何年か前に亡くなった占い師だ。いまは息子さんが銭天牛Jr.として西洋占星術でご活躍だが、ご尊父は易も得意だし手相もできた。そんな元祖銭天牛さんの著書、『銭流易経』をひさしぶりに読んだ。初版は1986年、初めて読んだのはいつだったか。「緯編三絶」という言葉があって孔子は易経の巻物が三度バラバラになるほど繰り返し読んだことになっている。いくら何でも現代の本は丈夫だから三度バラバラになるほど読んではいないが、ひところ愛読した『銭流易経』を先日ふと神田の古書店『原書房』で見かけたのがキッカケで、つい懐かしくて読み返したわけ。やはり非常によい入門書だ。著者略歴のところを改めて読んで初めて気がついたことがある。いままで見過ごしていたのが不思議なくらいだが、出身高校も大学も同じだった。職歴にも少し似通ったところがある。生前、二度か三度お会いした時は、そうとは全く知らなかった。あまり大事なことでもないけど、うっかり知らずにいたのは残念なことにちがいない。