春

ちょっとした書きものをするために居酒屋にひとりで入り、
生ビール２杯とおつまみ３品で書き終え、お会計をして
エレベーターに乗ると新入社員の集いらしい男女が
ひとつ下の階で乗り込もうとしてきた。９人乗りに
男２人、女６人が新たに乗り込み、あとは置き去り。
とりあえず男２人は眼中にないが、寿司詰めの女６人
みんな似たような新品のパンツスーツ、みんな同じような
セミロングの髪を同じようなブラウンにカラーリングして
まったく見分けがつかない。何の魅力も感じないが、
ただ、若いことだけは取り柄だ。力のみなぎった
別の生き物に取り囲まれているように感じた。
これが、トシヲトルということなんだろうか。