今日は立冬。
けれども、甲府市は驚くほど暖かい。私が20代の学生時代に、晩秋、何かの理由で東京から山梨に戻ると、都内とは段違いの大気の乾燥と、八ヶ岳下ろしの寒さに震えたものだ。
今日も日中最高気温は19度。暖房なしに、薄手のウールで快適に過ごせる。
それに、ちょっと外出したら、道端の陽だまりには白詰草が咲き、一帯には柔らかい黄緑のクローバーがふかふかと繁茂している。おまけに、その脇には矮性種らしい小ぶりな向日葵が数本咲いていた。
冬でも半袖の人が珍しくない南国館山ならともかく、寒冷なはずの甲州では、かつてありえないこの景色、思わず立ち止まってしまった。地球温暖化のあかしだろう。
個人的に暖かいのは助かるが、やはり環境問題は切実、そぞろ心配になってくる。
南極のペンギンや、北極熊。地球各地の生態系の破壊。森林の大規模火災に食料問題。。。
あれは、それとも品種改良された冬咲き向日葵なんだろうか。真夏の花の勢いはなく、項垂れてほそぼそした姿だったから、きっと季節はずれには違いない。
館山と甲府の二重生活では、甲府盆地の厳しい冬の寒さに備えて家内あちこち工夫をしている。
今年はどんな年の瀬になるだろう。
鉛筆下絵「ゆふまどひ」
ティツィアーノ模写。
穏やかな日だった。感謝。