立冬に。
昨日今日読んだ本。
夏以来山﨑豊子さんに夢中。
「暖簾」は昨日、「女の勲章」は昨日今日で読んだ。
どの作品も素晴らしい。私くらいの年齢になると、エンタメでも、書物には未知の知識や新鮮なアフォリズムを求めてしまうのだが、その点でも彼女は充分にたくさんの満足や驚きを与えてくれる。
つい最近まで、彼女が自分の同時代人だったのかと思うと、不思議な気がする。
非常に辛辣で、性悪説に傾くような人間観をしばしば突いてくるのだが、それも不愉快ではない。また、ハッピーエンドも少なく、志の潔い主人公は、悲劇か不遇、または厭世して終わることが多い。
が、それも納得してしまう。社会に正義を問うことは、必ずしも、勧善懲悪ではないと私は考えるからだ。
とにかく豊かな読書体験。
感謝。