左側の黄色いのはジャイアントコーン。右側のオレンジ色のはサツマイモ。海辺の乾燥地では
サツマイモがとれる。



パエリアのような、炊き込みご飯のような、薄味で魚介のだしが効いた食べ物。おいしい。
上に乗ってる王冠みたいなのは唐辛子のなかま。種が辛い。



十字架が派手やのう。キリスト教が入ってくる以前の文化が混ざっているのかもしれない。
日本に入ってきた仏教に山岳信仰とか、いろいろなものが混ざってるように。



おなかもいっぱいになったところで、空港でチケットを買ってセスナに乗る。ナスカまで
30分、砂漠の上を飛んで、地上絵のあたりを30分ほど旋回し、また帰ってくる。



どこに何の絵が描いてあるか、地図が配られる。状態がいいものだけ地図に載っている。
実際はそのまわりにも、消えかかった絵とか、単純な線とか、いろいろ見える。

地図の左上から右下に、斜めに走っている黄色い線はパンアメリカンハイウェイ。地上絵の
上を通っている。クルマで見物しにくる人たちは、やぐらにのぼって見渡す。



セスナがいっぱい。なんかけっこう、カンタンに離着陸している。料金も安いし、とても
カジュアルだ。



副操縦士がカタコトの日本語を話す。操縦士に何かあったらこの人が操縦するんだろうけど、
そうじゃないかぎりマイクで地上絵のガイドをするのが主な仕事。



日本人ばかり10人ぐらいまとめて、左右に分かれて座り、離陸する。けっこうGがかかる。
コクピットみるとカーナビみたいな画面がついている。



海辺が砂漠っていうのは、理由がわかっていても不思議。エルニーニョで雨が降ることが
たまにあり、いまはともかく昔はエルニーニョなんて分からないから、天変地異と怖れられ
歴史を幾度も動かしたとか。



どこまでいっても砂漠。ときどき緑地化された畑みたいな土地が、幾何学的なかたちで
ポツンと現われて不思議。サツマイモでも作ってるのだろうか。



30分後、ようやく地上絵がひとつ見えた。宇宙人みたいな絵。カタコトで副操縦士が
「羽根の下、宇宙人、これこれ……いたいた」と教えてくれる。セスナを傾けて羽根の下に
絵がくるように旋回し、右の座席の人にも、左の座席の人にも見せてくれる。



「羽根の下……いたいた……ハチドリ……これこれ」といわれて、どこだろうと探したら
たしかにハチドリが羽根の下に、いたいた。





肉眼でさがす分にはまだいいんだけど、写真に撮ろうとしてカメラをのぞきこんでいると
どうしても酔いそうになる。気づけば斜め前のお客さん、袋にゲーゲー吐いてる。



砂漠の黒い地面を掘ると白い部分が露出して、その白い部分が空から見ると絵になるように
地上絵は描かれている。



パンアメリカンハイウェイに自動車が停まって、やぐらから地上絵を見物してる人たちが
セスナからも見える。



右に左に30分ぐらい旋回して、じゅうぶん地上絵を堪能したら、また30分かけてピスコ
まで戻る。
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