市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

角砂糖失はれゆき立冬の少女ら緻密な素足で群れたり

2021-11-06 20:42:00 | Weblog

 立冬に。


 昨日今日読んだ本。

 夏以来山﨑豊子さんに夢中。

 




 「暖簾」は昨日、「女の勲章」は昨日今日で読んだ。

 どの作品も素晴らしい。私くらいの年齢になると、エンタメでも、書物には未知の知識や新鮮なアフォリズムを求めてしまうのだが、その点でも彼女は充分にたくさんの満足や驚きを与えてくれる。

 つい最近まで、彼女が自分の同時代人だったのかと思うと、不思議な気がする。

 非常に辛辣で、性悪説に傾くような人間観をしばしば突いてくるのだが、それも不愉快ではない。また、ハッピーエンドも少なく、志の潔い主人公は、悲劇か不遇、または厭世して終わることが多い。
 が、それも納得してしまう。社会に正義を問うことは、必ずしも、勧善懲悪ではないと私は考えるからだ。

 とにかく豊かな読書体験。


 感謝。

 

コメント
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