市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

あらざらむこの世のうちにほのぼのとガラスを揺する君のいますか

2021-10-28 20:46:00 | Weblog

 言霊、という信仰が日本にある。

 若い頃には、それはただの知識だったが、還暦も近い今になると、実感を伴って畏怖を帯びる。

 自分を含めて周囲さまざまな遍歴を俯瞰すると、とてもしばしば、口から出た言葉が、当人の未来を引き寄せている現象を見るからだ。パフォーマンスが未来を予告する。

 言霊に畏怖を感じると、歌言葉でも以前のように大胆な超現実を作れない。現実を覆し、あるいは打撃、刺激を与えて、意表を突く短詩は、成功すれは磨かれた宝石のように美しいが、凝った奇抜さは、フォークロアの素朴な視点から眺めると、首をひねる。

 とはいえ、私は口語短歌を好まない。わかり難くても、現実とは一線隔てる雅語が良い。

 


 ラファエルロのデッサン。


 感謝。


 
 
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アルファポリス